ベントレー マリナーが製作するバカラルはルーフのない「バルケッタ」デザインが特徴的な、かつてないオープンモデルの高性能ラグジュアリー2シーターだ。バカラルは個々のお客様のテイストに合わせてハンドクラフトされる究極のオープントップグランドツアラーであり、伝統的な職人技と最先端技術が融合した胸躍るGTである。
バカラルは他のベントレーモデルとボディパネルを一切共有していない。インスピレーションの源となったのは、創立100周年を記念して昨年発表されたドラマティックなコンセプトカー EXP 100 GTだ。ただし、キーレスエントリーシステムを搭載するために、エクステリア部品のドアハンドルだけはコンチネンタル GTと共有している。
ベントレーのデザインディレクターであるステファン・シエラフは次のように語っている。
「バカラルにはEXP 100 GTに影響されたデザインと過去のモデルに影響されたデザインが共存しています。ベントレーのオープンコクピットカーの歴史は古く、1920年代に製造されたバーキン卿の『Blower ベントレー』のデザインも参考にしました。お客様が関心を示したのは、この価格帯でより表情豊かな、ベントレーならではのクルマ作りでしたので、私どもは可能な限り上を目指しました。また、サステナブルな素材を使用するというベントレーの公約実現にも着手しました。未来の在り方を示したコンセプトカーの発表から1年足らずで、実行に移したのです」
バカラルのリアクラムシェルとトップデッキには軽量アルミニウムが使用され、ドアとフェンダーにはカーボンファイバーが使用されている。デザイナーは3Dプリンターを使用し、極めて独創的なクルマを作り上げた。
バカラルはコンチネンタル GTよりもリアトレッドが20mm長く、どっしりとしたリアハンチによって逞しくスポーティな佇まいが強調されている。リアハンチに収まったビスポークの22インチ・トライフィニッシュホイールは、深みのある曲線が印象的だ。個性的な横長のフロントライトとリアライトは、EXP 100 GTが初めて体現したダイナミックで個性的なキャラクターをバカラルにもたらしている。
ベントレーのデザイナーは従来のようにモデル名のバッジを使うのではなく、このクルマのアイデンティティを示すのに相応しい方法を考えた。バカラルのモデル名はリアパネルに表示されるが、その方法は独特である。もみ殻を再利用したサステナブルなラッカー塗装の下にさりげなくモデル名を示し、大文字の「A」をバンパー下部の形状と呼応させている。
エクステリアのルックスはオーナーと相談を進めながら、特別なカラー、仕上げ、デザインを選択し、ご要望に合わせてカスタマイズを完成させる。バカラルではベントレーの創業当初のように、オーナーが自分だけの夢のクルマを作ることができるというわけだ。