トップギアスタッフ、マークのガレージ紹介

トップギアスタッフ、マークのガレージ紹介6:必要ないのにガッチガチに装甲化されたBMW 7シリーズを買ってしまった

インターナショナルで有名なカメラマンであるマーク リッチオーニは、何年も何年もTGと一緒に仕事をしている。で、写真を撮っていないときは、「けしからん」クルマを購入しているのだ。日本車のチューニングが大好きなマークだが、ここでは、彼の中毒性とその世界を共有しよう。

「そんなの普通じゃないでしょう?」

これは、その日の夕方、「クルマ」の用事で出かけると告げた直後に、彼女がつぶやいた言葉である。もちろん、ウィンドウウォッシャー液を使いに行くだけの話じゃない。しかし、詳しく説明すればするほど、彼女の言葉が事実であるかのように思えてくるのが怖い。

というのも、私はもう1台、古い車を回収しに行ったのだ。このクルマは、ブルガリアからわざわざ運送業者が運んできたものである。

説明しよう。私が買ったのはクルマというよりも、1993年式のBMW E32 750iLPを装った戦車と表現した方が近いクルマだったのだ。この型番はタイプミスに見えるかもしれないが、そうではなく、Pはプロテクションを意味する。弾丸や爆弾を通さないレベルのものだ。

装甲車は目新しいものではないけれど、BMW 7シリーズほどクールに見えるものはそうない。ジェームズ ボンドが『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』で乗っていた装甲車があったが、この車の最後のオーナーはブルガリアの国家公務員だった。そのため、車内には酸素供給装置、PAシステム、5層の厚いガラス、緊急時に備えてフロントガラスに小さな爆発物が備え付けられているのだ。

こんな奇妙なものをどうやって手に入れるんだ?もちろん、Facebookのマーケットプレイスである。「面白いBMWを売ります」グループに出品され、価格は約1万ユーロ(138万円)。E32がV8でこの値段なら、4気筒追加で1.2トンの装甲とガジェットがついてくるのだから、ちょっとしたバーゲンのような気がしたのだ。

しかし、PayPalを使ってブルガリアの会ったこともない人物に何千ユーロも送金し、数枚の写真を撮るだけで、その車と対話することも実車を見ることもなかったのだ。世界一簡単な詐欺のようなもので、私はナイジェリアの王子の財産を取り戻そうと、75歳の未亡人のような振る舞いをしていたのだ。

でも、心配は無用だった。私が話したのは、ブルガリアのレッドライン ディールという会社のダニ ヴェルコフという男で、トップギアの熱烈なファンであり、奇妙な装甲車にも同じように熱中していることが判明した。数年前にオークションで入手した装甲車数台を、友人の代理で売っているとのこと。装甲車製造会社の税金疑惑に絡む話でもなければ、ググるべき対象でもない。

しかし、一番の問題は、ブルガリアからイギリスまでの1,800マイル(2,900km)をどうやって運ぶかである。「心配しないで、知り合いがいるから」とダニが言った。「いい値段で運んでくれるよ」この時点で、私はすでに存在すら知らなかった車の代金を支払っていたのだから、もういいじゃないか。これ以上損するわけなんかない。

そして、買ってから3ヵ月後の木曜日の午後8時頃、ブルガリア人から電話がかかってきて、「あと数キロで着くから」と言われた。3.2トンの装甲車750iLPを6台のトランスポーターで1800マイルも離れたノーサンプトンシャーの新居まで運んできたというのだ。その時、私はガールフレンドが最初に言ったことが100%正しかったことに気づいた。

【KINTO】

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