03日産 スカイライン R34 GT-R
1990年代、日本の自動車メーカーは「280PS(英国式には276bhp)以上の車は作らない」という丁重な約束をしていた。軽自動車という規格もあるし、人口密度の高い都市では、パワー競争は必要がなかったのだ。
予想通り、「必要ない」からといって「楽しくない」わけじゃなかった。そこで、日産のエンジニアは単純に嘘をついたのである。R34 スカイライン GT-Rの2.6リッターツインターボ直列6気筒の出力は、公式には276bhpと発表されていたのだから。
しかし、工場出荷時には400bhpを超えていたことは公然の秘密であった。もちろん、チューニング好きのオーナーが、より大きなターボやエキゾチックな内部構造を採用する前のことだよ。
もし、ホントにすべてが276bhpに制限されていたら、映画『ワイルドスピード』は、まったく別の映画フランチャイズになっていたはずだ。それに、30kmの滑走路を走る貨物機に追いつくこともできなかっただろうね…。