補助金で購入が現実的になってきたトヨタの水素クラウン

虎ノ門ヒルズで「CROWN “next-life” SALOON」が開催された。補助金で実質価格が手頃になったクラウン FCEVにも試乗させてもらい、水素ステーションへ。

3月22日(金)~24日(日)の3日間、虎ノ門ヒルズで「CROWN “next-life” SALOON」が開催された。

第一弾となる今回のイベントは、少し先の未来のスマートなライフスタイルについて考える「SENSE of NEXT」をテーマに掲げて「FCEV(燃料電池車)」・「PHEV(プラグインハイブリッド車)」に焦点を当てた。CROWN(セダン)FCEV、CROWN (スポーツ) PHEV、CROWN (エステート)PHEVのプロトタイプモデルの展示や試乗を通してクルマ本来の走りと環境性能を両立する選択肢を提示。

加えて、ライフスタイル展示や未来志向型の移動店舗キオスク「super normal market」の開催、水素グリルを使った特別メニューの提供を通して、持続可能な社会に向けた取組に触れ、少し先の未来を考えるきっかけとなるイベントとなった。グリルされたソーセージを試食したが、外側がパリッとしているのに、内側は乾燥しすぎず、しっとりとした食感が新鮮だった。トークイベントに登壇したゲストの活動を表現する展示と、社会起業家/環境活動家の深本南氏がプロデュースする未来志向型の移動店舗キオスク「super normal market」も。UCC上島珈琲が研究開発を進める水素を熱源とした焙煎コーヒーも来場者に振舞われた。また、トヨタのカーボンニュートラルの実現に向けた取組の一つとして、水素カートリッジのプロトタイプを展示。水素調理など水素をもっと身近なエネルギーとしての今後の活用の可能性について体感できた。

燃料電池車のクラウン Zに試乗した。驚いたのがその価格だ。8,300,000円の価格から、CEV補助金の1,363,000円と東京都の補助金1,400,000円を引くと、実質5,537,000円で購入できる計算となる。これなら、他車と十分競争できる価格ではないだろうか。心配な水素ステーションも、今や全国に160箇所が設置されている。そもそも、一充填走行距離が820kmと、十分な距離を走れるため、使い方によるが、たいていの場合はそんなに頻繁にステーションにいかなくとも良いだろう。EVと違って、充填にかかる時間は3分程度と、ガソリン車並みなのは嬉しい。ただし、日本ではセルフ充填ができないので、充填する時間は限られるという弱点はあるのだが。水素ステーションの担当者に一日の利用者を聞くと、20-30人だという。予想より多く感じた。走りの方は、直線での加速力も十分で、ブレーキがかなり軽い力でもよく効くが、カックンとなりにくいので、同乗者にも優しい。後部座席にも座らせてもらったが、マッサージ機能付きの椅子だったので、移動しながらリラックスできた。何よりクラウンらしかったと感じたのは、ステアリングの適度な重さ。安定感があるので、急な車線変更は自然と避けるようになった。クラウンらしい高級感は損なわず、FCEVという最先端のテクノロジーで走る。価格や利便性もあわせ、水素クラウンは、現実的になってきたといえるのではないだろうか。





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