シトロエンの人気Cセグメントハッチバック「C4」が進化を遂げ、日本で発売開始した。シトロエン初のハイブリッドモデルとして、輸入車CセグメントNo.1の燃費23.2km/Lを達成。パリモーターショーで話題を呼んだ次世代デザインや、快適性を追求したインテリアも魅力。価格は4,320,000円。その詳細を徹底解説する。
シトロエンから、Cセグメントハッチバックモデル「C4(シーフォー)」の最新モデルが発売された。この「C4」は、シトロエン初のハイブリッドモデルで、価格は4,320,000円。
新しい C4 は、23.2km/Lを達成し、輸入車の C セグメントモデルの中でトップの燃費性能を誇る。ハイブリッドシステム 新開発のガソリンターボエンジンと、電動モーターを内蔵した6速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせた、新世代の48Vマイルドハイブリッドシステムを採用している。電動モーターのアシストにより、低速から力強いトルクが立ち上がり、スムーズで心地よい加速を味わえる。また、低速時の100%電動走行も実現し、走行状況によって最大約30km/hまで電気による走行が可能だ。信号待ちの多い市街地走行では、1 時間あたり約50%はエンジンを使用しない状態となり、市街地での実用燃費を飛躍的に向上させる。システムの合計出力は145hpとなる。
エクステリア 2022 年のパリモーターショーで発表した「Oli concept(オリ コンセプト)」の流れを汲む次世代シトロエンデザインを随所に採用している。また、目立つのが、新型シトロエンバッジで、シトロエン創業時のロゴをオマージュしたデザインをセンターに配置している。LEDヘッドライトでは、3つのセグメントに分割された特徴的なライトシグネチャーを標準装備した。フロントバンパー下部には、シルバークローム スキッドプレートと垂直に伸びるサテンゴールドのカラークリップを組み込み、リアでは、ダブルシェブロンのブランドバッジを CITROËN のアルファベットに置き換えた。LED リアライトは、フロントライトと同様に、3 つのセグメントに分割された特徴的な LED のライトシグネチャーをリアエンドにも装備している。
インテリアでは、アドバンストコンフォートシートが採用された。ホワイトが基調でアルカンターラ®とテップレザーを使用し、オレンジ色のステッチを施している。座面内部には 15mm 厚のフォームパッドを使用している。デジタルインストルメントパネルは、従来の 5 インチから 7 インチに大型化し、視認性を改善した。カラーバリエーションは、新色の「マンハッタングリーン」と「ブルーエクリプス」に加え、「ルージュエリクシール」、「ブランオケニトゥ」の合計 4 色から選択可能だ。
シトロエンの新しいC4とデザインの進化について、チーフデザインオフィサーのピエール ルクレール氏と、カラー&マテリアルデザイナーの柳沢 知恵氏によって、プレゼンテーションが行われた。ピエールルクレール氏は、まずシトロエンのブランドDNAについて説明を開始した。シトロエンは、新しいことに挑戦することを恐れないブランドであると述べた。自身がブランドに参加した6年前には大きな変化が求められ、新たにステランティスという会社の一員となったことで、これまで何をしてきて、これからどうなっていくのかが非常に重要になっていると語った。
シトロエンには、シンプルな複数の線で表現できるような、アイコニックな歴史的車両が多数存在すると指摘した。これらの車両は、シトロエンに大きなインスピレーションを与え、遠くから見てもシトロエンだとわかるような特徴的な形状は、今後も継承していきたいという考えを示した。数年前に発表された車両などが、まさにこの考え方を表現できているとした。
シトロエンにとって非常に重要なこととして、自動車業界において常に一石を投じる存在であることが挙げられた。予想を超えるアイコンであることが非常に大切であり、新しい提案を通じて自動車業界に影響を与えることを重視していると説明した。続いて、自身がシトロエンに参加した6年前のカーラインナップを示し、当時は非常に統一感があり、分かりやすい表現であったと振り返った。しかし、非常に丸い表面やボディ表現、丸いグラフィック、多くのカラーを使用していた当時のデザインに対し、ブランドから、より競争力を高めるためにはさらなる進化が必要であると指示があったことを明かした。カラーアクセントについても、全て顧客に好評を得ていたわけではなかったため、改善が求められたという。
歴史を振り返ると、シトロエンは常に丸い線で描かれていたわけではないと指摘し、有機的なデザインが採用されていた時代もあったことに触れた。その後、非常に丸い形状が続く時代があり、そのデザインの興味深い点として、ヘッドライトなどの機能部品が全てラインのグラフィックの中に埋め込まれていたことを挙げた。このデザイントレンドの延長にある究極の例として、ポルシェ911を挙げ、線がヘッドライトやテールライトなどの機能を表現していることが分かると説明した。そこから、グラフィックで機能を分けていたものから、よりテクニカルな表現へと変わってきていると述べた。
ブランドとしてのリセットボタンを押すため、6年前にデザインチームをパリ郊外に連れて1週間滞在し、その後のシトロエンに影響を与える基本的な事項、デザインの新しい言語について話し合ったことを明かした。そこで、シンプルで、すっきりとした表現、豊かな表面表現、居心地の良いインテリア、そして軽く見せる形状の言語という、守りたい要素を確認したという。丸い表現だけではなく、コントラストのイメージを与えることが重要であると考え、丸い表現の中にテクニカルな要素をきりっと入れ込むアイデアが生まれたと説明した。インテリアの構築方法を示す例として、C3、C3エアクロス、そして今後のC5エアクロスにもこのアイデアが盛り込まれていると述べた。心地の良い表面は非常に丸く柔らかい表現であり、特に技術的な部品に関しては、まるで他のデザイナーが担当したのではないかというほど違いを感じられるように意図したという。デザイナーたちには家電を見てみるように指示したエピソードも紹介された。
2022 年のパリモーターショーで発表した「Oli concept(オリ コンセプト)」は、シトロエンのデザインビジョンを説明する上で非常に大切な一台であると位置づけた。白いボディカラーの部分は非常に豊かで、対照的にヘッドライトや黒いパーツはナイフで切り取ったようなシャープな表現となっていると説明した。このような点が、プジョー、DS、アルファロメオといった自動車らしいブランドとの差別化ポイントであると強調した。
フロントフェイスに関して、大きく新しいデザインを開発したと述べ、世代前のC3の例を示しながら、新しいデザインへの進化を解説した。以前は、2つのダブルシェブロンがそのまま伸びてクロームパーツとなり、そのうちの1つがDRL(デイタイムランニングライト)になっていたのに対し、新しいデザインでは、かつてのシトロエンのロゴに立ち戻りたいと考えたと説明した。しかし、それを採用するには形状を全く違うものにする必要があったため、中央にオリジナルのロゴを配置し、残った三角を3つの資格に置き換えるという手法を採用した。その際、シェブロンの残りを3つの点で表現している。この構成は、将来のシトロエンの車種全てに適用されると明言した。2025年のラインナップとして、C4、C3、C3エアクロス、C5エアクロスが紹介され、これらは非常に視認性が高く、フロントとリアで共通性が見られ、自動車業界にとって非常にユニークなデザインとなっていると述べた。垂直・水平の要素を取り入れることで、多くの車格にも適用できると説明した。この法則はC3、C3エアクロスにも非常によく合っており、パリでは既に走行している姿が見られ、遠くからでもアイコニックな姿が目を引くと語った。日本で大きな成功を収めているベルランゴも、このデザインアイコンを取り入れていること、そして数週間後に発表されるC5エアクロスにも新しいライトのアイデンティティが盛り込まれることが示された。
リアのライトに関しては、空気抵抗にも寄与することが分かっていると説明した。この考え方はインテリアにも適用されており、C3とC3エアクロスに取り入れたスケッチが示された。これから発表されるC5エアクロスでは、さらに強くアイコニックになったものが見られる予定であるという。デザイン言語は、エクステリアとインテリアの両方で実現できると述べた。
対比(コントラスト)をつけることは、色においても非常に重要であると考え、冒頭でも話したように、以前の大きなカラーアクセントを変更するように指示があったと振り返った。そこで、カラークリップというものを開発したと説明した。これは非常にシンプルな形状で、ヘッドライトのグラフィックと共通性があると述べた。車を購入した顧客には小さなツールが渡され、それを使って取り外すことができるため、例えば蛍光グリーンに塗るほか、サッカーの試合中に日本国旗を貼って楽しむこともできるという。4つのカラークリップがあり、全て同じ形状で付け替え可能であり、車種によって2つのサイズを用意していると説明した。これがシトロエンのデザインの根幹となるフィロソフィーであると述べ、C4の説明に移るとした。
続いて、柳沢氏が新型C4のデザインについて補足説明を行った。最初に目に付くのがライトであり、この車にとって非常に大切な要素であると述べた。水平基調に伸ばすことで、車がよりワイドに見えるように工夫したという。中央には新しいロゴを配置しているが、ロゴ自体は非常に垂直方向で誇り高いイメージを与えていると説明した。フードに関しても、このロゴに合わせてデザインを修正した。カラーについてはゴールドを配置している。ホイールは先代モデルと同じものだが、空力性能に関して大変効果的なデザインであると強調した。モダンで美しいボディカラー、そしてボディ下部は非常にシンプルでありつつ、アクセントカラーを配置していると説明した。リアに回ると、水平基調でワイドかつシンプルな表現となっていることが分かると述べた。フロントフェイスとリアが共通のデザイン言語を持っていることが非常に重要であると考え、どちらか一方が違う印象になることは避けたという。効果的なエアロパーツも維持していると説明し、内装へと話題を移した。
内装に関しては、カメラでは見づらいかもしれないが、7インチのデジタルインストルメントパネルが採用されており、これは顧客からの要望が多かった部分であると明かした。ステアリングの中心にも新しいロゴが配置されている。シートは非常に気に入っており、C3、C3エアクロスでも採用されているデザインであると述べた。色と素材を変えることで、3つの要素で表現を楽しんでいるという。中央部に配置されているクッションは「チョコレート板」と呼んでおり、見た目だけでなく中のフォームも新しい非常に厚いものを採用していると説明し、非常に乗り心地が良いと語った。
その後、質疑応答に移り、まず事前に募集した質問への回答が行われた。ピエールルクレール氏は、過去半世紀のシトロエンデザインの進化について問われ、日本人が歴史を好むことを理解しているとしつつ、シトロエンには良い時もあればそうでない時もあったと述べた。現在、シトロエンはステランティスにおいて大きな利益を占めるブランドであり、買い求めやすく、市場で良いポジショニングを得ていると自負していると語った。デザインにおいては、他社と異なっていることが重要であり、C3に乗ればそのユニークさを感じてもらえると述べた。顧客が車に一定の金額を使う場合、強い何かを求めていると考え、それが現代においてシトロエンが挑戦すべきことであるとした。フロントとリアのランプで形作るV型のデザインの進化の理由について問われると、3つのポイントで三角を表現している点は変わらないとしつつ、自動車デザインにおいてよりユニークな表現を追求した結果であると説明した。他の会社が同様の水平・垂直ラインの組み合わせを採用した場合、シトロエンではないかと認識してもらえると考えていると述べ、自動車デザインにおいては他との差別化が非常に重要であると強調した。リアハッチに設置されていたダブルシェブロンがCITROËNのアルファベット表記に変わった背景について問われると、表面のスペースに限りがあったためロゴが置けなかったとし、マイナーチェンジの難しさであると述べつつ、変更によって印象が良くなったと評価した。シートのデザインをC4でさらに進化させた意図について問われると、変更感が必要であると考えたこと、そしてC3、C3エアクロスからシートが大きく変わったため、C4もそれらと共に進化する必要があったと説明した。エルゴノミックな点に関して、シートアッパーのUシェイプが体をよりサポートする形状になっていると述べた。シートデザインがシトロエンのデザインにおいて重要な部分を占めているという意見に対し、コンフォートというキーワードが重要であり、シート開発に時間をかけていると説明した。運転する前に腰をかけただけで心地よさを感じてもらえるような、柔らかいソファーのようなシートを目指していると語った。シートだけでなく、サスペンションなど全体を通じてコンフォートを追求しており、様々な部署と連携して考えていると説明した。助手席側のiPadホルダーについて意見を求められると、良いアイデアだったが難しさもあったとし、よりシンプルにしていく必要があると考え、次の世代の車ではさらに挑戦していきたいと述べた。新しい使い方のチャレンジであり、ユニークなポイントであるとの評価を得た。
フレンチブランド事業部長の小川隼平氏とシトロエンブランドマネージャーの中山領氏によるプロダクトの詳細が語られた。C4のアップグレードした部分について、現行型C4からの変更点を中心に説明を行った。エクステリアデザインは、既に詳細な説明がなされたため、中山氏は簡潔に触れた。
• 新ボディカラーの追加:「マンハッタングリーン」が新色として紹介された
• シートの変更:「チョコレートタブレット」と呼ばれるデザインが導入されたアドバンストコンフォートシートについて説明があり、具体的にはアルカンターラの素材が使用され、15mm厚のクッションが新たに投入されていることが強調された。
• デジタルクラスターの大型化:インストルメントパネルが従来のサイズから7インチへと大型化し、視認性が向上した。
• 初のハイブリッドシステムの導入:シトロエンとして日本初となるハイブリッドシステムが搭載され、クラスナンバー1の低燃費を達成している点が大きく取り上げられた。
新型C4の実車については、欧州仕様ではバイトーンルーフ(黒色)であったのに対し、日本導入モデルはモノトーン(ボディと同色)となることが説明された。アクセントのゴールドカラーは標準装備であり、新しいデザインの18インチアルミホイールが設定されている。ボディサイズは現行型と変わらず、全長4375mm、全幅1800mm、全高1530mmであり、多くのタワーパーキングに対応可能なサイズであることが示された。
内装の違いとして、アドバンストコンフォートシートのデザインが大きく変更され、座面とシートバックに「チョコレートタブレット」のような凹凸のあるデザインが採用された。日本導入モデルのシート中央部分には、白色に近いベージュ色のアルカンターラ素材が用いられ、ホールド性が高く、車内を明るい雰囲気にする効果があると説明された。中山氏は、アルカンターラの肌触りの良さや、往年のシトロエン車(CXやGS)のシートを彷彿とさせる快適性を強調した。シート上下にはアルカンターラ素材、側面にはテップレザーが使用され、インテリアの上質感を高めている。デザイン上のアクセントとして、赤いステッチが採用されていることも言及された。デジタルクラスターは7インチとなり、視認性が向上している。
最も重要なポイントとして、新導入のハイブリッドシステムが詳細に説明された。従来のPSAグループ開発のEB2エンジンをベースに、48Vバッテリーとモーターを組み合わせ、合計出力145馬力を実現している。特筆すべきはその燃費性能であり、WLTCモードで23.2km/Lを達成し、Cセグメント輸入車でナンバーワンの燃費性能を誇るとされた。ハイブリッドシステムの構成として、直列3気筒ターボチャージャー付きEB2エンジンに駆動用モーターが組み合わされている。このハイブリッド化に伴い、EB2エンジンはEB2LTという名称に変更され、タイミングベルトがチェーン式に変更され、耐久性が向上している。トランスミッションは、日本での導入例が少ない湿式デュアルクラッチトランスミッションが採用され、ギアチェンジ時のショックが少ないスムーズな変速を実現している。モーターのみでの走行も可能であり、約30km/hまで、特に走り出しの静粛性が高い。また、ターボラグを埋めるアシストや、中高速域での再加速をサポートする機能も備わっており、燃費向上だけでなく、ドライビングプレジャーも追求したユニットであることが強調された。
ボディカラーについては、マンハッタングリーンが新色として紹介され、現行C3エアクロスのカーキグレーと基本的に同じ色味のグリーンであり、トレンドのソリッドカラーを取り入れたものであると説明された。その他のカラーは現行型C4から引き続き採用されている。
C4のユニークなセールスポイントとして、以下の3点が改めて強調された。
• アドバンストコンフォートサスペンション:ダンパー・イン・ダンパー構造により、魅力的なフラットライドを実現するサスペンションシステム。
• 10インチタッチスクリーン:視認性が高く操作性の良いインフォテインメントシステム。
• 先進の運転支援システム(ADAS):レーンポジショニングアシストを含む、トップレベルのADASを装備し、特に高速道路での移動が快適である。
シトロエンの重要なキーワードである「コンフォート」を実現するために、これらの機能が盛り込まれ、快適で楽しいドライブが提供できる車に仕上がっていると総括された。
マーケットにおいては、新型C4はこれまで以上に洗練され、Cセグメントで高い快適性を提供する車として位置づけられている。最も洗練されたスタイリッシュなモデルであり、特にエクステリアデザインが特徴的であるため、マーケティングではその点を強調していく方針が示された。本国で人気の宇宙人キャラクター「マイク」が登場する動画素材なども活用し、シグネチャーライトなど夜間のデザインの魅力もアピールしていく。ユニークネスや、シトロエンの伝統的なファン層に響くような訴求を目指している。デザイン、アドバンストコンフォートプログラム、そして新搭載のハイブリッドシステムが、マーケティングにおける大きなポイントとして打ち出される。
日本市場において、ベルランゴから展開している新しいデザイン言語は、当初アレルギー反応もあったものの、現在は急速に市場に受け入れられつつあり、ベルランゴの販売好調がその証拠であると述べた。プジョー・シトロエンブランドで最も販売が多いのがベルランゴであるという現状を示し、この新しいデザイン自体がステランティスのフレンチブランドの屋台骨となっていると強調した。ハイブリッドシステムについては、ステランティスジャパンとしてシトロエンC4がその導入の皮切りとなるものであり、C4のコンフォート性能を一段と高める完成度の高いパワートレインであるとの実感を示した。今後のパワートレインの展開を通じて、ステランティス全体の各ブランドの個性をどう打ち出していくかについて、自身も強い関心を持っていると述べた。
質疑応答の最後に、EVモデルであるeC4について質問があったが、現時点ではこのフェイスリフトモデルでの導入予定はなく、今後の状況次第では改めて検討される可能性があると回答された。
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=海外の反応=
「もし、とんでもなくバカげた、小型で速いラリー仕様のハッチバックが復活するなら、大賛成だ!」