ガレージに収まらないほどの所有欲。450億通りの選択肢が待つ「Bentley Home Tokyo Showroom」が渋谷に誕生

自動車界の至宝、ベントレー。その美意識とエンジニアリングの粋を「住空間」として再構築した日本初のショールームが渋谷にオープンした。450億通りとも言われるカスタマイズから、1000平米の超高級レジデンス計画まで、単なるインテリアの枠を超えた「ベントレーの家」の全貌に迫る。


愛車から降りた瞬間に覚える「あの落差」をどう埋めるか

想像してみてほしい。あなたは今、愛車のコンチネンタルGTやフライングスパーのステアリングを握り、完璧に隔離されたキャビンの中で極上のV8(あるいはW12)サウンドを背中に感じながら家路についている。最高級のレザーの香り、寸分の狂いもなく磨き上げられたウッドパネルの艶。そこはまぎれもなく、世界で最も居心地の良い移動空間だ。

だが、ガレージに車を停め、自宅のリビングのドアを開けた瞬間、その魔法は解けてしまう。どんなに立派な邸宅であっても、自動車の歴史を100年以上も牽引してきた英国ブリストル州クルーの職人たちが生み出す「圧倒的なクラフツマンシップ」と完全に釣り合う空間を構築するのは、至難の業だからだ。

しかし、そのフラストレーションを永遠に過去のものにする空間が、ついに日本に上陸した。クルマに注がれる「高度なエンジニアリング」と「性能へのこだわり」を、そのまま住空間へと昇華させた「ベントレーホーム」である。単にブランドのロゴを貼り付けただけの安直なマーチャンダイジングではない。イタリアの卓越した家具製造技術と、イギリスの美意識が正面衝突して生まれた、本物のマスターピースだ。

渋谷に現れた「没入感のある邸宅」と、1000平米の野望

2026年6月12日、東京・渋谷にオープンした日本初の「Bentley Home Tokyo Showroom」は、従来の家具店のような退屈な陳列空間ではない 。海外高級家具を長年手がけてきた株式会社 Design Doと、世界的な高級家具メーカーであるLuxury Living Groupの協業によって誕生したこの場所は、まるで洗練された私邸のように設えられている 。

ショールームのグラウンドフロア(1階)に足を踏み入れると、広々としたリビングエリアがゲストを迎え入れる 。そこには、建築家カルロ・コロンボが手がけた「Ashford(アッシュフォード)」モジュラーソファが鎮座している 。無垢材とウッドヴェニアを組み合わせ、背面にはベントレーの象徴である「Fading Diamond」パターンがあしらわれており、車体の優美なプレスラインを彷彿とさせる仕上がりだ 。また、フランチェスコ・フォルチェッリーニによる「Fenton(フェントン)」ダイニングテーブルは、エアロダイナミクスに基づくデュアルベース構造を採用し、まるで今にも走り出しそうな彫刻的な力強さを放っている 。

そして特筆すべきは、同じく1階に併設された専用スペース「Atelier(アトリエ)」である 。ベントレーのビスポーク部門であるマリナーを知る読者ならお察しの通り、ベントレーの車は約450億通りものカスタマイズが可能だと言われている。このショールームでも、それと同等レベルのパーソナライズが可能だ。数え切れないほどのウッドや最高級レザーの中から素材を吟味し、自分のライフスタイルや空間のスケールに合わせた「唯一無二」をオーダーできるのだ 。

階段を上がり2階へ進むと、今度は天然オーク材やカシミヤパネルに包まれた、レジデンシャル・スイートのような親密なプライベート空間が広がる 。ベッドルームやホームオフィスを彩る家具たちは、日本の住環境にも美しくフィットする柔軟性を備えつつ、本物だけが持つ静かな威厳を放っている 。

さらに、株式会社 Design Doの高木佳CEOは、発表会の場でとんでもないビジョンを明かした。それは家具の販売にとどまらず、東京に1軒あたり平均1000平米という途方もないスケールの「ベントレーの家」を5軒建設するという不動産開発プロジェクトだ。日本の富裕層が抱える「巨大な邸宅に合う、圧倒的なスケール感を持つ家具がない」という悩みを、空間ごとプロデュースして解決しようというのである。

ガレージライフの延長線上にある、究極の「週末の過ごし方」

自動車愛好家にとって、ガレージは単なる車の保管庫ではなく、己の美意識を投影するサンクチュアリである。ならば、リビングルームも同じであるべきだ。

休日の朝、ベントレー初のピクニックコレクションである「The Hyde(ハイド)」のバスケットをトランクに積み込むのも悪くない 。贅沢なツートンレザー仕上げのバスケットには、ムラーノガラスのシャンパングラスと手刺繍のイタリア製リネンが収められており、野外でのランチすらも極上の体験に変えてくれる 。

そして日が暮れた後、自宅へと戻る。ムラーノガラスの花瓶やレザートレイといったさりげないアクセサリーが置かれたリビングで 、車のキーを静かに置く。座り慣れた愛車のシートと同じように、緻密に計算され尽くした「Ashford」のソファに深く身を沈める。手元には、ダイヤモンドモチーフから着想を得た「Verve」のコーヒーテーブルが、彫刻のような影を落としている 。

そこにあるのは、最高速度や馬力といった数字の競争から解放された、極上の静寂とクラフツマンシップの手触りだ。「良い車」に乗る大人は星の数ほどいるが、「車の美学を住まいにまで貫く」大人はそう多くない。もしあなたが、モノの背景にある哲学や職人の息遣いに価値を見出す人間ならば、今週末は愛車のノーズを渋谷へと向けてみてはどうだろうか。そこには、あなたの知的好奇心と所有欲を完璧に満たす、もう一つの「ベントレー」が待っている。

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