Hyundaiが日本市場での販売台数を今後5年間で10倍にすると発表した。2025年春には日本市場期待のコンパクトEV「INSTER」を投入予定。
Hyundaiが2025年度のビジネスプランを紹介するHyundai Biz. Dayが開催された。2022年2月に日本市場へと再参入したHyundai Mobility Japanだが、アイオニック 5の導入、CXC(Hyundai Customer Experience Center)のオープン、そして販売台数の増加といった実績を挙げてきた。マネージングダイレクター七五三木敏幸氏は、2年間で1500台以上の販売実績を達成し、日本市場への強い意気込みを表明している。Hyundaiは、今後5年間で販売台数を10倍以上に拡大するという目標を掲げた。この目標達成のため、顧客満足度向上、サステナビリティ、高品質なサービスの強化に取り組んでいる。また、販売台数増加のため、戦略的なモデルを導入して、無理に台数を稼ぐようなことはせず、顧客のライフスタイルや生活に寄り添った車を提供することで、顧客からの評価を得て、販売台数を増やしていく方針だ。具体的な車種としては、2025年度の春に日本へ導入予定のコンパクトEV、「INSTER」に期待を寄せている。価格については、日本市場に適した価格帯を検討中であり、発売までに発表する予定だ。FCVについては、市場が小さい現状を踏まえ、燃料電池車の良さを理解し、ライフスタイルに合致する顧客に販売していきたいと考えている。日本の顧客に対して「持続可能なモビリティの提供」「最高の品質と安心の提供」「快適な購入体験の提供」という3つの約束を掲げた。持続可能なモビリティでは、自動車産業がサステナブルな未来を守る先駆けとしての責任と機会を持っていることを強調し、HyundaiがバッテリーEVと水素燃料電池車というゼロエミッションビークルのみを提供していることを説明した。品質と安心へのこだわりについては、世界で最も厳しい目を持つ日本の顧客にも満足してもらえる世界品質の車を約束し、安心して車と長く付き合える仕組みを用意していることを説明。また、快適な購入体験では、斬新で利便性の高い快適な購入体験を提供したいという考えを示し、オンラインとオフラインの両面から最適な環境を構築していくことを説明した。
続いて商品担当の佐藤氏が、マイナーチェンジされた新型「The new IONIQ 5」を紹介した。新型IONIQ 5の航続距離は最大で703km(WLTCモード、自社測定値)、バッテリー容量は84kWhとなっている。ラインナップはVoyageとLoungeにそれぞれRWD/AWDがあり、価格は5,236,000-6,138,000円。従来モデルと比べてバッテリー容量を15%以上増大し、エネルギー効率の高い第四世代バッテリーセルを採用することで、航続距離703kmを達成した。アイオニック 5のデザインのルーツは、1974年のポニー クーペ コンセプトで、ジョルジェット・ジウジアーロのデザイン哲学を継承している。世界各国でカーオブザイヤーを受賞している。また、EGMPプラットフォームによる広々とした室内空間、静粛性の向上により、より快適な空間だ。ドライブモードの切り替えによる走行性能の変化、マイ ドライブ モードの追加によるカスタマイズ性の向上もポイントである。Apple CarPlayとAndroid Autoのワイヤレス接続、置くだけ充電の配置変更、車音機能付きガラスの採用、そしてV2Lによる100V電源の利用が可能だ。
質疑応答が行われた。
―10倍の販売目標を達成するためにオフライン販売を強化するのか、具体的にディーラーやCXCを増やす考えは?
ディーラーという形態は取っておらず、オンラインが主体です。ただし、オフラインでは顧客への利便性向上を重視し、オンラインとオフラインのバランスを取りながら展開していく方針です。
―現状のパートナーシップと今後の予定
現状のパートナーとしてシティストア、オートバックスとのモビリティラウンジなどを挙げ、今後はレンタカー会社やガソリンスタンドなど、日常生活の中で気軽に試乗できるような形で、パートナーシップを拡大して参ります。
―モータースポーツへの取り組みについて
i5 Nの評価が高いこと、本社もモータースポーツを視野に入れていることは承知しておりますが、日本ではワンメイクレースやイベント開催は考えておらず、まずはオーナー向けのミーティングなど、お客様に楽しんでもらうことから始めたいという考えです。
―10倍の内訳、FCVについて
10倍という目標は、顧客にHyundai車を評価してもらい、生活の中で使ってもらうという確信に基づいたものであり、戦略的なモデル投入で台数を稼ぐようなことはしません。また、INSTERは、日本のお客様に使っていただけると確信を持っているため、ある程度の台数を占めると予想しています。FCVについては、マーケットが小さく、プラグインハイブリッドとEVが主流となっている現状を説明し、FCVは顧客のライフスタイルに合致する場合に選ばれるべきであり、戦略的に何かをすることは考えておりません。
―日本のEV市場について
日本のEV市場は販売台数が落ち込んでおり、本年は前年比で20%程度減少すると予想しているものの、パワートレインは多様化しており、EV, FCV, ガソリン車など、顧客がそれぞれのニーズに合わせて選択することが重要です。Hyundaiとしては、EVの価値を理解し、使いやすさや先進性を評価する人が増えれば、EV市場はさらに拡大すると考えています。
―従来のアイオニック5でもOTAアップデートで利用できるのか
残念ながら初期のアイオニック5はコントロール系のOTAに対応しておらず、ナビゲーション関連しかアップデートできません。
―来年以降、日本国内でも350kWの急速充電器が登場する可能性があるが、The new IONIQ 5は対応しているのか
350kWの充電に対応できる能力は備えています。検証と確認を行い次第、顧客に案内する意向を示しています。
―INSTERの発売価格
日本のマーケットに合う価格、使いやすさなどを考慮し、まだ検討中です。発売までに価格は発表するものの、現時点では具体的な価格を明言するのは難しいです。
よくある質問/Q&A
Q1: Hyundaiの2025年度の販売目標は?
A: 現在の販売台数の10倍以上に拡大することを目標としています。
Q2: 新型IONIQ 5の主な特徴は?
A:
- 航続距離が最大703km(WLTCモード)
- バッテリー容量84kWh
- 価格帯は5,236,000-6,138,000円
- Apple CarPlayとAndroid Autoのワイヤレス接続対応
- V2L機能搭載
Q3: Hyundaiの日本市場での販売戦略は?
A: オンライン販売を主体としながら、オフラインでの顧客利便性も重視し、バランスの取れた展開を目指しています。
Q4: 2025年に導入予定の新型車種は?
A: コンパクトEV「INSTER」を春に導入予定です。価格は日本市場に適した価格帯を検討中です。
Q5: Hyundaiの日本の顧客への3つの約束は?
A:
1. 持続可能なモビリティの提供
2. 最高の品質と安心の提供
3. 快適な購入体験の提供
Q6: FCV(燃料電池車)についての方針は?
A: 現状の小さい市場規模を考慮し、ライフスタイルに合致する顧客向けに販売を行う方針です。
Q7: 350kW急速充電への対応は?
A: The new IONIQ 5は350kW充電に対応可能ですが、検証確認後に顧客へ案内予定です。
Q8: 既存のIONIQ 5のOTAアップデート対応は?
A: 初期モデルではナビゲーション関連のみアップデート可能で、コントロール系のOTAには対応していません。
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