オペルの幻想的な新しい創造の世界へようこそ。あるいは古いクルマのレストアチックな形。もしかすると、そういった境界線が曖昧になった結果、あなたの目の前にある、このものが生まれたのかもしれない。ヴィンテージ風のスタイリングを見ればわかるように、これはレストアの人気の波に乗るためにデザインされたもの。しかも電気自動車。これらの情報を、最大限、常に流行の最先端を行く人たちの信用を得るために、意地でも収支の帳尻が合わせられる方法があればいいのだが。しかし、オペルはすでにそれを実現している。マンタGSe ElektroMODの登場だ。
完全なEVということではあるが、ガソリン車に乗っているという人なら、ギアボックスが欲しいと思うのも自然の摂理。しかし、そこはマンタなのだ。ビンテージ風の4速マニュアルをセコセコ漕がずにリアドライブのEVを走らせるのが面白いと思っているんだとしたら、クロスオーバーが流行り始めた頃に昔の編集長が提案していた「トップギア ドライビング再教育ブートキャンプ」を立ち上げて、鍛え直す必要があるだろう。
私たちは、電気自動車にマニュアルギアボックスを搭載することは、一見馬鹿げているようでいて、実はとても有効なアイデアのひとつだと考えている。クルージングしたい?なら、4速に入れてゆったりと走ればいい。往年のマンタのように走りたい?なら、ヴィンテージにふさわしい147bhpと255Nmの出力をフルに活用して、ギアをシフトアップしながら駆け抜けるのは簡単なこと。あなたのドライビングスタイルが、アリ バタネンなのか、それともティル シュヴァイガーなのかは、あなたの才能と…そう、あなたの願望にかかっている。
31kWhのバッテリーを搭載したマンタは、ヴァタネンやかつてのマンタユーザーのような運転をしなければ、約120マイル(193km)の航続距離を得ることができる。また、通常のコンセントから充電するのに4時間しかかからない。コルサ-eやモッカ-eのように、マンタもブレーキから電力を回収してくれる。
また、黒一色のフロントグリルは、「My German heart has been ELEKTRified(ドイツの心はエレキテル化した)」といった企業のウィットに富んだ広告塔になっているようす。しかし、少なくとも室内では、マンタのマーシャル製ステレオを聴き、真新しいスポーツシートに座り、10インチと12インチのデジタルワイドスクリーンを見ていたほうがいい。一番下の動画にあるように、「私はいま、ゼロエミッションカーに乗っている」などというシンクタンクが机上で作った空虚な言葉を読まされるよりは。
これまでのコンセプトカーの空想の歴史を考えると、これが実際に量産されるものなのかどうか疑問に思うかもしれない。だが昨今の自動車市場の状況を考えると、現段階ではその可能性はかなり低いと思われる。昔のように楽しめるクルマになればいいのだが…。
=海外の反応=
「私の妹が最初に乗ったクルマはオペルのマンタで、ここアメリカの「クライスラー」社の町にあり、レア中のレア車だったな。懐かしいね」