ハイパーベットの噂は真実だった。V8ツインターボにモーターを組み合わせ、0-400m(クォーターマイル)を9秒以下で駆け抜ける。
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1250馬力のコルベット。これはドラッグレース専用車ではない。れっきとした市販モデルだ。どうやら、1064馬力のZR1は「ラスボス」ではなかったらしい。
ここに紹介するのが「ZR1X」。これまでネット上では「ゾーラ」の名で噂されてきたハイパーコルベットだ。ZR1が搭載する5.5リッターV8ツインターボに、コルベットE-Rayの電気モーターとハイブリッドシステムを組み合わせている。
システム総合出力は、驚異の1250馬力。そのパワーを4輪で路面に伝え、0-97km/h加速は2.0秒未満、0-400mは到達速度240km/h以上で9.0秒を切るという。はっきりさせておこう。これは、1183馬力で0-100km/h加速2.15秒を誇る、価格310万ポンド(6億円)のフェラーリ F80を凌ぐパワーと加速性能なのだ。
だが、ZR1Xは限定生産車ではない。今年後半に発売される際には、コルベットのラインナップに並ぶ通常モデルとなる。後付けで開発されたわけでもない。開発責任者のキース バグリー氏はこう語る。「C8計画には常に織り込み済みでした。我々はこのクルマを冗談めかして『キッチンシンク・カー(ありとあらゆるものを詰め込んだクルマ)』と呼んでいました。我々が実現したかったハイパーカーそのものです」
ZR1のV8ツインターボはほぼそのまま流用されているが、E-Rayのハイブリッドシステムは強化されている。「バッテリーは同じですが、アーキテクチャを突き詰め、26%も多くの容量を使えるようにしました」とバグリー氏は言う。フロントアクスルに搭載されるシングルモーターは、E-Ray比で26馬力・27Nmアップの186馬力・196Nmを発生する。
モーターはフロントアクスルにあるが、1.9kWhのバッテリーとパワーエレクトロニクスはトランスミッショントンネルに配置。時速160マイル(257km/h)を超えるとモーターは切り離され、それ以上の速度域はエンジンのみで走行する。このシステム全体でZR1に約115kgの重量増となり、公称乾燥重量は1,780kg前後と予想される。
これにより、1,525kgのF80や1,400kgで1250馬力のマクラーレン W1といったモデルより、かなり重い階級に入ることになる。トラクション性能のおかげで60~70mph(110km/h)までは互角に戦えるかもしれないが、それ以上の速度域やサーキット周回では、ヨーロッパ勢が圧倒的なアドバンテージを享受するはずだ。
コルベットはZR1Xの用途を限定しておらず、「サーキットよりも公道での使用を主眼に置いているが、どちらにも対応できるよう設計した」と述べている。とはいえ、最大1.3Gの加速Gを発生させ、3速でも1G以上を持続できるこのマシンで、3秒以上の全開加速を楽しめる公道はそう多くないだろう。となれば、ブレーキ性能が気になるところだろう。
そのスペックは、まさに異次元だ。連続的に織られたカーボン繊維から作られた420mmのカーボンセラミックディスクを、10ピストンのアルコン製キャリパーが掴む。ニュルブルクリンクでのテストでは、ティアガルテン(最終コーナー手前の高速セクション)で時速180マイルから120マイル(290km/h→193km/h)への減速時に1.9Gを達成したという。
ZR1同様、ZR1Xにも2つの仕様が用意される。スタンダード仕様は小型のリアウイングとミシュランPS4Sタイヤを装着し、最高速は233mph(約375km/h)以上を誇る(重量増のため、通常版ZR1より最高速が伸びる可能性は低い)。一方、「ZTKパッケージ」は巨大なリアウイングとミシュラン Cup2Rタイヤにより、さらなるダウンフォースを獲得する。
ボディタイプはクーペとコンバーチブルの両方が設定される。価格はまだ発表されていないが、ZR1の174,995ドル(2,750万円)から25,000ドル(400万円)程度の上乗せと予想してみよう。ヨーロッパの高級車に匹敵する価格ではないかもしれないが、パフォーマンスは間違いなく匹敵する。このコルベットを、真のハイパーカーへと昇華させるのに十分だろうか?
【エレクトリック アワード 2025】ロータス エヴァイヤ/ルノー 4, 5/R32電動化計画:トップギア・ジャパン 067
【tooocycling DVR80】
箱バン.com
=海外の反応=
「トップギアが「通常版」ZR1でやったF1マシンとの悲劇的な比較じゃなくて、ちゃんと15万ポンド(3000万円)クラスのクルマと比較してくれることを願うよ。
15万ポンドのマクラーレン(ああ、そんなのないか)か、15万ポンドのポルシェ(ベース価格15万ポンドで、オプションてんこ盛りにした30万ポンドのやつじゃなくてね)と比べてくれ」
↑「15万ポンドのマクラーレンのリンクを教えてくれよ」
↑「15万ポンドのマクラーレンがあるなんて言ってないだろ。ただ、このコルベットが本国で15万ドルだって言うのは不誠実だってこと。アメリカのディーラーは平気で10万ドルとか上乗せするからな。ちゃんと読んでくれよ」
「マジかよ… ZR1にこれ以上の性能が必要だなんて思ってもみなかった。ていうか、ベースのスティングレイですらめちゃくちゃ速いのに、今度はこれかよ!? GMがコルベットでやってることは最高だね。価格もハイパーカーと比べたら超競争的だろうし。このプラットフォームがあれば、新しいボディを被せて限定版ハイパーカーとして売ることもできるんじゃないか…」
「1000馬力超えの市販車が、オプション満載のアウディQ8くらいの値段で買えるってことにワクワクしない奴は、クルマ好きを名乗る資格はない。絶対にだ」
「興味深いね。正直、C8のデザインには100%納得してたわけじゃないけど、だんだん良く見えてきた。
気になるのは、GMがこのモデルと「通常版」ZR1をどれだけ売れるかだな。「通常版」ZR1の販売台数を食っちゃいそうだけど、元々そんなに多く売れるモデルでもないか…。
(追記:CorvetteBloggerによると、初年度C8 ZR1の注文は300台強らしい。思ったより少ないな)」
「アメリカのディーラーは公式価格にかなりえげつない上乗せをするからね。ダッジ デーモンの例を見れば分かる。だから、ヨーロッパの高級車と値段はそう変わらなくなるんじゃないかな。転売ヤーが絡む前の話でね。
思うに、マクラーレン W1の方がこのコルベットよりずっと速いだろう。馬力は同じでも、ウェットウェイト(実走行に近い重量)ならマクラーレンの方が500kgは軽い。比較にすらならないよ。コルベットがちょっと重すぎるってだけだ。マクラーレンはほとんどのシナリオでコルベットを置き去りにするだろうね。マクラーレン 750Sですら、このコルベットとペースはそう変わらないんじゃないか…」
↑「ZR1は今20万ドルくらいで売られてるから、これに10万ドル上乗せされたとしても「たった」30万ドルだ。W1はその7倍もする(これはフェアな比較じゃない、もっと「特別な」クルマだからね)。でも、750Sだって5万ドル高いのに、性能は下だ。
もっとフェアな比較対象はフェラーリ SF90だろう。どっちもツインターボV8のハイブリッドで1000馬力超えだし。フェラーリは100kg軽いけど、馬力は250馬力も下で、ダウンフォースもグリップも劣る。それでいて価格は2倍(57万ドル)もするんだぜ」
↑「結局、ディーラーの上乗せ入れたら30万ドルか。アメリカ人が「15万ドルだ」って言う時にイラっとするのはそこだよ。違うじゃんって。マクラーレンやポルシェ、フェラーリと大して値段が変わらないのに、まるで自分たちが安いから凄いみたいに振る舞う。
それに、750馬力のマクラーレンに追いつくのに1200馬力も必要なんだろ。それを自慢されてもね」
↑「通常版ZR1はすでにテスト済みで、750Sよりかなり速く、296GTBアセットフィオラーノとほぼ互角だ。ZR1Xは750Sじゃ到底太刀打ちできないよ。
仮にディーラー価格が25万ドルになったとしても、他の高級車の半額で同等以上の性能なら、すごいお買い得だろ。296のスペシャルモデルや992 GT2RSは60万ドル以上するだろうし、本物のハイパーカーは何百万ドルもするんだから」
↑「そりゃマクラーレン750Sより250~300馬力も上なんだからな。でもサーキットじゃマクラーレンの方が圧倒的に軽いから、結局マクラーレンが勝つだろ。300馬力も上で直線でやっと勝てるって、自慢にならないよ。
全部がドラッグレースじゃないんだ。アメリカ人はそれが分かってないみたいだけど。このクルマはマクラーレンより500kg以上重い。その重さだけでパワーアドバンテージは相殺される。
大体、991世代の古いGT2RSの方がまだサーキットじゃ速いだろ。アメリカ車を買うような層は金に困ってないんだから、好きなものを選べる。直線は速いけど、サーキットに持ち込めばその重さのせいで、ポルシェやマクラーレン、フェラーリのようなオールラウンダーにはなれないんだよ」
↑「マクラーレンはサーキットでもZR1に完敗するよ。Car and Driver誌のテストじゃ、765LTのVIR(サーキット)のタイムは2:38.4。普通のZ06ですらそのタイムに並んでるんだ。400馬力も上のZR1なら粉砕するし、ZR1Xはさらに別格だ。
GT2RSヴァイザッハの同サーキットのタイムは2:37.8だから、来年のテストでは徹底的に打ちのめされるのが目に見えてる。ZR1Xはセナから王座を奪うだろうね」
↑「マクラーレンはパワー、ダウンフォース、グリップで劣るから勝てないだろうね。自慢なのは、ZR1が20万ドル以下で、45万ドル以上するマクラーレンより高性能だってことだよ。
アメリカ人だってコーナーをよく理解してるさ。ZR1がサーキットレコードを塗り替える動画はいくらでもある。ロード・アトランタでは991 GT2RSに2秒差、ロード・アメリカでは5秒差で勝ってる。しかもプロじゃなくて、メーカーのエンジニアが運転してだぜ。
なんでこのクルマを10倍も値段がするW1と比較しようとするのか理解できないね。不誠実だよ。むしろ、なぜマクラーレンは30万ドル以下でこのレベルの性能のクルマを作れないのか?って問うべきじゃないか」
↑「マクラーレンはそこまで価格を下げられるほどの生産規模がないと思う。仮にできたとしても、ブランド価値を薄めるとしてやらないだろうね。
GMはこの世代の価値と性能で賞賛されるべきだ。君の言う通り、もっと高価なクルマを引き合いに出して比較するのは、GMに対する非難にはならないよ。
とはいえ、GMが素材や内装の面でも「本気で」スーパーカーを作ったらどうなるか見てみたい気もする。相対的な手頃さや日常使いを目標から外したGMのハイパーカー。いつか「ゾーラ」がそうなってくれるかもしれないな」
↑「(コルベットとマクラーレンの重量差は)600ポンド(約270kg)じゃなくて600kg(※実際はポンドとキロの勘違い)だよ。ウェットウェイトで計算したら560kg差だ。
で、結局ディーラー価格込みだとヨーロッパ車と大して変わらない値段で、勝つために1200馬力も必要なんでしょ。笑えるね。どうせニュルじゃGT3RSより遅いんだろ、マスタングGTDみたいにさ。
未だに10年近く前で数百馬力も劣るポルシェ991 GT2RSが、アメリカ勢が作るどんなクルマよりも速いってのが面白いよな。2018年レベルの性能達成おめでとう、って感じか。いや、2016年レベルかな。
ダッジ デーモンなんて直線番長なだけで、あとはデカくて重い買い物カートみたいに扱いにくい。ほとんどのアメリカのパフォーマンスカーなんてそんなもんだ」