「やっぱ、物理ボタンだろ?」巨大グリルとタッチスクリーンに辟易していたファンに朗報だ。アウディが発表した『コンセプトC』は、物理ボタンへの回帰とミニマルなデザインをまとった美しいEVスポーツカー。これは、かつてのTTやR8のように、アウディを再びデザインリーダーの座に押し上げる起爆剤となるか?
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アウディ コンセプトCは、フォーリングス(アウディのロゴ)を全く異なる方向に蹴り飛ばした。すっきりとして、ごちゃごちゃしていないデザイン。縮小された「グリル」。室内には、巨大化する一方のスクリーンに代わって、触感の良いスイッチ類。おい、これは正真正銘のスポーツカーじゃないか。アウディには…そうだな、これまで一度もそんなものはなかった。
我々がここで見ているのは、実は2種類のクルマである。それが、美しい2ドアクーペでありながら、折りたたみルーフのカブリオレでもある、という意味ではない。
これが意味するのは、新デザインボス、マッシモ フラスチェッラ率いるチームの頭脳から生まれた、今後のすべてのアウディがどう見えるかのヒント集であると同時に、2027年に発売される新しいアウディのスポーツカーの直接的なプレビューでもあるということだ。大幅に遅延している電動のポルシェ ボクスターおよびケイマンとプラットフォームを共有すると「噂」されている。だが、これは我々から聞いた話ではないことにしておいてくれ。
これが市販に近いクルマであることは、その現実的なディテールから見て取れる。標準的なロードタイヤを履いている。ドアミラーも(カメラですらない。良いことだ)。ちゃんとしたフロントガラスのワイパーもある。そして、リアにはナンバープレートを収めるための切り欠きまである。これらは、数年以内に市販するつもりがない限り、コンセプトカーには適用しない退屈な便宜装備だ。
アウディは航続距離、性能、重量、価格については一切主張していないが、その見た目については多くの「お茶」を濁すだろう。フロントの垂直な「グリル」のモチーフは、1936年のアウトウニオン タイプC レーサーと2006年のアウディ A6にインスパイアされたものだという。実際には、これは前面レーダーを隠すことができる窓なのだ。
この垂直グリルと4連のヘッドライトを組み合わせると、フロントにはブガッティ シロンの面影がないか? アウディのデザインチームは顔を赤らめ、アウディは「4」という数字の代名詞だからクワトロLEDを選んだのだと主張する。フォーリングス。四輪駆動。そして、前のクルマのバンパーまで4mmの車間距離、といった具合に。
その話で言えば、リアはミニマリストだ。最近のRS3やQ5のような、偽物のメッシュやコスプレマフラーはない。やれやれだ。4連のLEDはフロントマスクを反映しており、リアウィンドウがないのは明らかに「重量を節約する」ためだとか。ガラスよりスリットの方が軽いとでも? まあ、コンセプトカーだからな。そこには、R8 LMS耐久レーサーや、2004年の映画『アイ,ロボット』に登場したウィル スミスのRSQへのオマージュが見られる。かのSF映画の舞台は2035年だったので、アウディが球体のホイールを実用化するには、あと10年しか残されていない。
それにしても、あの映画はひどく突飛なものだった。テクノロジーの巨人が自律型ロボットの軍団を約束し、AIが危険なほど制御不能になる未来を描いていた。まさかな!
もう少しだけ現実の世界に戻ると、コンセプトCは、エアロフェイスと3D加工されたスポークを持つ、90年代の「アヴス」6本スポークホイールを刷新し、ノスタルジーを高めている。リアフェンダーの充電フラップの形状に、旧型R8の「サイドブレード」の面影を見出しただろうか。ああ、我々も同じだよ。
全体の形状は「ミッドシップ」だと叫んでいるが、よく見ても「e-tron」のバッジは見当たらない。コンセプトCには冷却用の通気口やダクトがなく、明らかにEVの未来を示唆している…だが、どうだろうか? ポルシェは目下、マカンをガソリンエンジン用に再設計するのに忙しい。このアウディのリアに、400馬力の直列5気筒ターボが収まっている姿を想像してみてくれ…。
より可能性が高いのは、次期ボクスターやケイマンのような「ミッドバッテリー」レイアウトだろう。ポルシェが買い手を見つけようと聞き込みをしている間に、発売は2027年の後半まで遅延している。それは、アウディがその土台をいじる時間を与えることになる。しかし、我々は彼らがインテリアについてはほとんど何も変えないことを望む。
コンセプトCの室内は、未来的でありながらクラシックなアウディらしさを感じさせる。なぜなら、外観同様にクリーンで無駄がないからだ。それでいて、巨大なスクリーンやタッチセンサー式のボタン、さらにはアウディ最新の長方形のステアリングホイールさえも排除している。あの円形のステアリングホイールを見てくれ。円形のセンターには、削り出しのアウディロゴが鎮座している。これだけで、時代を超越しているように見えないか?
ステアリングホイールのスイッチ類はアルマイト処理されたアルミニウムで、押すとしっかりとした「クリック」感がある。スクロールノブは、オラチオ パガーニ(※訳注:超高級スーパーカーメーカー、パガーニの創業者)の自宅の蛇口よりもギザギザしている。もちろん、コンセプトカーならではの夢物語のような仕掛けもいくつかある。中央の電動式小物入れの蓋や、半透明の棚を通して光るクライメートコントロールなどだ。後者は、アウディがもっと多くのボタンに置き換えてくれることを願う。
しかし、インスツルメントスクリーンは明らかにレンダリングされている。また、中央には(スイッチで)呼び出すと隠れた洞窟から電動で出てくるインフォテインメント用タッチスクリーンもある。ドライビングポジションでさえ、典型的なアウディだ(ペダルがわずかに右にオフセットされている)。
エアベントのスリットに気づいただろうか? 何か気づくことは? そう、4つあるのだ。そして、センターコンソールには4つの物理的なボタン。シートは2つしかないが、それらもまたミニマリズムと革新性を融合させている。アウディが選んだのはウールだが、それは牛に優しいからではなく、シートクーラーの風が生地を通して呼吸できるからだ。ドアにスピーカーグリルがないのはそのためである。あなたの聴く曲は、ただ生地の織り目から染み出してくるのだ。
内外装にグリルがない? これは本当に全く新しいタイプのアウディだ。しかし、非常に賢い一台になるかもしれない。
EVスポーツカーを作ることはポルシェにとって哲学的な危機を引き起こすが、アウディにとってはより理にかなっている。正直なところ、アウディは常に、その走りよりもデザインでクルマを売ってきたのだから。
そして今、アウディは中国に「AUDI」という名の独立したサブブランドを持っているため、最大のグローバル市場で的外れになることを心配せずに、ヨーロッパ向けのスポーツカーを作ることができる。
コンセプトCは、巨大なトレンドセッターになる可能性を秘めている。かつてのTTやR8がそうであったように、全く新しい世代にアウディをデザインリーダーでありスポーツカーメーカーとして再び真剣に受け止めさせる可能性を。
その重量と価格は? それはまた別の日にわかるだろう。低い数字になるよう、幸運を祈っていてくれ。アウディは、これに「TT」のバッジを与えるだろうか? 我々は、そうしないなんて狂気の沙汰だと思うけど。
アルファ ロメオ 33 ストラダーレ/ランド ノリス✕R32 東京ナイトドライブ/R35日本取材:トップギア・ジャパン 068
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=海外の反応=
「ジャガーのデザインチームが作ったTTだな」
「美しい? お前ら、眼科で診てもらった方がいいぞ。このメディアはアウディから多額の広告費をもらってるとしか思えん。完全にタマを握られてて、離す気もないようだな!」
「アウディのデザイナーに何があったんだ?正気を失ったのか?吐き気を催すジャガーのプロトタイプをただコピーしただけじゃないか。誰かをコピーするなら、せめて見た目の良いものをコピーできないのか?
独創性0点、センス0点でーす!」
「問題は、俺がアウディファンであるにもかかわらず、このコンセプトCの作り方が本当に嫌いだということだ。まるでジャガーが作ったみたいで、ブランドの特性を消し去ってしまっている! しかもこれがEVだという事実が、さらに俺を失望させる。少し前に出たQ3みたいに、彼らは多くの失態を犯していて、R8やRS6、S1クワトロのような傑作を築いたブランドが、今やこんなものに成り下がっていると人々に認識させているだけじゃないか?!!」
「うわっ。ただただ、うわっ」
「ジャガーのタイプ00と同じくらい美しいな。(※皮肉)」
「興味深いデザインだが、初代TTほど画期的では全くない」
「これは素晴らしい。
エンジンがあればとは思うけど、同時に、あまりにもゴージャスだから、EVスポーツカーだって事実にリアルでキレる気にもならないだろうな。
他の色だとどんな風に見えるのか気になるけど」