【試乗】新型日産 マイクラ(マーチ)はただのルノー 5なのか?EVの実力を徹底レビュー

新型日産 マイクラ(日本名:マーチ)がEVとして登場した。しかし中身はルノー 5のプラットフォームやモーターを流用したバッジエンジニアリング車だ。航続距離は最大415kmと優秀で走りも堅実だが、日産独自の革新性や楽しさはどこへ消えたのか。英国トップギアによる辛口の試乗レビューを通して、新型マイクラの実力とEV市場における日産の現在地を徹底的に紐解いていく。

価格:22,930ポンド(490万円)〜 29,800ポンド(635万円)
リース価格:月額176ポンド(3万7500円)から

「あーあ、日産はEVのパイオニアからただの怠け者のパクリ屋になっちまったな。マイクラはいい車だけど、それはベースが素晴らしい車の単なる模倣だからに過ぎないんだよ」

いいね!
実績のあるパッケージング、堅実な走り、スムーズなインフォテインメント(車載情報機器)システム

イマイチ
日産らしさの圧倒的な欠如、最小限の後席レッグルーム、そしてあのスタイリング…

概要

これは何だ?
これは新型日産 マイクラだ。第6世代となるこの車は、伝統的な名前とは裏腹に、かつてないほど過去の面影がない。それとも、そもそも伝統的な名前なのだろうか?確かに歴史はあるが、日産が思っているほどのブランド力はないかもしれない。
私たちの多くは、子供の頃にマイクラに乗せられたり、毎週金曜日に祖父母がフィッシュアンドチップス屋へ慎重に運転していくのを見て育った。中にはマイクラで運転を学んだ者さえいるが、他の車が享受しているような、郷愁を誘うようなノスタルジーは生まれていない。

もしかして、ルノー 5みたいな?
まさにルノー 5(サンク。ルノーのアイコニックなコンパクトカー)のようだ。ここでその車が出てくるのは面白い。なぜなら、5とマイクラは車体の下半分、つまりプラットフォームの大部分を共有しているからだ。いや、それでは控えめすぎる。マイクラは、バッジを付け替えてボディワークに少し手を加えただけのルノー 5だと言ったほうが正確だ。

それは必ずしも悪いことではない。洗練さを少し欠いたルノー 5であっても、プジョー e 208やボクスホール コルサ エレクトリック(英国のステランティス系コンパクトEV)よりもスタイリッシュだからだ。しかし、ミニ クーパー エレクトリック、フィアット 500e、フィアット グランデ パンダ、キア EV3、ヒョンデ インスターなどのリーグには及ばないかもしれない。
ホイールアーチは、レトロなルノーの角張った形状ではなく丸くなり、ドアには黒いプラスチックが追加された。日産によれば、ヘッドライトは虫の目のような第3世代K12型(日本名:3代目マーチ)を彷彿とさせるデザインだという。K12は明らかに最も人気があった世代だ(一体誰の基準で?)。

しかし、下半分の丸みを帯びた要素が、四角いルノーのルーフラインと調和しているかは少し疑問だ。いずれにせよ、センチメンタルな気持ちでマイクラに期待する人が、そんなことを気にするとは思えないが。

つまり、中身は基本的にルノーと同じ?
基本的にはそうだ。同じモーターとバッテリーを使用しており、日産はドライブトレイン(駆動系)に一切手を加えていないと認めている。ただし、なぜか「楽しさ」という感覚だけは削ぎ落とされている。
マイクラは、デザインとマーケティングの謳い文句がいかに影響力を持つかを示す興味深い例であり、この「オフブランド(廉価版)」バージョンを運転した後は、ルノー 5の評価を少し見直すことになるかもしれない。

どういうこと?
日産はマイクラのほうが楽しい選択肢だと思わせたいようだが、キャラクターの多くはフロントとリアのライトにあったことがわかる。ルノーが享受している80年代のノスタルジックな要素を剥ぎ取られると、この車は少々「どうでもいい(meh)」存在に解釈されかねない。
悪い車ではない。乗り心地は非常に良く、英国でのテストでは1kWhあたり4.0マイル(6.4km/kWh)以上という優れた電費を記録した。運転するには十分立派な車だ。…だが、楽しくはない。トランクはまともなサイズだが、5人乗りのスペースは大きく犠牲になっている(日産はこれを小型ファミリーカーだと言い張っているが、私たちは多くを求めているわけではない)。そして、ダチアやシュコダ(ルノーやVWグループの廉価ブランド)が提供するような、生活を向上させる気の利いた装備もあまりない。

スペックはルノー 5と同じ?
価格はまったく同じだ。5もマイクラも、英国政府のプラグイン補助金を含めて21,495ポンド(460万円)からとなっている。ただし、トップグレードのマイクラは26,115ポンド(555万円)で、ルノーの豪華な「ローラン ギャロス+」トリムよりも830ポンド(18万円)安い。小銭は大切にしよう。

バッテリーは40kWhと52kWhの2つのオプションから選べる。前者は121bhp(約123PS)のモーターを搭載し、後者は148bhp(約150PS)を発揮する。最高速度は93mph(150km/h)で(ルノー 5と同じ)、停止状態から62mph(100km/h)までの加速はそれぞれ9.0秒と8.0秒だ。後者は52kWhのルノー 5より0.1秒遅い。おっと。

充電時間も同じだ。40kWhのバッテリーは最大80kWで、52kWhのバッテリーは十分な出力の急速充電器を見つければ最大100kWで充電でき、30分で15%から80%まで充電可能だ。より穏やかな充電のために、11kWのAC充電器が標準装備されている。
マイクラがドナーカーよりも優れている点が1つある。航続距離がわずかに延びており、40kWhモデルはWLTPモードで最大196マイル(315km)、52kWhモデルは最大257マイル(415km)を走行できる。ルノーよりもそれぞれ4マイル(6km)と2マイル(3km)のわずかな増加だ。

結論は?

「日産は電気自動車で大きく失敗した。彼らはリーフで現代のEVを事実上発明したが、あまりにも長い間ぐずぐずしていたため、わずか2世代で先駆者から古代の遺物へと転落し、3代目のリーフは今やありふれたクロスオーバーになってしまった」

マイクラは日産にとってわずか3番目のEVモデルだが、あからさまなルノーのバッジエンジニアリング(他社製車両に自社ブランドのエンブレムを付けて販売すること)であり、日本からのインプットはまったくないようだ。あのイノベーションはどこへ行ってしまったのだろうか?

このマイクラを買っても不満はないだろう。効率的で、運転しやすく、使いやすいインフォテインメントシステムを備えている。しかし、ルノー 5ではなくマイクラを選ぶ唯一の理由は、ステアリングホイールにマウントされたパドルシフトがどうしても欲しいか、ルノーの見た目がどうしても気に入らないかのどちらかだ。そして、日産が本当にその見た目を改善できたのかは、私たちにもよくわからない。

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