【MT派に朗報】新型ルノー ルーテシア(6代目クリオ)発表!賛否両論デザインと豪華内装、あえての”非EV”で原点回帰か

EVで名車「5(サンク)」や「4(キャトル)」を復活させ話題をさらうルノーが、今度は大黒柱「クリオ(日本名:ルーテシア)」のフルモデルチェンジを発表した。電動化の波に逆らうかのように、効率化された内燃エンジンとマニュアルトランスミッションの選択肢をあえて残した。しかし、そのアグレッシブなデザインはこれまでのクリーンなイメージから一変し、すでに賛否両論を巻き起こしている。古き良きホットハッチのレシピは、果たして現代に通用するのか。

クラシックCASIOなら公式CASIOオンラインストア
外車限定の車買取サービス【外車バトン】


ルノーのルネッサンスは、4(キャトル)や5(サンク)といった往年の名車を、電動化して巧みに復活させたことで築かれてきた。しかし、クリオもまた、その影に隠れるつもりは毛頭ない。たとえ、その存続が決して楽勝ではなかったとしてもだ。内燃エンジンとマニュアルギアボックスを積んだスーパーミニには、まだ活躍の場がある。そして、たとえそれを可能にしたのが皮肉にもルノーの成功したEV戦略だったとしても、我々は大いに歓迎する。

もっとも、その数字は説得力に満ちている。ルノーは35年前にこのクルマが登場して以来、5つの世代にわたって120カ国で1700万台のクリオを販売し、そのうち130万台が英国で売れた。ヨーロッパでは、今年上半期のベストセラーカーとなっている。となれば、第6世代の登場を歓迎しよう。サイズは(必然的に)大きくなり、巧みに進化し効率化された内燃エンジンを搭載。そして、今日の市場がもはやそれなしでは生きていけない、ありとあらゆるテクノロジーとコネクティビティを備えている。

新型車はグループのCMF-Bプラットフォーム(EV用とは関連があるが別物)をベースにしており、英国には2種類のパワートレインが導入される(ヨーロッパではさらに多くの選択肢がある)。注目のエンジンは、158馬力を発生する新しい1.8リッターのE-techハイブリッドで、1.4kWhのバッテリーから電力を供給される2つのコンパクトな電気モーターが約205Nmのトルクを上乗せする。これにより、排出ガスは89g/kmに抑えられ、複合燃費は25.5km/Lを達成する。ルノーによれば、この新しいハイブリッドは、典型的な市街地走行では約80%の時間、EVモードを使用するという。また、F1から学んだ技術も指摘しており、ドライバーの気分に応じて内燃エンジンと電気モーターの間で15通りの組み合わせが可能だという。このエンジンは、ルノーと吉利(ジーリー)の合弁会社である「ホース パワートレイン( 2024年に設立された、ルノーグループと中国の吉利(Geely)ホールディンググループの合弁会社。内燃エンジンおよびハイブリッド技術の開発・生産を行う)」の製品である。

エントリーレベルのモデルは、114馬力を発生する1.2リッターの3気筒エンジンを搭載し、英国ではマニュアルギアボックスのみで提供される。MTのみって!ほら、まだやってくれる者がいるのだ。(ヨーロッパでは6速デュアルクラッチオートマがオプション。つまり、休暇中にあなたがレンタルするのはそっちだろうな)。ステアリングは従来よりもクイックになり、ルノーの慣習通り、様々なドライブモードが用意されている。

ルノーが4や5で見せた、ポストモダンでレトロな嗜好は、クリオの抜本的な再解釈への道を開くのだろうか? 必ずしもそうではない。サイズは大きくなった。全長4.1mで、現行車より67mm長く、39mm幅広く、11mm高い。その電動の兄弟たちは「カワイイ」路線をいけるが、この第6世代クリオは、より押し出しが強く、その結果として、フランスの小型車に期待するほどシックではないかもしれない。

我々に言わせれば、フロントは少々ごちゃごちゃしているが、少なくとも没個性的でもなければ、のっぺりしているわけでもない。サイドの造形はより力強く、リアクォーターからの眺めはさらに良い。ルーフラインはきれいに絞り込まれ、ドアハンドルは埋め込み式でクーペ風のシルエットを演出している。リアライトの上のショルダーラインと、その下の膨らみも我々の好みだ。黒いホイールアーチとファンキーな18インチアロイホイールが、スポーティな方向性へと押し上げている(もっとも、いくら頑張っても、我々が愛してやまない90年代半ばのクリオ ウィリアムズ(1990年代に登場した初代クリオの伝説的なホットハッチモデル。F1のウィリアムズ チームとの提携を記念して作られ、その卓越したハンドリングとパフォーマンスで今なお多くのファンを魅了する)――ホットハッチの北極星――には近づけないだろうが)。発売時には7色のカラーオプションが用意されるが、そのうちの2色はグレーだ。どうやら、ポップなカラーリングは5(サンク)の専売特許のようだ。ルノー スポールはまだ活動しているが、新型クリオが正真正銘のホットハッチ派生モデルを生み出すかどうかについては、まだ何も語られていない。

室内では、ルノーの「OpenR Link」マルチメディアシステムが、Googleを内蔵した10.1インチのダブルスクリーンを備える。つまり、Googleマップ、Googleアシスタントの音声操作、そして100以上のアプリにアクセスできるGoogle Playを網羅している。コネクティビティと技術面は強力だ。ワイヤレスのAndroid AutoとApple CarPlayに対応し、上位グレードにはワイヤレス充電パッドも装備される。オーナーは3年間、毎月2GBの無料データ通信を利用でき、アプリはインフォテインメントシステムに統合されているため、スマートフォンに頼る必要はない。

これは今や見慣れたルノーのセットアップだが、クリオは純粋なEVの兄弟たちよりも、少しラグジュアリーな方向に振っている。ダッシュボードには新しい素材が使われ、48色の選択肢があるLED照明が特徴だ。この種のアンビエントライトの多様性は、少し前まではるかに高級なクルマの専売特許だった。インテリアのドアパネルには、クールな照明付きセクションもある。

「エスプリ アルピーヌ」というトリムレベルでは、ファブリックの代わりにアルカンターラが使われ、焼けたような金属調の仕上げが導入される。内装の多くはリサイクル素材で作られており、最上級トリムでは85%以上を占める。新しいシートデザインも持続可能性を重視しており、色分けされたステッチが施されている。これは決して安っぽいクルマには感じられない。

ハーマン カードンのオーディオを選べば、フランスの電子音楽のパイオニア、ジャン ミッシェル ジャール(クラフトワークのフランス版一人部隊――名前を知らなくても『Oxygène Pt.4』は知っているはずだ)が開発した5つの異なるサウンドプロファイルを選択できる。サイズの増大は室内容積の増加を意味し、この点で新型クリオは、5人を快適に収容できることで、4や5に対して明確に優位に立つ。室内収納スペースも増え、前席には2つのUSB-Cソケット、ワイヤレス充電、後席には12Vソケットが備わる。トランクは最大391リットルを飲み込む。

トリムレベル(エボリューション、テクノ、エスプリ アルピーヌ)に応じて、新型車はより多くのADAS(先進運転支援システム)機能を追加し、最大29種類が利用可能だ。これには、インテリジェント アダプティブ クルーズコントロール付きのアクティブドライバーアシスト、後退時緊急ブレーキ、そして(少なくともヨーロッパの)ルノーとしては初となる、ドライバーが体調不良や無反応になった場合にクルマを完全に停止させる緊急停止アシストが含まれる。もしこれらすべてが、あなたに運転版の「虫唾が走る」感覚を与えるなら、「マイ セーフティ スイッチ」ボタンで、最大5つのADAS機能のうち2つをオフにすることができる。もちろん、これらすべては、ますます高度化/イライラする運転支援システムを義務付けるEUの一般安全規則2(GSR2*)の一部である。新型クリオは、ドライバーの疲労や注意散漫を監視する室内カメラを備え、このシステムには、より安全な運転を促すためのセーフティコーチとスコアリングシステムが含まれている。これは、ユーロNCAPのますます厳格化する自動車業界への取り締まりを、ルノーが鼻であしらい、責任の一部をドライバーに戻そうとする試みなのだ。
*GSR2 / ユーロNCAP: GSR2は欧州連合(EU)が定める自動車の安全に関する規則。ユーロNCAPは、ヨーロッパで販売される自動車の安全性を評価する独立機関。近年、これらの機関は衝突安全性だけでなく、運転支援システム(ADAS)の搭載を強く要求する傾向にある。

新型クリオが英国に到着するのは2027年初頭になる――右ハンドル仕様の開発にかかるコストと手間を侮ってはいけない――そして、より外向的なEVの兄弟たちとの間に、明確なスペースを切り開こうとしている。手頃な小型車に、効率的な内燃エンジンとマニュアルギアボックス? この古き良きレシピはまだ終わっていないのだ。

アルファ ロメオ 33 ストラダーレ/ランド ノリス✕R32 東京ナイトドライブ/R35日本取材:トップギア・ジャパン 068
このクルマが気になった方へ
中古車相場をチェックする
ガリバーの中古車探しのエージェント

今の愛車の買取価格を調べる カーセンサーで最大30社から一括査定

大手を含む100社以上の車買取業者から、最大10社に無料一括査定依頼

新車にリースで乗る 【KINTO】
安心、おトクなマイカーリース「マイカー賃貸カルモ」
年間保険料を見積もる 自動車保険一括見積もり

【tooocycling DVR80】
箱バン.com




=海外の反応=
「4と5の出来が良かっただけに…なんだ、これはちょっとごちゃ混ぜでメチャクチャじゃないか? 内外装ともに、まとまりのある部分が特に見当たらない」
「なんてこった、このせむしの怪物は何なんだ? ルノー5のデザインは完璧だったのに。これは完全に真逆の方向に行ったな。「今日、視力があることを後悔する」方向によ」
「クリオっぽくないな。歴代クリオは「クリーン」なデザインだったのに、この新型はそれを完全に避けてる。フロントランプはマツダ MX-5(ロードスター)みたいだし、リアランプは間違いなくカマロからパクっただろ」
「2010年代で最も優れたカーデザインが…どうしてこの忌まわしい代物に…?」
「プジョールノー 20クリオ」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2025/09/80403/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 068

アーカイブ