【トップギア試乗】アルファ ロメオ ジュリア GTAm

ドライビング

道路ではどんな感触?

トップギアがテストしたのはダブルエスプレッソばりに濃ーいGTAmの方なんだけど、多少のサプライズに満ちた結果が出たよ。ひとつは、路上でのフィーリングが非常に素晴らしく、ピンと張りがあるのにしなやかでもあって、実に使いやすいこと。そして、ひとたびサーキットに出たら、どうすればあんなにも残忍になれるものなのかと思わせる。けど、これは期待される走りを実現するために作られたクルマだ、恰好だけで見せびらかすためのものだと思ってもらっちゃ困る。コーナーでハンドルを切った瞬間から、この車がドライバーの手首じゃなく、目で反応してくれてることに気付くはず。軽量化されてるって言っても並外れたフェザー級に軽いとまでは言えないが、ステアリングの反応やセットアップによって、実物の半分の重さに感じられるから不思議だ。

タイヤとブレーキを十分にあっためたら、あとは血液が体の半分に集まる長いコーナーに突入し、ブレーキゾーンであのガッシリとしたハーネスに全身をゆだねるだけだ。エイペックスは逃すわけにはいかず、アンダーステアでクルマにエサを与えないと。素晴らしいけど、そこまで大絶賛するほどのエンジンじゃないはずなのに、コーナーを疾走するGTAmには目を見張るものがある。不適切だと注意されそうなスピードから、タイヤに火を噴かせることなく減速する、ターンインの華麗さ、上手く車線をキープするところ、絶妙なボディコントロール…なんてこった。「フーリガン」ではないと言わざるを得ない。無理やりドリフトして車体を不安定にさせてからのオーバーステア気味にコーナーを回る姿は、いっぱしのバレリーナかよ。あ、バーンアウトはできないから。ヤバい奴級にドーナツターンさせまくっても、ギアボックスが自動的にニュートラルになってくれるんだ。どちらも速いラップタイムにはつながらないので、GTAmはそんな運転方法に興味も示してくれない。でも、ハードに運転すれば、必ずついてきてくれるんだ。

興味深いことに、ハンドル操作した感じほどは軽くはないんだよね。けど、サスペンションのジオメトリーが産業用の光とある種の魔法をもたらし、羽毛のように感じさせるんだってさ。新しく軽量のスプリングとショックアブソーバーと特注のブッシュが採用されてて、常にグリップに余裕があるような印象だ。コーナー中ほどで再加速したら、まず後輪が反応する。機械式デフはナシにセットアップされてる。って、聞こえるほどヤバイ感じじゃないから!このクルマを的確に表現する形容詞は、温和で鬼楽しい、だね。上手く乗りこなせるようになればなるほど、それをより強く感じると思うよ。QVのように分かりやすくマッスルカーってんじゃなくて、もっと繊細でユニーク。アルファのツーリングカーを走らせてみたいかな、どうみんな?

【KINTO】

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