2024年のフル電動化も見据えた5代目新型レンジローバーはコンセプトカーが実車になったようなシンプルモダニズムが魅力

すでに5代目新型レンジローバーについてはニュースにしたが、「驚き」や「新型iPhoneみたい」など、かなり多くのコメントが寄せられた。さて、その新型レンジローバーが、日本でもお披露目となり、さっそく実車を間近に見てきた。

先に日本向けの特別仕様車「レンジローバー ローンチ エディション」が限定70台で販売されていたが、そちらも、限定数の倍以上の申し込みがあったというから、日本のファンも楽しみにしていたことと思われる。

いつものように、豊富なラインナップが特徴のJLRらしく、新型レンジローバーも様々な種類から選ぶことができる。パワートレインは 3.0 リッター直列 6 気筒 INGENIUM ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(1,638-1,972万円まで3モデル)、3.0 リッター直列 6 気筒 INGENIUM ガソリン・エンジンと 105kW の電動モーターを組み合わせたプライグイン・ハイブリッド(PHEV)(1,710-2,477万円まで13モデル)、4.4 リッターV 型 8 気筒ツインスクロールターボチャージド・ガソリン・エンジン(1,830-2,775万円まで13モデル)だ。PHEVとV8には、最上級モデルであるSVも導入される。さらに 2024 年にはランドローバー初となる、フルバッテリー電気自動車(BEV)も投入予定となっている。

ボディタイプはスタンダードホイールベース(SWB)とロングホイールベース(LWB)の 2 種類あり、シートレイアウトは 4 人乗り、5 人乗り、そして「RANGE ROVER」初となる 3 列 7 人乗りから選択可能だ。高速走行時の優れた安定性と低速走行時の回頭性を両立するオールホイールステアリング(AWS)を開発。リアサスペンション・システムに搭載したアクチュエーターで、後輪のトー角を前輪とは逆方向に操舵させ(最大 7.3度)、ランドローバー史上最小の回転直径(10.95m、SWB モデルでは 11.54m)を実現した。低速時やオフロード走行時に障害物を回避したり、都市部での限られたスペースへの駐車も容易になる。また、高速走行時には後輪を前輪と同じ方向に回転させて、素早い方向転換とドライバーへのフィーリングとフィードバックを向上させるなど、走りや利便性も高められている。

最新アーキテクチャーである完全新設計の「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」を採用している。この「MLA-Flex」は内燃エンジン(ICE)、プラグイン・ハイブリッド
(PHEV)、フルバッテリー電気自動車(BEV)など、あらゆるパワートレインに対応できるよう設計されており、2024年の電動化への準備も万端だ。

その電動化への架け橋ともいえるのがPHEVの投入だ。二酸化炭素(CO2)排出量は 30g/km 未満にまで抑え、EV での最大航続距離は 100km(WLTP 値、実航続距離は最大 80km)で、一般的なレンジローバーユーザーの 1 回の走行距離の 75%までをフル電動の「EV」モードだけで走行できるという。

マーケティング・広報部 ディレクターのマシュー スリース氏にお話を伺った。
「私が新型レンジローバーを初めて見たときに最も印象的だった部分は、リアですね。コンセプトカーのようだと感じました。レンジローバーのDNAを受け継ぎながらも、最新技術を駆使して、凹凸や装飾を極限まで排したサーフェイスや緻密なライン、調和の取れたプロポーションを実現し、モダン・ラグジュアリーを定義するデザインとなっています。現代は、クルマが多機能になってきていることもあり、幾重にも線を重ねた複雑なデザインのクルマが増えてきたように思います。でも、今回の新型レンジローバーでは、3本の線で表現できるほど、シンプルさを追求したのです。
今回は3つのパワートレインを用意させていただきましたが、現時点では、やはりディーゼルの人気が高くなると思います。ですが、イギリスやヨーロッパでの電動化の流れや、日本のインフラ整備の充実などにより、次第にPHEVをたくさんの方が選んでいただいたら嬉しいです。PHEVは航続距離100km(実質80km)ですから、私どもの調査では、平均的なレンジローバーオーナーのライフスタイルでは、行程の75%は電気のみで走行できるという結果が出ました。そして、2024年にBEVが出たときにスムーズに移行できれば良いと考えています。
それから、SVに力を入れていきます。ジャガー・ランドローバーの世界中の主要拠点で展開してきた「SVスペシャリストセンター」を日本でも導入し、都市を中心とした8拠点から始めます。ビスポークも得意なジャガー・ランドローバー スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)の存在を、もっと日本の皆様に知っていただきたいと思っています」

確かに、コンセプトカーのようにどこか現実離れした魅力が、新型レンジローバーに見入ってしまう理由なのかもしれない。そして、新型レンジローバーとは、現時点で出されたシンプルモダニズムの究極の姿という回答なのではないだろうか。

https://www.landrover.co.jp/vehicles/new-range-rover/index.html

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