最盛期には日本で38,000台を売ったオペルが2021年に復活

日本市場へ再参入するオペルの動機

「時を戻そう」ーいま流行りのフレーズではないが、時代を1996年の日本に戻そう。コンパクトカーであったオペル コルサ(日本名ヴィータ)が150万円台という低価格もあり、年間販売台数は38,339台となった。しかしながら、その後故障が多く修理費用がかさむなど、評判を落とし、2006年には日本市場から撤退した。そして、15年経った2021年に、再び日本市場への参入を決定した、オペル。ふたたび、コルサと一緒に日本へとやってくる。

とくに以前のオペルを知っている人たちから見れば、キツイんじゃないの?という感想がもれるかもしれない。確かに、昔の悪いイメージ、日本でドイツ車が売れるといっても、そう甘くはない。実際、2019年の販売台数では、ほとんどのドイツ車メーカーが減ってしまっている。だが、もちろん、オペルには勝算があってのことだ。

導入予定者子はコルサとコンボ ライフそして新しいCセグメントSUVのグランドランドXとなる。またこの再参入ではオペルの電動化戦略も同時に推薦していく予定だ。内燃機関あるいは電動化動力のどちらも選ぶことができるようになり、コルサはフル電動モデルを、そしてグランドランドXではプラグインハイブリッド版も導入される予定となっている。オペルは日本におけるグループPSAの直営事業に組み込まれ、国内でのインフラ整備と専門技術の習得に力を入れると言う。このグループPSAには、プジョー、シトロエン、DSオートモービルがあり、2019年国内で合計15,586台の販売台数となっている。ここに新たにオペルを導入することで、グループPSAとして日本市場に提供できる製品を拡大し新しい顧客を獲得していくという筋書きだ。今後数ヶ月かけて、日本の主要都市におけるオペルの販売ネットワークを構築し、随時拡大していく。2023年には日本国内の輸入車市場における人口面積比で80%以上のエリアを網羅することとなる。オペルブランドとしては既に展開している他国同様に、収益を伴う持続的な成長と顧客への満足度を高めることは今後日本市場で注力すべき課題だと認識している。

特に欧州以外への市場への進出はオペル/ボクソールが掲げる戦略計画ペースにおける主要戦略の一つとなる。オペルは2020年の半ばまでに欧州以外の市場の10%の販売台数を占めるという任務がある。既に進出済みのアジア、アフリカ、そして南米でのプレゼンスを強化していき2022年までに新たに20の市場に参入するという目標を掲げている。ロシア市場への再進出、そしてコロンビアとエクアドルへの市場参入などが挙げられている。

だが、グローバルのオペルの販売台数も2018年の100万台超えから、2019年は-5.9%の減少となってしまっているという事実もある。日本で成功するためには新しい価値の提供が求められるだろう。その意味で成功の鍵を握るのは、電動化だと思う。

 

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