フェラーリ アマルフィが示す、物理ボタンへの回帰と人間中心の哲学

デジタル化が進む現代において、フェラーリの新型2+クーペ「アマルフィ」が物理ボタンを再評価し、日本初披露された。最先端のテクノロジーを搭載しながらも、直感的な操作とドライバーとの一体感を追求。触覚に訴えかける「物理ボタン」の復活は、単なる懐古主義ではなく、真のドライビングプレジャーを追求するフェラーリの人間中心の哲学を象徴している。

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フェラーリ ジャパンは、東京 浜離宮恩賜庭園を臨むウォーターズ竹芝にて、新型2+クーペモデル「Ferrari Amalfi(フェラーリ アマルフィ)」の日本初披露イベントを開催した。今年7月初旬にイタリアのアマルフィで世界初公開されたばかりの本モデルは、フェラーリ ローマの後継として位置付けられ、革新的なパフォーマンスと時代を超越したエレガンスを両立した唯一無二の存在として注目を集めている。

日本初披露イベントは、イタリアのマラネッロ本社よりプロダクトマーケティング責任者のエマヌエレ カランド氏を迎えた。会場は南イタリア アマルフィ海岸の鮮やかさを再現するインテリアで彩られ、レモンの木々やライブジャズ、厳選された地中海風のディテールが随所に散りばめられ、来場者にはリゾート地のような特別なひとときが提供され、都会の喧騒を離れた空間で、フェラーリが持つ情熱とライフスタイルの魅力が存分に体感できる場となった。

カランド氏は「アマルフィは、フェラーリが追求する比類なきパフォーマンスと、ドライビングの純粋な喜びーこの2つの魂を完璧なバランスで具現化したモデルです」と語り、詰めかけた来場者たちは、洗練された空間でフェラーリの最新モデルが持つ革新性と情熱を肌で感じる機会を得た。

フェラーリ アマルフィは、ツインターボV8エンジンをフロントミッドに搭載する新時代の2+クーペである。グランドツアラーのコンセプトを進化させたスポーツカーとして、ハイパフォーマンスと日常的な汎用性の高さを両立させている。まさにエレガンスとパフォーマンス、感動と機能性を兼ね備え、あらゆる状況で妥協せずにドライビング エクスペリエンスを堪能できるモデルとして誕生した。

アマルフィのデザインは、流麗でミニマルなイメージを柱とし、彫り込まれたフォルムとクリーンな面によって現代性とダイナミズムを表現している。フラヴィオ マンゾーニ率いるフェラーリ スタイリング センターは、Ferrari Romaのエレガントなプロポーションをインスピレーションに、さらに彫り込まれたモダンなフォルムを追求した。

エクステリアは、流麗な単体の塊であるスピードフォルムから展開し、力強くダイナミックな個性を生み出している。表面にはミニマルなアプローチが採用され、シャープなラインと幾何学的なフォルムが彫り込まれた統一感のあるボディを形成する。サイドボディに流れるくさび形のテーマは、技術上の切り込みに組み込まれた照明ユニットと共に、洗練された現代的な美しさを感じさせる。

フロントは、大きなエアインテークで占められ、伝統的なグリルがなく、浮遊するようなボディカラーのフェンダーと、その下にはめ込まれたダークカラーの帯が特徴的である。この帯の中にセンサーやヘッドライトが目立たないように内蔵されている。フロント下部のスプリッターは車幅を広く見せ、全体のスポーティーな印象をいっそう強めている。リアは、全体を取り囲む強い個性を感じさせるラインが特徴で、コンパクトでクリーンなテールが締めくくる。テールライトは重要なグラフィックカットの中に隠され、クラシック フェラーリを彷彿とさせると同時に、モダンなビジュアル要素を用いている。ワイドで機能的なディフューザーはその空力的な重要性を誇示し、リアスクリーンとスポイラーの形状は一体化し、スタイリング上の明確な特徴となっている。ローンチカラーであるヴェルデ コスティエラは、アマルフィ海岸周辺の海のきらめきをインスピレーションにした鮮やかな青みがかったグリーンであり、彫り込まれたボディ表面を強調し、全体にフレッシュで生き生きとした印象を与えている。

アマルフィのインテリアは、デュアル コックピット レイアウトを採用している。これはドライバーとパッセンジャーを二つの空間で包み込み、ダッシュボード、ドアパネル、センタートンネルで視覚的につなぐデザインである。コクーンの印象を強める面取りした表面はシンメトリーを崩し、中央のタッチ式ディスプレイを際立たせることで、左右の空間にフォルムによる相互作用を生み出している。インテリアはシンプルさを追求し、クリーンで現代的な印象を創出している。上質な素材が幅広く使用され、多彩な技術的ソリューションが盛り込まれている。

ダッシュボードは単体の塊を思わせるレイアウトを初めて採用し、インストゥルメントクラスターとエア ベントがひとつのブロックの中に融合している。センタートンネルは、アルマイト処理されたアルミニウムのブロックから成形されており、彫り込まれた造形で宙に浮いて見える。ここにはギアセレクター、キースロット、ワイヤレス充電パッド、補助的な操作系といった機能的要素が集約されている。ドアパネルのグリップは帆のような形状に一体化し、テクニカルで洗練された印象を与える。

インテリアのカラーパレットは、このモデルの大胆なキャラクターを反映しており、ローンチ仕様で使われている鮮やかなグリーンのヴェルデ ベッラージョは、キャビンのフロント部分に注意を引きつける役割を果たしている。オプションの快適なシートは3サイズあり、10個のエア チャンバーを内蔵するマッサージ機能付き(5種類のプログラムと3種類の強さ)で、座面とバックレストの両方にベンチレーションを備える。乗車体験を極めるオプションとして、Burmester® プレミアム オーディオ システムがあり、14個のスピーカーと1,200ワットのパワーでベンチマークとなる音質を実現する。

HMI(ヒューマン マシン インターフェース)システムは完全に刷新され、快適性と居住性を強化する一連のソリューションが採用された。物理ボタンを装備した新しいステアリングホイールは、操作時の手触りを復活させ、人間工学に基づいたレイアウトとなっている。左側にはアイコニックなアルミニウム製のスタートボタンが復活し、始動の瞬間からドライバーと車両が即座につながる。
HMIシステムは3個のメインディスプレイで構成される。
•15.6インチのデジタル式インストゥルメント クラスター:走行とビークル ダイナミクスに関するあらゆる情報を表示する。
•10.25インチのタッチスクリーン(ダッシュボード中央):マルチメディア、ラジオ、電話、ミラーリング、空調、シート調節、車両セッティングといった主要な機能に、ドライバーとパッセンジャーの両方からアクセスできる。
•8.8インチのパッセンジャー用ディスプレイ:Gフォースやエンジン回転といったデータを表示し、真のコ ドライバー体験を創り出す。
Apple CarPlay®とAndroid Auto®を標準装備し、スマートフォンのワイヤレス充電機能もセンタートンネルに備わる。また、MyFerrariコネクト システムも搭載され、専用アプリを使って遠隔でも車両の状況を確認できる。

アマルフィの心臓部であるツインターボV8エンジンは、数々の受賞歴があるF154ファミリーから派生した進化型であり、ターボチャージャーの新キャリブレーションによって最高出力640cvを発生する。総排気量は3855ccで、最高回転数は7600rpm、比出力は166cv/Lに達する。最大トルクは760Nmを3,000〜5,750rpmで発生し、途切れることなく高まるパワーカーブを存分に活用できる。

このパフォーマンス向上は、先進的なターボチャージャー制御システムで達成された。専用キャリブレーションによって2基のターボチャージャーの回転速度を個別に制御できるようになり、ターボの最高回転数が171,000rpmにまで高まっている。これによりスロットル レスポンスが向上し、過給圧制御の正確性が高まった。各シリンダーバンクに専用の圧力センサーが導入されたことも貢献している。

並行して重量削減にも努められ、軽量な新カムシャフト(-1.3kg)の導入や、再設計のエンジンブロックの精密機械加工により約1kgの削減が実現した。フェラーリエンジンとしては初めて低粘度オイルが採用され、低温時の抵抗が従来より30%低減し、ウォームアップの効率性が高まっている。
スロットルレスポンスは、いっそう素早くなっている。これに貢献した先進的技術ソリューションには、フラットプレーン式クランクシャフト、小型で低慣性のタービン、排気を個別に制御するツインスクロール技術、等長のシングルスクロール マニホールドがある。これらにより、途切れることのないリニアな高まりを感じさせるパワーデリバリーと、すべてのギアの中 高回転域で強力な加速を可能とするトルクカーブが実現した。

高く評価されている8速デュアルクラッチトランスミッションは、SF90 Stradaleに導入されて以来広く称賛されており、このモデルでは制御ユニットのパワーアップとエンジン ソフトウェアとの統合深化によってさらに最適化され、変速の滑らかさと速度が高まっている。

サウンドデザインにも特別な注意が払われた。新たなサイレンサー レイアウトは、フェラーリならではの音質を損なうことなく、最も厳しい騒音規制にも準拠するよう開発された。フラットプレーン式クランクシャフトと等長エグゾーストヘッダーの貢献で、特徴的な点火順序が確保されている。

アマルフィは傑出したパフォーマンスを誇り、0-100km/h加速は3.3秒、0-200km/h加速は9.0秒を達成。パワーウェイトレシオは同クラス最高の2.29kg/cvである。

フェラーリ アマルフィのエアロダイナミクスは、複雑で綿密な開発プロジェクトの成果であり、熱流体力学部門とフェラーリ スタイリングセンターの密接な協力の賜物である。見る者をとりこにすると同時に機能的な車両を作り出すという共通の目標に向け、流体解析(CFD)シミュレーション、風洞テスト、デザインの修正がひとつのプロセスに組み合わされた。

ボディのあらゆるディテールが緻密に造形されており、前後タイヤ前方のアンダーボディに設けられた空力的なフェアリングはドラッグを低減し、効率性を引き上げる。ヘッドライト上部にはバイパス ダクトがあり、フロントエンドとエンジンベイを接続して圧力上昇を抑え、最適な冷却を実現する。フロントのダウンフォースは、風洞で最適化された1組のボルテックス ジェネレーターと、スプリッターに組み込まれた2個のディフューザーによって管理される。

リアでは、ダウンフォースとドラッグの最善の妥協点を見つけるため、ディフューザーが完全に再設計された。リアの特徴的な要素となるのが可動アクティブ ウィングである。テールと調和するよう一体化されており、ロー ドラッグ(LD)、ミディアム ダウンフォース(MD)、ハイ ダウンフォース(HD)の3種類の仕様があり、前後 横方向の加速度や車速に応じて動く。高速コーナリングやハードブレーキングといったダイナミックな走行時にはHD仕様に変化し、車速250km/hで発生ダウンフォースが110kg増加する一方で、ドラッグは4%の増加に留まる。

ドライビング ダイナミクスも磨き上げられた。システムの中心となるのがブレーキ バイ ワイヤシステムの採用であり、制動効率の大幅な向上、ペダルストロークの減少、調整力の強化が、ABSが稼働する状況であっても実現している。ABS Evoシステムは、6Dセンサーのデータを使って高い精度で車速を推定し、各輪の最適なスリップ値を特定できるため、制動力を最適に分配可能である。これにより、直線走行時の制動はもちろん、横方向の安定性と前後方向の減速とのバランスを取る必要がある複合的状況でも有効性が高まっている。

さらに、EPS(電動パワーステアリング)を基にしたグリップ推定システムも進化し、グリップ推定が10%速くなり、トラクションの非常に低い路面でも正確性がさらに高まった。アマルフィでは、リアのアクティブ スポイラーもビークルダイナミクスの補助として働き、前後 横方向の加速度に応じて稼働する。ハードブレーキングや高速コーナリング時には、スポイラーが自動でハイダウンフォース仕様に移行し、リアに空力ダウンフォースを上乗せして、全体の安定性を高める。

安全性とドライバー支援の面でも、アマルフィは次世代のADASシステムを幅広く装備している。これには以下の機能が含まれる。
• アダプティブ クルーズコントロール
• 自動緊急ブレーキ
• ブラインドスポット検出
• レーン デパーチャー ウォーニング
• レーンキープ アシスト
• 自動ハイビーム
• 交通標識の認識 補助
• ドライバーの眠気や脇見を検知する機能
オプションとしてサラウンド ビューと、リア クロス トラフィックアラートも用意されている。これらのシステムは、インストゥルメントクラスターのメニューから設定でき、前後に搭載するレーダーやカメラ、専用の制御ユニットを含むエレクトロニクス アーキテクチャーとシームレスに融合している。

フェラーリ アマルフィのタイヤは、美的観点、パフォーマンス、快適性の間で慎重にバランスを取ることを念頭に選ばれた。20インチホイールが選ばれたのは、モデルのデザインに一貫して流れる均整の取れたプロポーションを維持しつつ、乗り心地の質を損なわないためである。フロントが245/35R20、リアが285/35R20というタイヤサイズは、敏捷性とトラクションのバランスが良く、鋭く正確に反応するダイナミクスに貢献する構成だ。アマルフィの標準タイヤは、テクニカル パートナー2社と共同開発した、ブリヂストン Potenza Sportとピレリ P Zeroである。

フェラーリは卓越した品質基準と、さらなるカスタマー サービスの充実を重視し、フェラーリ アマルフィに7年間純正メンテナンス プログラムを用意している。このプログラムは、フェラーリの全ラインアップを対象とし、最初の車両登録から7年間、車両のパフォーマンスと安全性が最高の状態で維持されるべく、すべての定期メンテナンスを保証するフェラーリならではのサービスである。認定中古車のオーナーにも利用可能であり、定期メンテナンスでは純正スペアパーツと最新の診断テスターが使用され、マラネッロのフェラーリ トレーニング センターで研修を受けた有資格者による詳細な検査を受けることができる。

フェラーリ アマルフィは、その洗練されたスタイルと圧倒的な性能により、新たな顧客層を魅了するとともに、フェラーリのスポーツカーとしての伝統を未来へとつなぐ、重要なモデルとなることだろう。

アルファ ロメオ 33 ストラダーレ/ランド ノリス✕R32 東京ナイトドライブ/R35日本取材:トップギア・ジャパン 068
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