ボンド気分が抜けないあなたに、45万円からゲットできるボンドカー購入ガイド

鋭い方はお気づきかもしれないけど、最新のボンド映画には、(a)何人かの俳優と、(b)アストンマーティン DB5が出演している。他にもいろいろ出てるけど…。見終わったあと、映画館を出てからずっとボンド気分が抜けないあなた、ボンドカーが欲しくならなかっただろうか?

ガジェット満載のアストンは手に入れることは可能っちゃ可能だが、めちゃめちゃ高価だ。そして、どちらかというと専門家向けでもある。では、正真正銘のボンドカーをもっと手ごろな価格で自宅の庭に置きたい場合はどうすればよいのだろうか。

ボンドカーの中には、高価なアストンから、高価ではないルノー 11、エスプリ、2CV、BMW Z8など、25作品の歴史の中で、たくさんの選択肢がある。

ここでは、最も象徴的で、そして一風変わったボンドカーの購入ガイドをご紹介しよう。

ロータス エスプリ S1

ボンド映画:『007/私を愛したスパイ』(1977)
2013年、テスラのボスであり、現実社会での『アイアンマン』トニー スタークであるイーロン マスクは、『007/私を愛したスパイ』の潜水艇を65万ポンド(9,800万円)で購入し、モハーベ砂漠の地下の隠れ家でディナーテーブルとして使用しているのだろう。

しかし、良質なシリーズ 1のエスプリは、もっと安く手に入れることができる。ただし、40代となっているスポーツカー、とりわけ英国製のスポーツカーの多くは、その目的へのコミットメントが厳しく問われるものになる。初期のエスプリはツインキャブの2.0リッターを搭載しており、160bhpという出力はライスプディングの皮を剥いでも問題ないほど弱々しいもので、悪役の子分がこのクルマに乗っていても気にならないほどだ。しかし、軽く、ハンドリングも素晴らしいものであった。

S2、S3、ターボの各バージョンは、より良く整備され、より良く作られ、より速くなっているが、ボンドの魅力を最大限に引き出すためには、やはりS1を選ぶべきだろう。

おいくら?:25,000-40,000ポンド(375-615万円)

 

シトロエン 2CV

ボンド映画:『007/ユア・アイズ・オンリー』(1981)

かつては、これがボンドの自動車をDIYするための最も費用対効果の高い方法だっただろう。しかし、まともな2CVは今では人気があり、1981年のボンドの低評価作品に合わせて登場した限定版は、接着剤でできた弾痕と巨大な007のロゴが付いていて、何とも言えない。もう、忘れよう…。

ボンドは「ムーンレイカー」で宇宙に行ったことを覚えていると思うが、『007/ユア・アイズ・オンリー』は冷戦時代の現実を確認するために作られた作品だ。コルフ島でのカーチェイスでは、プジョー 504に乗った悪者の大群から逃れながら、盗んだ2CV(屋根がキャンバス地の車)をオリーブ畑の丘陵地帯に樽のように転がしていく。

2CVに搭載されていた602ccの空冷ツインエンジンを、4ポットのGSエンジンに置き換えたのだ。

ヘリオスイエローに塗装された2CVに乗っていても、ロジャー ムーアのような気概がなければ真のボンドカーとしては成立しないが、2CVが嫌いな人はいないだろう。

おいくら?:3,000-15,000ポンド(45-225万円)

 

アストンマーティン ヴァンキッシュ

ボンド映画:『007/ダイ・アナザー・デイ』(2002)

DB4 GT ザガート以来の最高のアストンではないだろうか。このクルマは19台しか製造されておらず、最近では600万ポンド(900万円)からあまり変わらない値段で売られている。

初代ヴァンキッシュは、ボンド映画の中でも悪名高い "透明人間"として登場したことは差し引いても、007に相応しいお買い得なモデルと言えるだろう。460bhpのV12を搭載した初期の車は、トム ジョーンズが地球のコアから抜け出そうと歌っているかのような音を出し、フラッピーパドル式のギアボックスに悩まされていた。

アストンのワークスサービスは、15,000ポンド(225万円)でマニュアル化を提案してきた。…ご親切に、ありがとう。

おいくら?:60,000-100,000ポンド(900-1,500万円)、マニュアルコンバージョン完成品で125,000ポンド(1,880万円)

 

アストンマーティン DB5

ボンド映画:『007/ゴールドフィンガー』(1964)、『007/サンダーボール作戦』(1965)、『007/ゴールデンアイ』(1995)、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)、『007 スカイフォール』(2012)、『007 スペクター』(2015)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)(『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999)にも一瞬登場)

正直、買えないよね。仮に買えたとしても、実際には見た目ほど素晴らしい運転ができないクルマを発見することになる。

この車は最もクールな外観なのだが、ミッション・インポッシブルなこと。…あっ、ごめん、別のスパイ・スリラー・フランチャイズ映画のタイトルだった!

おいくら?:500,000ポンド(7,500万円)…さらに高いものも

 

BMW Z8


ボンド映画:『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999)

1990年代にボンドの制作会社であるEonがBMWと手を組んだとき、粗悪なプロダクト・プレイスメントの時代が到来し、悪のブロフェルドたちが成し遂げられなかったことを007にもたらしかねなかった。

だが、Z8をそのようなうがった目で見てはならない。クリス バングル時代の狂気が始まる前にBMWが行った最後のレトロな試みであるZ8は、現代のM5のパワートレインを再利用して記憶に残るほどのケツを降りやすい効果を発揮し、雷鳴のようなサウンドトラックを作るために派手なソフトウェアは必要なかったほど。

右ハンドルの設定はなく、2000年の新車価格は85,000ポンド(1,280万円)だったが、Z8は本格的なモダンクラシックとしての地位を急速に確立した。BMWを含めて。

おいくら?:10年前には5万ポンド(750万円)で買えた。今では15-20万ポンド(2,250-3,000万円)になっている。

 

BMW 750il

ボンド映画:『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)

1990年代のボンド映画に登場する技術は、あまり昔のことでもないために、60年代や70年代のものよりも滑稽なほど時代遅れに見える。

ピアース ブロスナンは『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)で、ガジェット満載のE38時代のBMW 750iL(実際には740)をEricssonの携帯電話(何だっけ?誰だっけ?)を使って立体駐車場でパワースライドさせた後、屋根からレンタカー店舗に突っ込んで無傷で返却する権利を放棄するという、特筆すべき二重苦を達成している。

親戚のZ8と違って、BMWの高級車は、各ホイールに金メッキのアンビルを取り付けても、減価償却が早くなることはないのだが、昨日のボンドカーは、明日のロンドン西部ハウンズローのミニキャブになるのだ。

おいくら?:ヒースロー空港の近くの刑務所には、ポテトチップス1袋で交換してくれる男がいるとか。

 

AMC ホーネット

ボンド映画:『007/黄金銃を持つ男』(1974)
広告手法のプロダクトプレイスメントは1990年代に始まったものではないことを証明している。『007/死ぬのは奴らだ』(1973)の保安官J.W.ペッパーがなぜタイでクルマを買っているのかは不明だが、彼はロジャー ムーア演じるキャパシティに富んだ007に引きずられ、強大なクリストファー リー演じるスカラマンガを追っている。

シリーズの中でも最もあり得ない瞬間のひとつが、謙虚で長い間忘れられていた米国のゴミ箱が、不世出のヒーロー "バンプス"ウィラードのハンドルを握り、川を越えて衝撃的なコークスクリュージャンプを行う場面だ(水の中にカエルの仲間がいて彼を釣り上げようとしていたことや、彼の天才的な才能が映画「キャリーオン」の音響編集者によって破壊されることを知って喜んだに違いない)。

AMCはかつてデトロイトのビッグスリーと競い合い、トランザムのエースレーサーを輩出したが、1988年にルノーとの不毛な提携を経て、ついに破綻してしまった。

おいくら?:見つけるのは難しいかもしれないが、試してみる価値はあると思う。

 

フォード マスタング マッハ 1

ボンド映画:『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)

コネリーがカムバックした最初のボンドには、月面車のムーンバギーのようなものもあったが、こんなものを見つけるチャンスもあったんだ。

マッハ 1は、ラスベガスの路地を2輪で走る姿がとてもかっこよかった(スタントドライバーのバズ バンディが、入ってきた側と反対側から出てくるところは、4輪でもかっこいい)。

NACAダクト、ラムエアエフェクト、ボンネットのロックピンなどが用意されていた。スティーブ クーガンが演じたノッティンガム出身の元ローディーで、パートリッジ以降の彼の最高のキャラクターであるサクソンデールには、このダクトが付いていた。

いい動きをする。けど、他のUSマッスルカーと同様に、今では新しい世代のメーカーに追われている。

おいくら?:25,000-70,000ポンド(375-1,050万円)

 

ルノー 11

ボンド映画:『007/美しき獲物たち』(1985)
インターネットではこのクルマが嫌われているけど、私たちは嫌ってない。首を切られ、内臓を取り除かれても、007はこの愛されないフレンチカーを操縦してパリを通過していく(実際にはスタントマンのマーティン クレースが、隠れた小さなリアタイヤに助けられている)。

現在、11は販売されていないが、これは酸化の危険性があるから。 しかし、1980年代のフランス車が持っていた黄色みがかったヘッドライトを備えた、このブルーの電話交換機みたいなヤツを懸命に探してみて。そして、ブルトンのトップスを着て、タマネギを首に巻いて、ゴロワーズを吸いながら運転してみてはいかがだろうか。

おいくら?:実際に、この1台を見つけられたら、ラッキー。

こちらもご覧あれ。クリストフ ランベールとプジョー 205GTIが出演した1985年のリュック ベッソン監督のスリラー映画「サブウェイ」。

 

アルファ ロメオ GTV6

ボンド映画:『007/オクトパシー』(1983)
もうひとつの希少なボンドカー、それこそがこのクルマが登場する理由だ。このクルマが主役の楽しい本格的なカーチェイスシーンは、これがなければかなり退屈な『007/オクトパシー』のハイライトとなっている。リアドライブのアルファは、当時の同種のクルマと同様、きちんと横向きにスライドしながら走ることができ、2.5リッターV6のサウンドは、法律ですべてのエンジンのサウンドを義務づけられているようなものだからだ。

トリノ近郊のテストコースにちなんで名付けられた、350台限定の米国Baloccoバージョンもあったが、これはぜひとも欲しいところである。

おいくら?:状態にもよるけど、10,000-30,000ポンド(150-450万円)だ。つまり、主にサビの問題ってこと。

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