【トップギア試乗】ポルシェ 911 GT3

ドライビング

道路ではどんな感触?

ポルシェは、馬力のインフレがどこにも行けない道であることに気づき、500で十分であることを確信した。確かに、十分である。そして、最新の911 GT3は、9,000rpmのレッドラインを確信を持って通過し、その瞬間を真に生きるクルマであり、あなたにも同じことをしてほしいと願っている。ポルシェ 911は、他の車とは違うからこそ魅了されるのだ。古代の岩石の地層のように、ここには独自の積み重なった層がある。

新しいGT3には、さらにいくつかの要素が加わっていると思うだろうが、実際にそうなっている。例えば、フロントエンドがコーナーの入口、頂点、出口でどのように振る舞うか。通常、911が得意とするところではあるが、今回はその挙動が宇宙的な美しさで表現されている。実際、911の特徴がリアのトラクションであることを忘れてしまうほど、フロントアクスルが積極的に使われている。もちろん、その点でも驚異的な性能を発揮している。

911 GT3の進化はタイヤにも及んでいる。本格的なレース用スリックタイヤと同等の性能を持つ最新のミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2(フロント255/35、リア315/30)を採用している(オプションの「Rタイヤ」は、ドイツのニュルブルクリンクサーキットで6分59秒のラップタイムを記録し、22年前の996 GT3のラップタイムを1分近くも上回った)。これほどターンインやグリップ力にすぐれ、高速走行のすべての局面でエモーショナルなサウンドを聞けるマシンは他にないと思う。マクラーレン 600LTは、スマートなステアリングとシャシーによってサウンドの物足りなさを補っているが、911 GT3は言うまでもなく、性能とサウンドを両立している。

確かに、世の中には911 GT3よりも高速で派手なクルマはいくらでもある。私もいまだにだいぶ前のフェラーリ 430スクーデリアに憧れている。しかし、このクルマにしっかり腰を落ち着けて、1周ごとにシャシーの深みを感じたり、回転数をどんどん上げてブレーキを徐々に遅らせたりしていると(フロント410mm、リア390mmのセラミックコンポジット・ブレーキはまさに驚異的)、そのグリップ力やバランス感覚、スピードなどの性能は、もはや無限なのではないかと思えるほどだ。

アンダーステアも最小限に抑えられ、オーバーステアはほとんどわからない。そしてレスポンスは非常にクリアで爽快だ。実際のところ、エンジンとシャシーを分けるのは難しいが、お互いが刺激し合ってさらなる高みを目指している。これは、ハイパフォーマンスについての地質調査のように、掘っても掘っても厚い地層が出てくるようなものだ。

新型911 GT3は、正真正銘のサーキットカーだ。他のみせかけのマシンとはレベルが違う。その構造を見ればよくわかるだろう。まず、ポルシェのモータースポーツ部門がレーシングカー「911 RSR」のために開発したダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションを採用し、水平方向の力が大きくなっても、タイヤの接地面積をより多く確保できるようにしている。

また、アッパーリンクとロワーリンクにローズジョイントを使用することで、ステアリングの精度とキャンバーの安定性を向上させた。また、さらなるコントロール性能と調和を追求するために、通常のブッシュに替えてリアアクスルにもローズジョイントを採用している。その他にも、より高いスプリングレートと強いダンピングにより、ロールやピッチ、ダイブを抑え、トー角やキャンバー、アンチロールバーはサーキット走行用に調整ができる。

さらにポルシェによると、再調整されたPASMテクノロジーによって、整備が行き届いていない悪路のサーキット場でも安定した走りを実現できるらしい。これは重要なことだ。低速での荒れた路面での乗り心地は非常に良いのだが、スピードを上げれば上げるほど、かなりの集中力が必要になります。日常の足としては使えるが、のんびり、ぼーっとしていられるクルマではない。てか、そうなりたくない人が乗るんだよね。

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