小さな小さなシティカーってのは、最近では絶滅危惧種のように思われている。特に都市型EVを作るためにバッテリーを詰め込もうとすると、小さなクルマの場合、利益率も小さくなってしまう。しかし、欧州トヨタは私たちに心配するなと言ってくれている。アイゴは生きているし、とても元気。そして、発売から16年を経て、再起動することになった。
文字通りの意味でだ。このアイゴ X プロローグは、背が高く、がっしりしていて、より実用的なシティカーの姿を示している。意外と知られていないのだが、その再生にあたっては、クロスオーバーのヒントが必要なのだ。
適度な親しみやすさも感じられる。大胆になったとはいえ、ライトやウィンドウラインは旧型車のシルエットを踏襲しているし、オーバーハングも引き継がれている。Aygoist(アイゴ主義者、そういう人もいるのかな)なら、すぐに馴染むことができるだろう。
新しいのは、そのがっしり感と高さだ。「このプロジェクトの目的は、Aセグメントを再構築することでした」と語るのは、トヨタの欧州デザインスタジオの社長であり、この大陸でのみ販売されるクルマの責任者であるイアン カルトビアーノだ。
「私たちは、他社が見落としているセグメントにチャンスを見出しました。Aセグメントのクルマは、かわいいものが多い。そこで、ちょっとした変化をもたらしたいと考えました。アイゴ X プロローグでは、楽しいイメージのデザイン、いたずらっ子のようなデザインを目指しました。また、今回のパンデミックでわかったことは、多くの人が都市部に住んでいるものの、外に出たいという欲求もあるということです。私たちは、どこへでも行けて、何でもできるクルマを作りたいと考えました」
GT86が湿ったラウンドアバウトを走るのは、トヨタの中では「いたずら」に近いと思っていた。最も茶目っ気があるのは、プジョー スポールのクープ フランシュのツートンカラーを丸ごと盗んだと思われるものだが、「縮んだ308 GTI」のような外観が、アイゴを視覚的に引き立てていることは間違いないだろう。しかし、これがこのまま製品化されるかどうかはわからない。巨大なホイール、ウィングミラーのGoPro、そして実にすてきなトランクハンドルも同様に。
今回のプロローグでは、(少なくとも今のところは)デザインがすべてで、パワートレインの詳細やインテリアの様子は一切公開されていない。このアイゴはヨーロッパ車ですし、カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したヤリスは欧州ではハイブリッドのみだからね。
まあ、GRを買わないなら、アリかな。いずれにしても、トヨタは今、本当に調子がいいのだ。GR ヤリスとスープラ、新型スポーツカー GR 86の発売…そして今回のこのクルマ。これは勝ち組だと思う?それとも、トヨタは迷走しているのだろうか?
=海外の反応=
「太っているのではなく、背が高い感じがして、いけないとは思うんだけど、なぜかとても気に入っている」
↑「たぶん、ホットウィール、トランスフォーマー、アニメっぽいからだよ」
「私はシティカーが好きじゃないけど、もしどうしても所有したいのであれば、これは良い選択肢。何と意地悪なことか」
「いいよね。でも、なぜそんなに期待してしまうのだろう?製品版が期待はずれになることは誰もが知っているじゃん。僕は、コンセプトカーの「過大な期待と過小な期待」というものを理解してない。ああ、もしトップギアがこのクルマを手に入れたら、人間がバックドアを通過できるかどうかの、ビデオを撮ってほしい」
「僕はSUVがまったく好きではないけど、これはちょっと気に入っているんだ。密かにジュークも好きだったので、意外と周りの友達には、知られていないかもしれないね。(どうか、誰にも言わないで!)」
「シティカーに不快で高価な大径ホイールをつけることの「実用性」を理解できない。シティカーだけじゃない、どんなクルマでも、そう(ただしレーシングカーは除く)。
その上、彼らはアイゴを大きくして、室内のスペースを増やすことなく、より面倒なものにしてしまった。
私は今でも、シティカーというものは、パンダやアップ!/Citi Go/Miiのような形であるべきだと考えている」
↑「確かにその通りだけど、僕が言いたいのは、都市のクルマでありながら、たまには田舎にも行けるということなんだ。シティカーに近い価格帯でありながら、街に出られるというイメージを持てること。
本来ならばアイゴではなくカローラを買うべきなのかもしれないが、そのカローラが自分の欲しいクルマだとは思えないだろう?そこでトヨタは、利益率が高く(トヨタにとっての利益)、より自分に合ったクルマだと感じてもらえる(あなたにとっての利益)アイゴのバージョンを販売するんだよ」
↑「パンダ クロスとイグニス4x4は、実用性を損なうことなくそれを実現している」
↑「僕も特にパンダ 4x4に思い入れがあるよ。オリジナルが大好きで、シスレーのエディションはとてもおしゃれだった。イタリア・アルプスでは、悪条件の山でもお金をかけずに使えるということで、多くの人がこのクルマを所有してたね」