今年で24回目を迎える日本最大のハーレーダビッドソンの祭典である「BLUE SKY HEAVEN 2025」が60000㎡を超える横浜・山下ふ頭の特設会場で5月10−11日にかけて開催された。このイベントは全国から数千台規模のハーレー乗りが集い、ショッピングや音楽ライブ、最新モデルの試乗やハンバーガーフェスをはじめとするフードエリアも楽しめる「都市型ライフスタイルフェス」である。今年のBLUE SKY HEAVENの様子をご紹介したい。
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今年の「BLUE SKY HEAVEN 2025」は、今年でデビュー35周年を迎えるFAT BOYを記念した限定モデル「グレイゴースト」の日本初公開で幕を開けた。ハーレーダビッドソンはこれまでのクラシックなテーマを再解釈し、未来のスタイリングを追求する「アイコンコレクション」を2021年以降定期的に発表している。第5弾となるFAT BOY「グレイコレクション」はハーレーの歴史を彩ってきた象徴的なモデルであるFAT BOYを現在的な技術によって生まれ変えている。その一つはクロームのように輝くPVDと呼ばれる最新の被膜コーティング技術の採用である。一般的には物理蒸着と呼ばれる技術で、塗膜自体は非常に薄いにもかかわらず、クロームメッキでは実現できないハーレーダビッドソンの耐腐食性基準を満たしているという。
ハーレーダビッドソン ジャパン代表の玉木一史氏はプレゼンテーションの中で、この「リフレクション」カラーを纏ったFAT BOYを「走る芸術品」と表現しているが、その美しい仕上がりからも、今回初採用されたこのPDVプロセスは今後他のモデルにも展開されるのではないだろうか。会場には1990年にデビューした初代FAT BOYも展示され新旧を比較することでブランドの進化を感じていただける粋な計らいもされていた。デビュー年にちなみ全世界で1990台のみ販売される。日本には234台が輸入されるので、特別な一台を求められる人、FAT BOYに想いのある人は販売店に問い合わせてみてはいかがだろうか。価格は3,627,800円(税込)と なる。
BLUE SKY HEAVEN 2025に話を移そう。このイベントの歴史は25年前に遡る。ハーレーダビッドソンには各地域にオーナーズグループが存在し、それぞれ特徴のある活動を続けてきた。そんなグループの総勢2万人といわれているメンバーが一同に会せる場所が欲しいといった声を受け、ハーレーダビッドソンジャパンが主導する形で始まったイベントが「BLUE SKY HEAVEN」である。長い期間、モータースポーツの聖地である富士スピードウェイをその舞台として日本全国から「ハーレー乗り」が集結していたが、昨年からは会場を横浜へ変更した。これは「ハーレー乗りだけ」のお祭りではなく、東京や近郊から電車でも参加できるような場所で開催し、より多くの人達にハーレーダビッドソンの世界観を感じていただくことを目指したためだという。世界各国のハーレーのイベントもいまや「都市型ライフスタイルフェス」に変わり、来場した誰もが楽しめるイベントに進化している。
「BLUE SKY HEAVEN」の来場者の楽しみ方には音楽ライブとショッピングがあり、ハーレーに乗っていない人でも満足できる内容だ。音楽ライブのアーティストの選定にも工夫が凝らされていて横山剣やマーティ・フリードマン、MINMI、などこれまでのハーレーオーナーからの人気の高いミュージシャンに加えて、Natural Lag、KOMOREBI、おとぼけビ〜バ〜、JOHNNY PANDRA、m-floなど、いま人気の若手アーティストも登場する。これらのアーティストのライブだけを目的に来場するお客様もハーレーが創り出す魅力的なアメリカンカルチャーの世界に触れる良い機会になるであろう。
ショッピングエリアは会場入口から巨大な倉庫にいたるまで100近くのショップが軒を連ねる。THE FLAT HEAD、IRON HEART、Schott Footwear Storeなどおなじみの人気ブランドをはじめ、アメリカンカジュアルを中心にしたファッションアイテムや雑貨、オリジナルのアクセサリーやウェア、モーターサイクルグッズやバーバーなど1日では見きれないほどのアイテムが並び買い物心が刺激される。
ここ最近ではハーレーのビンテージTシャツなどの人気が高まり、バイクファンならずともアメカジファンが価値あるアイテムを発掘しに訪れるケースも多いという。
会場は正規ディーラーのショップではオリジナルグッズが特別価格で提供され、各店舗とも賑わいを見せていた。一般のショップでもハーレーダビッドソンにインスパイアされた魅力的なアパレルが多く販売され、購入することでなにかそのショップブランドと仲間になれたような特別な気分にさせてくれる。
横浜というと中華街を思い浮かべる人が多いかと思うが、アメリカ文化の栄えた地でもある。今回数え切れないハーレーで埋め尽くされた駐輪場の奥に見えるホテルニューグランドは横浜の老舗ホテルであり、第二次世界大戦後には、連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥が滞在したことで知られている。ホテル内のカフェ「The Café」は、1950年代のアメリカのコーヒーショップを彷彿とさせる雰囲気がある。山手エリアは通信施設や外国人居留地だったこともあり、お膝元の元町にはアメリカンな雑貨店やバーガーショップも点在する。80年代から90年代に青春を過ごした人にはかつて新山下にあったディスコ「YOKOHAMA BAY SIDE CLUB」を思い浮かべる人がいるかも知れない。車好きな人で本牧のMOONEYESに通った方も多くいるだろう。このように横浜はアメリカ文化とゆかりの深い地でもある。今回のイベントは横浜市の全面協力によって実現したというがハーレーダビッドソンがここに新たなアメリカ文化を作り出そうとしていると感じる。
会場内のイベントは新型モデルの試乗会、中古モデルの展示販売ライディングレッスンやタイムアタックなどの「ライダーの祭典」にふさわしいコンテンツも充実していた。
そして驚くことに男性だけでなく、ご夫婦やカップル、お子様連れのファミリーがお気に入りのハーレーダビッドソンのファッションに身を包み、すべてのエリアで楽しんでいる姿がとても印象的だった。
玉木代表はハーレーダビッドソンのブランド哲学の3つの柱は「自由」「冒険」「仲間」であり、今回の「BLUE SKY HEAVEN」の場を「仲間との再会の場、そして仲間を作る場としてほしい」とスピーチされていた。
各ショップからかかる呼び込みの声も決して売り込むためのものではない。このお祭りを一緒に楽しもうという「仲間」になるためのキャッチボールの第一球を投げかけてくれているように感じた。このカジュアルでフレンドリーな雰囲気も「ハーレー乗り」が築き上げてきた「自由の文化」なのであろう。
中にはこれまでのハーレーに見られた、いかにも男らしいプロダクトやファッションに抵抗感がある人もいるかも知れない。しかしながら近年、女性や若いライダーが多く誕生している。多様性を重んじるアメリカの文化は、もちろんハーレーダビッドソンにも深く根付いている。
ハーレーダビッドソンに乗るということは「自由」「冒険」「仲間」を手に入れるという言葉と同義である。今回の「BLUE SKY HEAVEN」を楽しむお客様の姿を見てそれを強く感じることができた。そしてハーレーダビッドソンと関わっているとなにか次に楽しいことが起こるのではないかと予感させてくれる。
バイクは買えなくてもTシャツを着るだけでもいい。ディーラーに行ってスタッフとコーヒーを飲むだけでもいい。専門誌を買ってカスタムを思い描くだけでも良いだろう。ハーレーダビッドソンにはどんな人も受け入れる土壌が存在する。
ひとつ勇気を振り絞ってアクションを起こすことであなたの未来がきっと楽しいものに変わるのではないだろうか。
【トップギア・ジャパン編集後記】
50代である筆者の私も、若い頃からバイク生活を楽しんできた。しかしながら正直に話すと「ハーレーダビッドソン」というブランドにはこれまで全く興味はなく、欧州ブランドの大型ツーリングモデルを選び続けてきた。興味がなかった理由は明確にある。それはハーレーにふさわしいライフスタイルを送っていなかったからだ。
平日は会社でサラリーマンとしてまじめに働き、土日は子どもの少年野球をお手伝いするような生活にハーレーダビッドソンが似合うわけもなく、入り込む余地もなかった。革ジャンやヒゲやタトゥーがないと仲間に入れてもらえないような間違った先入観があったほか、アウトロー的なファッションにあこがれはあるものの、それは映画の中のヒーローに憧れるのと同レベルの、自分とは遠い世界のものだった。
しかし今回の「BLUE SKY HEAVEN 2025」に参加して、あの頃の自分の考えをとても後悔している。なぜあのとき、ハーレーダビッドソンに対してバリアを張ってしまったのだろう。なぜあのときに、一歩踏み出さなかったのだろう。ここにいる人たちはその一歩を、勇気をもって踏み出して楽しいハーレーライフをエンジョイしている人たちだ…と。イベント会場で行き交う人々の笑顔とショップを含めたハーレーに関わっている人の多さ、そしてここに集まる約14,000人の来場者の数がこの世界の楽しさを証明している。
ハーレーダビッドソンはどんな人も「仲間」として受け入れてくれるカルチャーがある。
若者はできるだけ早くこのブランドと関わったほうがよい。より長く楽しく刺激的な人生を送れるのだから。
ライダーを卒業してしまった人々ももう一度ハーレーで人生の「冒険」をはじめてはどうだろう。ハーレーは内なる自分の忘れていた感情を呼び起こし解き放つ、変身ツールである。
チャレンジに年齢や性別、職業や社会的地位は関係ない。ぜひ多くの読者にハーレーのある自分の未来の生活を思い描いてほしい。多くの「仲間」があなたの勇気を待っている。
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