新型フィアット 600eが585万円で発売 ハイブリッドなどガソリンのパワートレインの拡充にも期待

新型フィアット 600e(セイチェントイー)が585万円で発売された。まずはEVからだが、ハイブリッドなどガソリンのパワートレインの拡充にも期待。

【KINTO】

新型フィアット 600e(セイチェントイー)の発表会が行われた。航続距離は493km、価格は5,850,000円。冒頭、打越 晋代表取締役社長から挨拶があった。
「皆様ご存知の通り、我々はフィアットをはじめ、日本のお客様に長年愛され続けている7つのブランドを展開しております。そして現在、そのすべてのブランド、フィアットに代表されるイタリアンブランド、ジープ、そしてプジョーやシトロエンといったフレンチブランドにおいて、電動化を実現しております。

もちろん、皆さんもご存知の通り、次に登場するジープ アベンジャーや、その後に続くプジョー、シトロエン、アルファ ロメオといった新型車を日本市場に導入する予定です。

しかし本日、私が皆様にお伝えしたいのは、単に新しい車を続々と導入するということだけではありません。もちろん、今回発表するセイチェントEのように、バッテリーEVを拡充していくことも重要です。しかしそれに加えて、プラグインハイブリッドやマイルドハイブリッド、さらにはガソリンエンジンといったすべてのパワートレインを展開していきます。

これにより、ステランティスジャパンが元々持っていた7つの多様なブランドを、お客様のライフスタイルやカーライフに応じて、最適なパワートレインを選べる「選択の喜び」をさらに強化していきます。これこそが、ステランティスが新しい時代を迎える上での最大の強みだと確信しております」

そう、ステランティスジャパンでは、プラグインハイブリッドやマイルドハイブリッド、さらにはガソリンエンジンといったすべてのパワートレインを展開していく予定なのだ。

フィアットブランドとして初の電気自動車500eを2020年に導入した。今回の新モデル600eは500eの派生ではなく、新しいプラットフォームで開発されたものである。「500プラス100」のコンセプトで、100の新たな魅力を追加したモデルだ。このセイチェントeという名前は、1955~69年にかけて生産された初代「セイチェント」からインスピレーションを得たもの。サイズは全長4200mm、全幅1780mm、全高1595mm、ラゲッジ容量360Lと、競合に比べても荷物をたくさん積むことができる。Bセグメントに投入し、Aセグメントに加えて市場規模拡大を目指していくという。

そのほか、新機能として、360度パーキングセンサー、ブラインドスポットモニター、レーンポジションアシスト(Aレベル2対応)、ハンズフリー・パワーリフトゲート、アクティブランバーサポート(腰のマッサージ機能)、プロキシミティ機能付きキーレスエントリーなどがある。プラットフォームは、「CNP(Common Modular Platform)」を採用し、ポーランドのティヒ工場で生産する。バッテリー容量も従来の50kWから、54kW、航続距離493km(従来比20%増)だ。そして、マイルドハイブリッドモデルは2025年春頃に導入予定である。

フィアットの主力モデル「チンクエチェント」は2008年の導入以来、多くの人々に愛されている。オーナーイベント「フィアットピクニック」は10回以上開催され、2022年には約1000台、2023年には約900台の参加者が集まった。フィアットの顧客ペルソナは50%以上が女性、70%以上が車を2台以上保有している、87%が「可愛さ」に満足しているという。600eも、カワイイと感じてもらえるだろうか。また、若年層(20~30代)の購入意欲も高く、SUV購入を検討している人の30%がデザインにこだわる。600eのターゲット顧客はデザインにこだわる若年層のファミリーだ。

チーフデザイナー、フランソワ ルボワンヌ氏も来日し、プレゼンテーションを行った。「ドルチェビータ」哲学は、イタリア流の「瞬間を楽しむ」芸術であり、それがデザインに反映されている。「セイチェント」は「チンクエチェント」よりも室内空間が広く、プロポーションが再設計されている。1955年版の「セイチェント」を彷彿とさせるデザインを採用しつつ、コンパクトさを維持。長めのフードとウェッジ状の形状で、動感とバランスを強調した。車体のシンプルな面とホイールアーチを強調し、初代600の要素を取り入れたデザインで前面は「シャークノーズ」のデザインで力強さを表現。ランプやドアハンドル、ロゴなど細部に初代「セイチェント」の要素を反映した。「チンクエチェント」や「トッポリーノ」と同様に「ドルチェビータ」ファミリーとして統一感を持たせたデザインである。ランプやフロントの「笑顔」を持つ前面デザインは「カワイイ」アプローチを継承。インテリアでは、外装とリンクする配色や、ヴィンテージ感のあるシートのカラーブロックが採用されたほか、座席には600ロゴやフィアットのロゴが刺繍・エンボスされ、3Dでグラフィックが施されている。室内は広く、500よりも多くの収納スペースを提供。丸型クラスターと2本スポークのステアリングホイールは初代「セイチェント」を思い起こさせるシンプルさを追求している。「No Gray」戦略に基づき、4つのボディカラーを提案。イタリアの太陽、空、海、大地にインスパイアされた色が用意されている。

フランソワ ルボワンヌ氏を囲んで、ラウンドテーブルが開催された。
―600eのデザインにおいて、将来のフィアット車に受け継がれるデザイン要素があるのか?フィアットとアバルトのデザインの今後の方向性について
まず、私たちが最初に行った作業は、3年前、あるいは2年前に着手したものです。当時、トッポリーノ 600やグランデ パンダのデザインをしていました。フィアットの未来のデザインを定義するために行った最初の作業は、DNAを作り、それをデザイナーと共有することでした。これは、今後のデザインにおいて使われる要素を「食材」として位置付けるものでした。私たちはイタリア料理を例にとり、未来のデザインのイメージを表現したのです。このレシピは、キッチンで未来を準備しているかのようなものです。私たちは「パスタ」をシンボルとして使いました。これは、私たちが行うすべての仕事のシンプルさを表しています。「トマト」はカラフルさを表し、それが「ノーグレー戦略」となっています。「パルミジャーノ」は、私たちが行うすべてのことにおけるイタリア的な要素で、常にイタリアの世界とつながり、過去に戻るようなルーツを見つけることが求められます。「モッツァレラ」は、機能性を示し、時間の中で柔軟に変化できることを意味します。そして「バジリコ」は、シンプルなデザインにおいて各ディテールが重要であることを表し、車には多くのディテールがないものの、各ディテールを現代的かつ精密に扱い、必要なら垂直的に、そして非常にノーマルな形で表現します。

さらに、次世代の500や600、そして将来的に登場するファミリーを作るために、「贅沢の一滴」という要素を加えました。これは、少し加えるだけでプレミアム感を持たせるものです。また、「繊維のための」といったもう一つの要素も加えましたが、これについてはまだ話すことはできません。これらを組み合わせて新しい製品を生み出しており、実際に結びつけていったものもこのドキュメントを元に作られています。それはフィアットのDNAに合ったものです。異なるキャラクターを持つ別の車両ですが、同じファミリーに属しています。

フィアットの未来のデザインは、進出する国ごとに特化した提案に応じることができる柔軟性を持ちながら、常にイタリアらしさを保ち、ディテールで物語を語り、過去のルーツを取り入れつつ、古臭く見えないデザインを目指しています。過去からの物語を語りながら、同時に未来に向かうモダンな技術を用い、歴史との結びつきを示すディテールを融合させています。私たちは時に、リンガトーンの建築やイタリアの50年代、60年代のドルチェ ヴィータの時代を思い出させるデザインを取り入れます。

結局のところ、私たちのデザインの背後にある重要な要素は、この「ドルチェ ヴィータ」の感覚に常に結びつけることです。それは、時間や社会に縛られないイタリア的な生活スタイルを表しています。同様に、デザインにも制約を感じさせないようにしようとしています。しかし、現代の車をデザインすることは制約だらけであり、例えば600を見ればその制約が見えてくるでしょう。

―フィアット500と600の違いについて
FIAT 500と600のデザインはプロポーションが異なり、500をそのまま拡大するのではなく、600専用のプロポーションを新たに作り上げました。特に、フロントとリアのデザインにおいて、より堂々とした印象を与えるために微調整を行ったのです。

―今回、500のイメージが強く、オリジナルの600のイメージは全く感じない。500に引っ張られているようにも思えるが?
確かにそう感じられるでしょう。なぜなら、実際にオリジナルのセイチェントはヌオーバチンクエチェントよりも先に生産されていたからです。それがフィアットのストーリーの不思議なところで、セイチェントの復活は実際には行わず、チンクエチェントの復活を先に行ったということです。そして、今では何年も経ち、チンクエチェントがどれほど成功したかはみんな知っています。実際、イタリア以外のほとんどの人はセイチェントを知りません。セイチェントを知っているには、ある種の歴史的な背景や文化的な知識が必要です。まず、600の話をしている時に人々が600を知っているかどうかという問題がありました。多くの人が600を知らないと考えていました。しかし、彼らが500を知っていることは分かっていました。過去の500を知っていて、セイチェントは実際には500の延長です。どうやってセイチェントを奇妙に見せずに呼び、かつ連携を図るかが鍵でした。そこで重要だったのは、実際に500の要素をより多く取り入れ、いくつかのディテール、例えばランプやロゴの差別化を行い、セイチェントらしさを出すことでした。しかしコンセプト自体はまさにセイチェントであり、広さを提供することが主な目的でした。つまり、セイチェントの基本的なコンセプトは、今回のデザインの一部にもなっているということです。

そして、その当時のセイチェントは、チンクエチェントと比べて、それほど「かっこいい」車ではなかったかもしれません。当時の「かっこいい」車はすでに500でありました。しかし、今回のセイチェントでは独自の個性を持ち、500よりも魅力的で、できればもっと「かっこいい」車にしようとしました。そのため、セイチェントは単なるコピーではなく、良いバランスとプロポーションを見つけ、新しいディテールを取り入れて600を再構築しました。だからこそ、今回の600は600そのものではなく、外国の人々にとっても理解しやすいように工夫されています。

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