トヨタの数十年の研究開発の集大成だが、超専門的なケースや水素コンシャスな意識高い系専用。
いいね!↑
静かでスムーズな乗り心地、リラックスして運転できる、贅沢な気分になれること。
イマイチ↓
英国の水素は不足しており、高価であり、常に再生可能なものとは限らない。
概要
どんなクルマ??
このクルマの存在意義を見失っていてもおかしくない。だって、見た目は普通の日本のビッグサルーン。内側も外側も。極めて洗練されていて、よく整備されているが、乗り味も操舵感も普通だ。もちろん、その平凡さこそがポイントなのだが…。
これが主流になりつつある燃料電池車だ。大型のEVよりもさらに長い距離を走れ、10分で満タンになり、500km弱の航続距離の大きなバッテリーカーよりも購入コストが安くなる。
これはエキゾチック過ぎて、イギリスじゃ使えないんじゃないかって?確かに、イギリスには公共の水素ステーションが1ダースほどしかない。だから、地方のタクシーやリムジン会社を経営していて、水素ポンプが近くにない限り、ミライを買うことはないだろう。あるいは、自分で設置することができるかどうか。
水素が将来的にピュアEVと並んで存在し、それを補完するものであるという未来像には十分な議論が必要だ。だが特に、定期的に運行するバスやローリー車には最適なソリューションである。これらの商用車での使用が確立されれば、水素を利用できる自動車が増え、より多くの自動車が販売されることになるだろう。
現代・起亜の水素普及への取り組みについても以前紹介したが、トヨタも似たようなものだ。この二つのメガ企業の努力を合わせると、かなりの力になってはいる。
でも、ここでは「ミライ」そのものの話をしているのだ。旧型ミライは科学プロジェクトのように見えたが 新型はちゃんとしたクルマ然としている。大きなホイールが、低いサメのようなフロントエンドとファストバックのテールを強調している。
燃料電池の仕組みはご存知だよね。高圧水素を円筒形のタンクに入れて車内で保管している。新型ミライは、センタートンネルに沿って1つ、後部座席の下に横向きに1つ、トランクの下に1つのタンクを搭載している。水素は、燃料電池の「スタック」に入れられる。精製された酸素は、それぞれのセルの反対側にポンプで送り込まれ、膜組織によって水素から分離される。
水素原子は酸素と結合しているが、電子を放出する。解放された電子は、自動車の駆動モーターに電力を供給する回路を介して、細胞内を飛び回る。水素、酸素、戻り電子が結合して純粋な水になり、これが唯一の排出物になるというわけだ。
新世代ミライの燃料電池スタックはコストを削減したが、物理的なサイズも小さくなった。そのため、酸素ファンや浄化装置、高電圧電子機器と一緒にボンネットの下に収納することができる。駆動モーターは後ろにあるが、旧型ミライは前輪駆動であった。モーターの上にはハイブリッドバッテリーがある。
そう、ハイブリッドなのだ。なぜなら、燃料電池の出力は連続的な巡航に必要なだけで、バッテリーはその出力を増強して、全力で加速しているとき、モーターにさらなるキックを与えることができるから。また、燃料電池は少しラグがあるので、レスポンスが良くなる。しかし、ミライはプリウスのラバーバンド効果を回避できている。それは、モーターが単一の固定ギア比でホイールを直接駆動するためである。
こういったすべてのシステムの3Dジグソーパズルは、スペースを広くするために、リアドライブのガソリンハイブリッドのコンポーネントと一致するように取り付けられている。つまり、ミライはレクサスの新型車と共通のリアドライブプラットフォームを採用しているのだ。これは快適性と静粛性に優れているし、適切なマルチリンク・サスペンションはオールラウンドで、初代ミライのカヌーのようなダイナミクスの改善に期待が持てる。
メーカーとしては、この新型ミライは、少量生産のプルーフ・オブ・コンセプトではなく、きちんとしたビジネスとして考えられている。トヨタは年間3万台の販売を見込んでいるが、これはBMWがi3を販売しているのと同じくらいの台数だ。トヨタのように大きな会社でも、大赤字にも拘らずそんなにたくさんのクルマを売ることはできない。これは、燃料電池が、ミライが競合する大容量のピュア電気自動車と同等のコストに近づいていることを示している。
以前のものよりも優れた、設備の整ったクルマではあるが、買うにしてもリースするにしても20パーセント安くなるだろう。正確な数字はまだ出ていないが、53,000ポンド(750万円)くらいじゃないだろうか。なお、日本では、710-805万円までで5つのモデルが用意された。