ベントレー ベンテイガ ハイブリッド長期レポート

ベントレー ベンテイガ ハイブリッド長期レポート2:何のモードが一番いいのか?


23,400,000円/テスト車両:198,790ポンド(3,236万円)

ベンテイガ ハイブリッドは、2つの駆動方式を備えており、経済的だけどそこまで速くない静かなEVと、不機嫌でパワー不足で高価なガソリンの2つの性格を併せ持っている。

プラグを差し込んで2時間ほどバッテリーを充電しておけば(オンボードのDCチャージャーは最大7kWまでしか充電できない)、自動的に136psのeモーターを使用したEVモードで発進する。これは大したことではないと思われるかもしれないが(実際そうだから)、最終的に135km/hまで車を加速させるのに十分なパワーを持っている。そのような速度で走るのではなく、街中を流すように走るのであれば(多くのベンテイガはそうしてるし)、電気で40-48km走行するのに十分な距離であり、自宅から48km以内で運転の大半を過ごす場合には最適な一台だ。

電動のドライブトレインには、燃焼式と比較して、2つの大きな長所があるのだ。1つは、扱いやすい走行性能。2つ目は、静粛性だ。EVを話題にし、人々の注目を集めるために、各メーカーはEVのパフォーマンス面に傾倒していることにお気づきだろうか(マイケル ジャクソンの『スムーズ クリミナル』MVレベルの傾き)。そして、時速0-100km/hが2秒以下というのは、印象的だ。しかし、こういったEVに実際に乗ったら、かなり気持ち悪くなる。そして、こういったものは一面的な評価でしかない。

私にとって、電動パワーが本当に意味をなすのは、ラグジュアリーマーケットである。そして、キルティングレザー、ローレット加工されたロータリーノブ、ジェットスタイルのリアシートなどが配されているベンテイガこそがこのカテゴリーに属するのは当然のことだろう。バッテリーから生み出されるトルクと静寂は、満足感と快適性をもたらし、贅沢な体験のための2つの重要な原理原則となる。しかし、それは特にセクシーなことではない。ましてや、YouTubeの再生回数が増えるわけでもないし。自分で体験してみなければわからないことなのだ。

だから、私はそれを体験してきた。車に乗り込み、見えない執事がドアをソフトに閉めれば、二重ガラスの泡に包まれ、木材と豊かな香りのする牛皮に包まれて、静かに走り出すことができるのである。問題は、およそ50km走行したところで、電気が足りなくなったり、136ps以上のパワーが必要になったりしたときだ。これは、都市部を離れるとすぐに起こる。

そのとき、少し未熟なV6エンジンが息を吹き返し、その不足分を補うために最善を尽くすのだ。ベンテイガのビッグフェイスリフトでは、残念ながら新型フライングスパー ハイブリッドが搭載する416psのツインターボ「ホットヴィー」2.9リッターV6が搭載されなかった。その代わり、旧型のシングルターボ3.0 V6(ポルシェやアウディと共用)を搭載し、出力は96ps抑えられている。この出力は、550psのV8よりもかなり小さく、あなたが大きなベントレーに期待するさらに強力な635psのW12を積んだSpeedからは遠い世界である。さらに悪いことに、ハイブリッド技術やトランクの下に置かれたバッテリーのおかげで、ハイブリッドは約200kg重くなっている。

高回転域ではエンジンの粗さが目立ち、ベントレーらしくない洗練さに欠けるため、ベンテイガをキビキビと運転させるのは難しいだろう。さらに、2.6トンもある車体はエアスプリングで少し揺れ、少し変わった感触のステアリングラックや、ハイブリッド回生からパッドとディスクの物理的な相互作用への移行がうまく調和していないブレーキにも助けられることがない。

走行モードは、Sport、Bentley、Comfortの3種類。Sport(常にエンジンがかかっている状態)以外のモードでは、トランスミッションがしゃっくりをしながら作動し、どこかの脳がどのドライブトレインを使用するかを計算してから道路を走る。だが私はそんなことは気にせず、電気の力を使って都市部の渋滞に巻き込まれながら、信じられない経験をさせてくれるNaimのオーディオシステムで耳を塞いで、ベンテイガをComfortで走らせることにしている。自分でもこんなことは初めて。でも、ベントレーの電動化の未来にとっては良い体験であり、良いニュースとなるんだろうな。

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