ベントレー コンチネンタル GT長期レポート5:「代表的なGTを一台挙げよ」での回答

スペシフィケーション:

ベントレー コンチネンタル GT W12

エンジン:
5945cc W12気筒ツインターボTSI アクティブAWD 635ps 900Nm

燃費:
8.2km/L,278g/km CO2

パフォーマンス:
0-100km/h 3.3秒 , 333km/h

重量:
2260kg

価格:
27,335,000円/200,345ポンド(3,070万円) テスト車両/月額46万円

連想ゲームをしようよ。僕が車のクラスを言うから、君は最初に頭に浮かんだクルマの名前を答えるんだ。いい?じゃあ、始めるよ。「ハッチバック」。「スポーツカー」。「スーパーミニ」。「オフロード車」。

直感でいいからね、あんま深く考えないで。どう?浮かんだ?答えはざっと「フォルクスワーゲン ゴルフ」「ポルシェ 911」「フォード フィエスタ」「ランドローバー ディフェンダー」ってとこかな?どれもクラスを代表するクルマだからね。じゃ、次にくるクラスと言えば…、当然「GT」だよねえ。何を思い浮かべる?「ベントレー コンチネンタル GT」?だよねぇ。これ以外あり得なくない?こないだ、マクラーレン GTとポールスター 1相手に走らせたんだ。余分な装備は長距離には不要だぜ!っていうガチンコライバルたちは、本領発揮とばかりにやる気満々だったよ。特に、GTとは名ばかりのマクラーレンは闘志むき出しで、見た感じから消音材の100kgを削ってきてるのがわかったし、サスペンションなんかは柔らかくしてたからね。

イギリスからフランスの南まで、マクラーレンとベントレーの2台はデッドヒートを繰り広げた。それぞれのハンドルを握っていたステファン ドビーとオーリー キューは、どっちが最後までフレッシュな気持ちを保てるのか初めから分かってたみたい。「快適な旅をさせてもらったよ。完璧に外界と遮断されてるクルマだよね、これ。自分のタイヤとかエンジンのノイズが聞こえないってだけじゃなくて、横を走るトラックのシューシューいう音とか、うるさいサイレンとかも全然気になんないんだ。まるでノイズキャンセリング付きのヘッドフォンをつけて運転してるみたいだった」と、オーリー キューが言った。

この静粛性には、クルマを降りるたびに驚かされるね。ドアを閉めようと後ろを振り返ると、そこにはBピラーがない。ほっそいゴム製のシールでつながっている2枚のガラスだけなのに、向こうサイドの足音ほどの音さえ耳に入ってこないんだ。すごく不思議。

静音性も十分すぎるほどすばらしいんけど、コンチネンタル GTが他からとびぬけてる点はそれだけじゃないんだから。オーリー キューは、ゴージャスで包み込むようなシートと一度点けたらそのままほっといていいマトリクスLEDヘッドライトって二点を挙げてたけど、僕はそれに、使い方がとっても簡単な車線キープ機能&レーダークルーズと、エンジンの底なしトルクと、あと、車の重量感ってのも追加したいね。特にこの最後の「重量感」ってのは、この車を語る上で外せない。コンチネンタル GTが走ってるとこ思い浮かべてみなよ。道路での存在感ったら!他にあんな怖いもの知らず感が出せるのは、ブロック塀にガンガンにつっこんでいくスーパーヒーローくらいだよ。しかも、あれだけ重いってのにスピードには全く影響していないって言うからたまげたもんだ。それでは、ダイナミックモードのダイヤルをデフォルトのB(ベントレーモード)に合わせまして、いざ発進!クラッチが離れ、滑るように滑らかに前方へとすごい勢いでぶっ飛んでいく。Cd値がわずか0.29しかない2,244kgの物体が、永久機関になる瞬間だ。この感覚が味わえるのはBモードの時だけで、コンフォートじゃダメなんだよね。

でも、そういうとことか、気筒休止機構の採用とか、ちゃんと環境負荷や燃費性能を考慮してるんだね。燃費はかなり優秀で、優しく走れば9-10km/Lで、長距離トラック並に飛ばせば、8.2km/Lってな具合。

好みにセットアップした後のコイツに長距離走でかなうクルマなんて、ほぼいないんじゃないの?(ガチ勝負ができる唯一のGTは、ロールス・ロイス レイスだけ)けど、この「セットアップ」にいささか問題がありまして…。実際に運転したオーリーが、周りが暗くなってからのスクリーンが明るすぎるって文句たらたら言ってたし、「ダイヤルで絞れるナイトモードが欲しいぃぃぃ!」って訴えてた。実はですね、そのどっちも出来るんですよ。少々サブメニューと格闘しないといけないんだけど。僕はもうやり方知ってんだ。けど、明るさを調整するためだけに、わざわざスクリーンで操作しないといけないってのには、未だに全然納得がいかない。ディスプレイにボタンとかダイヤルがあれば、もっとずっとシンプルに論理的に作業できるってのにぃぃぃ!

あらかじめ道順と音楽をセットして、機器類の照明を絞って、スクリーンをくるっと裏向きに回転させて格納する。雑用やジャマが多いと長距離の旅はリラックスできないからね、キャビンをできる限りデジタル デトックスな環境にしとくのが重要なんだ。こうすればキャビン全体がより快適空間になるだろ。みんながこのスクリーンを軽視してんのは知ってる、ただのカラクリ道具だって。でも、そうじゃない。裏返してウッド面を表にすれば、ダッシュが落ち着いた感じになるし、余計な情報をシャットアウトできるし、視線を前方に集中させることだってできる。なにより車内の雰囲気が変えられるんだ。雑念とか邪念とか、すべてが浄化された真っ新な無垢の状態なんで、この車について説明するには「手に触れるレザーの感触」だとか「柔らかな乗り心地」とかの、より感覚的なものになっちゃう。旅が今よりもっと楽しかった時代に引き戻される感じ。しかし、最新のクルマでこれをやってのけちゃうだなんて、結構やるねえ。

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