1988 ランチア ECV 2
このラリーカーの特徴は後ろ姿だ。そう、超エキサイティングなデルタ S4。でも、フロント部分は今どきな感じ?この先、代々受け継がれていくことを意識していたのかも。とにかく、ECV 2と呼ばれたこのクルマは、これまでに開発された中でも最も複雑で急進的なラリーカーの1つだった。お蔵入りとなったグループ Sクラス向けに設計された、ランチアにおける第2世代のECV(実験的コンポジット車両)である。ケブラーとカーボンファイバー(ボディワーク、シャシー、さらにはホイールも)をふんだんに使用することで構造をしっかりと補強し、かなり複雑な構造で脳みそが溶けちゃいそうな、トリプルマニホールド付き「トリフラックス」ツインターボエンジンを搭載していた。
さらに、驚くほど機能的なエアロパッケージにより、もはや兵器と言っていいほどのポテンシャルの高さを誇っていたのである。しかし悲しいかな、グループ Sは1987年に中止され、ECV 2が表舞台に立つことは一度もなかった。