ブガッティ ラ ヴォワチュール ノワール:17億円
英語と英語を話す仲間の皆さん、他の国の言語の方が何でも耳障り良く聞こえることに気づいたことはない?例えば、なぜsurvirage(スーヴィラージュ:仏語でオーバーステア)といえるのに、オーバーステアと言うのだろうか?なぜschadenfreude(シャーデンフロイデ:独語で悪意のある喜び)を感じたときに、他人の不幸を喜ぶと英語で言ってしまうのか?「うま味」(日本語)と言えるのに、なぜ英語で風味豊かだと言うのだろうか?まあ、そんなこと言ったら、イギリスのTV番組の『マスターシェフ 天才料理人バトル!』でマスターシェフになりたい人みたいに聞こえるだろう。どんな規則でも例外はつきものだ。
じゃあ、「ラ・ヴォワチュール・ノワール」は?詩的ではなく直訳するとしたら、「黒いクルマ」だな。これじゃ、まんま映画の『ロスト・イン・トランスレーション』だな。
残念だが、この値段じゃあ、何もロスト(失われて)なんかしていない。ポンドでもユーロでも(ギリシャの旧通貨)ドラクマでも、「ラ ヴォワチュール ノワール」は少なくとも17億円はする。面白いことに、ギリシャがユーロに移行する前の時代に販売されていたとしたら、「黒いクルマ」は40億ドラクマ以上の値段になっていただろう。ほらね?他の国の言葉を使うと、何でも印象的に聞こえるよね。