【トップギア試乗】フィアット 500e Open:EVになっても昔からの友達のまま


4,950,000円

フィアット 500eとは?
全てEVのみとなった新型フィアット 500e(チンクエチェント イー)。ローンチから13年の月日が経ったにもかかわらず、日本での500/500Cの販売は昨年4,900台と好調だ。ラインナップは3つで、ハッチバックの500e POP(4,500,000円)、500e Icon(4,850,000円)、それからカブリオレの500e Open(4,950,000円)だ。最大航続距離はWLTCで335kmとなる。この500eに試乗する機会を得た。

ホンダ eにミニ エレクトリックなど、ライバルも多い小型EVだが、新型500eには、カブリオレが設定されたところがフィアットらしい。日本では500のユニークな限定車を数々出してヒットさせてきた、遊び心満載のフィアットならではの設定に感心した。

電気になったけど、走りはどう?

音もなく起動し、滑るように走り出す500e。昔からの友達なのに、ちょっと大人になっちゃったみたいだ。ボディカラーも、シックになっちゃったしな、なんか寂しい…。でも、大丈夫。スピードが上がるにつれて、軽快な走りを見せてくれ、いつもの500らしさでいっぱいになる。ああ、よかった。ちょっと着ている服装を変えただけだったんだね。

電気モーターのアクセル・キャリブレーションはガソリン車とよく似ており、カーブでの挙動もなじみがあるものだ。キャンバスルーフは、既存の500とほぼ同じ発想で、金属製のサイドレールの間に張られていて、シャシー剛性を保っているのも、信頼性が上がる要因となっている。

100km/hを超えると性能は落ちるので、二車線道路で無計画に追い越しをかけるようなことはしないように。高速道路を100km/hで走ると、風切り音に悩まされ、航続距離のカウントダウンで心配になってくるが、走りの面では徹底した安定性と洗練さを感じさせる。ちょっと整備されていない道では、ゴツゴツしたヘアピンでさえ、十分なトラクションとアンダーステアに対する幅広い耐性がある。しかし、もやっとしたステアリングとギクシャクした乗り心地は、ミニ エレクトリックのようにBロードをガンガン攻める楽しさがないことを意味している。この辺りでは、500eだと落ち着くステージではなさそうだ。

しかし、街中では、弾むような乗り心地はそれほど問題にはならない。ステアリングは軽く、ダイレクトなので、最初の数キロは手首の筋肉を鍛えなおさなければならないかもしれないほどだ。しかし、このステアリングはすぐに(少ししびれるかもしれないが)方向への答えを出してくれる。500eは街中でこそ、いきいきと輝くのだ。

e-モードセレクターでは、3種類の運転モードが選べる。「NORMAL」ではペダル応答性が高く、エンジン車のようなドライブ感覚を楽しめる。「RANGE」では、回生ブレーキの効きが強まり、アクセルペダルを離しただけでブレーキを掛けたような強い減速が得られる。「SHERPA」は、アクセルレスポンスの制御やシートヒーターのオフなどによりエネルギー消費を抑え、航続距離を最大化するエコモードだ。

内装は?

シートやダッシュの有機的な造形や質感は、かわいらしい。1957年や2007年の先祖に通じる心地よさがあるが、それ以外のものとの違いは新鮮だ。ミニやホンダeのような高級感はないが、ここも概ねよく仕上げられている。

サイクロプスアイのメーターポッドには、通常、旧車のスピードメーターを思わせる丸いパワー/リジェネレーションメーターが表示される。しかし、地図、音楽、通信、トリップコンピューターなど、他の設定をスクロールすることができる。2本スポークのステアリングホイール上のボタンは、煩わしい小さなタッチパッドではなく、実際のボタンだ。よかった。

センターダッシュのタッチスクリーンは、完全に接続されており、ホンダのものと同じようにアプリが充実している。画面も精細で論理性に富んでいる。スマホの接続も簡単だ。気候制御は、独自のオフスクリーンボタン。PRNDボタンがあり、レバーではない。ドアは大きいが、十分軽く、キャッチは電動だが、物理的なリリースレバーもある。ダッシュボードにはパッドがあったらもっといいかも(ギアセレクトボタン付近)。

後部座席は窮屈で、運転席の後ろに大人がゆったりとは乗れない。運転手か助手席の人のどちらかが特別に小さい場合は別だが。トランクは185リットルと平凡だ。しかし、排気管のトンネルがないため、キャビン内には多くの収納スペースがある。また、リアシートを50/50に折りたたんで大きな荷物を運ぶことができる。

どんな人におすすめ?
新型500eは、ガソリンの500に乗っていた人でも違和感なく乗り換えられる。そう、昔から変わらない友達のままだ。確かに小さいけれど、もしそこまでスペースを必要としないのであれば、一台持ちでもいけるだろう。335kmという航続距離なら、高速道路を使って遠くまで行けるから。一方、ホンダのeやミニの電気自動車だと、都市部だけでなく郊外を走る人にとっては、セカンドカーにならざるを得ないだろう。そして、オープンだってある。小型EVなら、強力な選択肢となるはずだ。

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