【試乗】ハーレーダビッドソンのツートップ「ブレイクアウト」と「ローライダー ST」を乗り比べ 期待以上の“HDらしさ”に高い人気を納得

50~60代になって、ふたたびバイクライフをはじようというリターンライダーが、大型二輪免許を取得するモチベーションとして「憧れのハーレーに乗りたい」というのは、まさに典型例だ。そして、ハーレーダビッドソン ジャパンによれば、多くのファンに支持されている“憧れのハーレー”は、「ブレイクアウト」と「ローライダー ST」が人気のツートップなのだという。2025年モデルに進化した、この2つのモデルを乗り比べる機会に恵まれたので報告しよう。

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ハーレーダビッドソンといっても、モデルラインナップは豊富で、じつは様々なスタイリングのハーレーダビッドソンが用意されている。さらにいえば、大型バイクは国産・輸入を問わず多くのブランドから選ぶことができる。そうした事実は、バイクファンであれば、ごくごく当たり前の知識としてお持ちだろう。

しかしながら、50代を過ぎてふたたびバイク生活を送ろうと考えるリターンライダー予備軍においては、若いころのように最新バイクの情報を仕入れるモチベーションは高くないのではないだろうか。久しぶりにバイクに跨ろうというマインドが生み出すワクワク感が、ライダーとして復活する原動力になっていると思う。

とくに若いころに憧れた、大型バイクに乗りたいと思う人も多いことだろう。

そして大排気量の大型バイク…といえば、「ハーレーダビッドソン」が一番に浮かぶブランドであろう。憧れのハーレーに乗るぞという目標が、大型二輪免許を取得するモチベーションになったリターンライダーも少なくないはずだ。

さえ、冒頭で記したようにハーレーダビッドソンのラインナップには幅広いが、リターンライダー予備軍の頭の中に浮かぶ“ハーレー像”は、大きく2つのスタイルに絞られるのではないだろうか。

ひとつが、太いリアタイヤと幅広いハンドル、丸いヘッドライトの「チョッパー」スタイル。もうひとつは、大きなフェアリング(ライトを囲うカウル)を与えられた「ツーリング」スタイルだろう。いずれも、ハーレーダビッドソンというブランドのイメージを象徴するクルーザーモデルに用意されるスタイルである。

当然、こうしたスタイリングを持つモデルはハーレーダビッドソンを購入しようというオーナーにとっても人気が高い。この7月に2025年モデルへと進化したばかりの「ブレイクアウト」と「ローライダー ST」は、日本のハーレーダビッドソンファンにおける人気ツートップになっているという。

見ての通り、「ブレイクアウト」はハーレーダビッドソンが象徴するチョッパースタイルをモダンに仕上げたもの。2025年モデルでは丸形ヘッドライトや独立した円形メーターを採用するなど、懐かしさとモダンを融合させたスタイリングとなっている。

西海岸テイストのフェアリングを持つ「ローライダー ST」はツーリングスタイルのパフォーマンスクルーザーだ。2025年モデルが用意する明るいキャンディ系のブリリアントレッド(試乗車)のエンジンはブラックトリムとなるが、他のボディカラーにはクロームトリムのエンジン仕様も用意され、レトロなテイストを強めているのもニュースだ。価格は、「ブレイクアウト」が 3,451,800 円~、「ローライダー ST」が 3,220,800 円~となる。


いずれのモデルも1923ccの大排気量を誇る、空冷Vツイン「ミルウォーキーエイト117」エンジンを積み、ロード/レイン/スポーツと特性を切り替えるライドモードを持つのは共通。ただし、「ブレイクアウト」は最高出力103hp・最大トルク168Nmのスペックとなり、「ローライダー ST」は最高出力114hp・最大トルク173Nmのハイアウトプットエンジンが載せられている。

2.0Lに迫る2気筒エンジンと聞けば、そのパフォーマンスに気圧されてしまいそうと、リターンライダー諸氏においては心配になるかもしれないが、その点については前述したライドモードを活用すれば問題ない。

晴れた日であっても、あえてレインモードを使えば、発進トルクがマイルドになって非常に乗りやすい。もちろん、ノーマルモードでグイっとスロットルを回せば、グンっとリアから蹴り出すようなトルクが味わえるし、スポーツモードにすれば大排気量&空冷Vツインに期待する以上の刺激的な走りが楽しめる。

面白いのはVツインエンジンの魅力のひとつである鼓動感が、モードを切り替えることで印象を変えること。同じようなシチュエーションであっても、スロットル開度が変わってくることもフィーリングの違いを生んでいるのだろう。ライドモードを切り替えながら、ミルウォーキーエイト117エンジンの様々な表情を楽しむオーナーならではの喜びとなりそうだ。

誰もが想像するハーレーダビッドソンのイメージそのままといった走りが、2台とも存分に味わえることは間違いない。

ところで、ハイアウトプット仕様の「ローライダー ST」と、穏やかなエンジンの「ブレイクアウト」という切り口でいえば、後者のほうが乗りやすいと思うかもしれないが、筆者の印象は違う。

基本的に、同じモノショック・リアサスペンションを採用するなどシャシーに共通点を持つ2台だが、街乗りでの扱いやすさでいえば「ローライダー ST」に軍配が上がると感じた。フロントが倒立サスペンションになっていること、フロント110幅、リア180幅のタイヤを履いていることもあって、コーナリングでの癖はなく、非常に乗りやすい。標準装備されるパニアケース(タンデムシート脇に取り付けられたトランクボックス)の張り出しも気にならず、駐車場などでの取り回しでも心配になることはなかった。

モダンチョッパースタイルの「ブレイクアウト」は、フロント130幅、リアに至っては240幅のワイドなタイヤを履いている影響なのか、街乗りレベルであっても時折シビアな挙動を見せることもあった。フロントサスペンションのフォークが「ローライダー ST」より寝ていることや、ハンドルが幅広いことも癖の強いライディングにつながっているのだろう。ただし、こうしたフィーリングは欠点ではない。「これこそハーレーらしいよね」と好感するファンも多いという。サスペンションはソフトで、ブレーキング時のノーズダイブにクラシカルな雰囲気を感じる面もあるが、それはそれでチョッパースタイルに合ったもので、非常に納得感があった。

「ブレイクアウト」と「ローライダー ST」、この2台を乗り比べて感じたのは、それぞれにハーレーダビッドソンというイメージを具現化したスタイリングであり、そのルックスと走り味がマッチングしている、というものだった。さすが、ハーレーダビッドソンのラインナップにおける人気ツートップだけのことはあると感服するほかない。

個人的には、「ローライダー ST」でロングツーリングに出かけてみたいと妄想するが、「ブレイクアウト」のスタイルから想像する通りの走り味も捨てがたい。どちらを選んでもハーレーダビッドソンらしさを味わえることは間違いない。読者の皆さんは、どちらのモデルでハーレーダビッドソン・ライフを送りたいと思うだろうか。販売店などで実車を見比べれば、甲乙つけがたしと迷ってしまう筆者の心情をご理解いただけるだろう。
文:山本晋也
*筆者も、数年前に50歳を迎えたときに、バイクライフを復活してリターンライダーしよう!と思い立ち、その足で教習所に向かい大型二輪免許に申し込んだ一人だ。

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