フォルクスワーゲン(VW)史上、最も過激で「狂気」に満ちたコンセプトカーが帰ってきた。2007年に発表され、世界中のファンを驚愕させた「ゴルフ GTI W12-650」である。ベントレー譲りの6.0リッターW12ツインターボエンジンをミッドシップに搭載し、最高速度324.8km/hを叩き出すこの怪物が、GTI誕生50周年の節目に再び姿を現した。今回は、そのスペックから開発の背景、そして2026年の視点から見たその価値まで、トップギアの視点で深掘りする。
2007年5月、フォルクスワーゲン(VW)は、大袈裟な虚飾や芝居がかった演出を一切排した短い声明を発表した。しかし、そこに記されていたのは、その両方をこれでもかと詰め込んだマシンのニュースだった。「唯一無二のデザイン・スタディ」である。
それは、3ドアのゴルフ GTIに「後輪を駆動する専用のミッドマウント製ツインターボ W12 650PSエンジン」を密通させた代物だった。そして今、あの理性を失った12気筒ハッチバックが帰ってきた。しかも今回は、情熱的なレッドを身にまとって。
堅実でファミリーフレンドリーな車を作ることで知られるメーカーが、史上最もワイルドで、最も速いゴルフ GTIを解き放ってから、実に20年近い歳月が流れた。ゴルフ GTIの誕生50周年を祝う今年、この怪物は再び檻から出されたというわけだ。
VWは、この「W12 650」の再登場について、GTI 50周年記念パーティーに参加させるということ以外、新たな詳細は明かしていない(下のギャラリーにある他の狂ったGTIコンセプトたちと並んでの登場だ)。だが、主要なスペックについては皆さんも記憶していることだろう。
例えば、VWの「輝かしき過剰性能の敗北者」ことフェートン(当時のVW会長フェルディナント ピエヒの肝煎りで開発された超高級セダン。ベントレー並みの過剰な品質を誇ったが、VWブランドとしては高価すぎて販売は振るわなかった)から引き抜かれ、旧型ベントレー コンチネンタルGTに搭載されていたものと密接な関係を持つ6.0リッターW12エンジン。そのW12には2基のターボ、1気筒あたり4枚のバルブが備わり、最高出力650PS、最大トルク750Nmを叩き出した。
その全パワーは、極限まで酷使される6速ティプトロニック・オートマチックを介して、ただひたすらに後輪へと送り込まれる。その結果、0-100km/h加速は3.7秒を記録し、理論上の最高速度は324.8km/hに達した。
車体は低く、ミッドに詰め込まれた巨大なエンジンを収めるために、はるかにワイドに仕立てられた。巨大なリアウィングの装着を避けつつ、車体が浮き上がるのを防ぐために床下エアロダイナミクスが凝らされている。冷却用のスクープとベントが随所に配置され、カーボンファイバーで構築された。足元は19インチを履いていたが、2026年の今となっては、それがなんだか……古風にさえ感じられる。
「GTI W12-650は、オーストリアのヴェルターゼー (Wörthersee:オーストリアにある湖。毎年、世界中からVWファン(特にGTI乗り)が集まる巨大イベントが開催されていた聖地)で開催される恒例のGTIフェスティバルを記念して、フォルクスワーゲンが製作した専用のデザイン・スタディである」。VWは、おそらく真顔でそう語った。乗る者の表情をまともに保たせることなど不可能な車について。
フォルクスワーゲン GTI ロードスター
フォルクスワーゲン デザイン ビジョン GTI
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=海外の反応=
「VWが売ってくれないなら、自分で作るしかないな。イギリスのユーロビジョン代表候補みたいに、ミニ クラブマンのリアに27リッターのV12戦車エンジンをぶち込もうとしてる奴だっているんだし」
「ダッシュボードにある大量のダミーボタン、今回はちゃんと繋がってるのかな。昔トップギアでクラークソンが白い方のモデルに乗った時、内装の偽スイッチを片っ端から試して遊んでたのを思い出すよ」
「↑確か、コーナーを曲がらせようとして四苦八苦してたのもその時だったよな」
「これ発表された時は衝撃だったな。ゴルフにW12を積むなんて発想、当時のピエヒ体制下のVWにしかできない狂気の沙汰だった。今見てもリアフェンダーの張り出しがエグい」
「スペックだけ見ればスーパーカー。でも見た目はゴルフ。このギャップがたまらない。19インチが『小ぶり』に見える今の時代感覚も恐ろしいけど、この車は別格だよ」





