なんだ、これはと思われるかもしれないけど、現実にあるものだ。これは明らかにE46 CSLで、BMW Mのチームがその1台を作ったというわけ。当時は、実に1,383台が製造された。M3初のカーボンルーフを持ち、有名なカーボンエアボックスを装備している。Mのブランド価値を最も忠実に表現した、史上最高のMカーと言われる。また、クーペ スポーツ ライトウェイト(Coupe Sport Lightweight=CSL)というジャンルを最も正確に表現したクルマでもある。
その心臓部はS54 3.2リッター直列6気筒で、最高出力は360bhp(17bhpアップ)であった。
しかし、このクルマは、当時出ていたものとは違う。このクルマはピュアなスカンクワークス(企業内の極秘開発部門、選抜されたメンバーのみからなる特命チームのプロジェクト)だ。Mはこれを市販車のプランとして役員会に提出するつもりなど、毛頭なかった。だから、価格なんかついているわけがない。
なぜなら、V8が搭載されているから。E39 M5のS62型400bhp 5.0リッターを、なぜかここに詰め込んでしまったのだ。パッケージングもバカげていて、クリアランスはミリ単位で計測されている。もしかしたら、「こんなの入れられるわけないでしょ?」というジョークで始まったのかもしれない。
私はこのクルマをスタートさせ、ドライブすることができた。 - それは、E39よりも怒っているようで、回転と応答が速かった。そういえば、V8を搭載したM3 GTRのホモロゲーション、アメリカ市場向けに10台作られたのを覚えてる?あれはレース用にチューニングされた460bhpの4.0リッターモーターを使ったもので、まったく別のプロジェクトだったようだ。これは社内で楽しむため…いや、使用するためだけのものであることがわかる。
このフランケンシュタインは粗雑に仕上げられているかと思いきや、もちろんそんなことはなく、ダイナミクスを調整するためにサスペンションが変更されているのだろう。微妙な作業で、唯一の外見上の特徴は、バンパーの右側にある余分な穴だ。
しかし、私が一番気に入ったのは、走行距離30,000kmという点だ。明らかに誰かが楽しんでいたってことだよね?
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