ベントレー マリナー バカラルで見えたベントレーの方向性

最初に謝っておかねばなるまい。この前の記事で、「バカラル」を「バカラー」と表記していた。失礼しました。修正をしたので、これからは「バカラル」で参ります。

さて、ベントレー マリナーのバカラル。ご存知の通り、ジュネーブショーがなくなってしまったので、急遽、ベントレーは本社がある、英国のクルーで、このバカラルを発表することになった。

現代のベントレーとしては非常に珍しい2ドアモデルであり、2シーターのオープンカーが魅せる究極のラグジュアリーを具現化した最高峰のグランドツアラーだ。世界随一の歴史を誇る名門コーチビルダー ベントレー マリナーがコーチビルディングの原点に立ち返って製作するクルマの第一号となる。制作台数はわずか12台。ベントレー、マリナー、12台、と来ると、悲しいかな「いくら?」と聞きたくなるのが、庶民感覚の常。だが、価格を知らせる必要はない。なぜなら、バカラルは完売してしまったからだ。世界には、とてつもない金持ちがいるもんだ。逆に言えば、12人(以下)の上位顧客を見つけることなど、ベントレーにとっては、わけもないだろう。
この2ドアモデルを機に、ベントレー マリナーは新たな体制へと移行する。このモデルは世界最古の歴史を誇る名門コーチビルダーの新戦略の一端を担うことになり、新部門は「クラシック」、「コレクション」、「コーチビルド」の三本柱となる。

ベントレー マリナーの歴史は古く、そのルーツは16世紀に遡る。元々は顧客の要望に応じ、豪華な馬車を製造する会社だった。つまりバカラルには、500年近く培われてきたコーチビルディングの技術と伝統が注ぎ込まれているということだ。

ベントレー・モーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOはこう語った。「ベントレー マリナーが手掛けるバカラルは、オープントップのラグジュアリーグランドツアラーの究極の姿を表現し、クルーの職人たちの計り知れない技術力を誇示するクルマです」

「バカラルはフルオーダーで製作されるベントレーです。オープントップの2シーターの特長を活かしつつ、創立100周年記念として昨年発表されたEXP 100 GTに倣い、未来のラグジュアリーを見据えた要素をふんだんに採用しています」

「バカラルは特筆すべき希少なベントレーであり、このクルマを注文製作するという極めてまれな体験ができるのは、わずか12名の特別なお客様だけです。この方たちだけがオーダーし、完成車を受け取り、運転し、12台の内の1台を愛でることができるのです」
テーパー形状のドラマティックなリアカウルは、かつての「バルケッタ」スポーツカーを彷彿とさせる。
ラップアラウンドデザインのコクピットはすっきりと美しく、角度をつけた新設計のセンターコンソールからダッシュボード、ドアへとシームレスなラインを描く。包み込むようなラインはそのままリアへと向かい、座席後方には半密閉式のラゲッジスペースがある。

昨年発表されたコンセプトカー EXP 100 GTでは、環境に配慮した方法で採取されたサステナブルな素材が初めて使用されたが、それからわずか8ヶ月後、そうした素材の使用がバカラルで実現した。深みのあるメタリックな仕上がりは、もみ殻の灰というサステナブルな原料を使用した塗料によるもので、英国産ウールやイングランドのイーストアングリア地方フェンランドで発見された5千年以上前の倒木「リバーウッド」も使用されている。

バカラルにはベントレーが誇る6.0リッターW12 TSIエンジンの強化バージョンが搭載されている。世界最先端の12気筒エンジンが659PS、900Nmを発揮する。高度なアクティブAWDシステムも搭載され、走行状況に応じて前後輪へのトルク配分が変更される。標準走行時、バカラルは可能な限り後輪駆動モードになり、効率の良いダイナミックな走りを体験できる。ドライブトレーンはバカラルの要であり、オープンモデルの2シーターとして今この時代における最高峰のラグジュアリーグランドツアラーの走りを支えてくれるのだ。

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