1,000ps、最高速320km/hのロータス セオリー 1 コンセプト、実現の可能性とは?

すごい!1,000psのロータス セオリー1コンセプト。ロータスは、自分たちが何たるかを世界に知らしめたがっている。この320km/hのコンセプトカーは、そのリマインダーだ。

【KINTO】


これが、ロータス セオリー 1(Theory 1)だ。純粋なコンセプトカーであり、ロータスが技術志向の高級電動SUV以外のものも作っているということを忘れないよう、同社の歴史的なコアバリューをいくつか結集させることを目指している。

しかし、それと同時に、電気自動車とデジタル技術が主流となる世界において、それらの価値観がどのように進化するかを示す未来図でもある。これは、「ロータスの価値観」として多くの人が思い浮かべるものを考えると、かなり奇妙な領域だ。なぜなら、「軽量」「シンプル」「革新的」「アナログ」といった言葉は、通常、電気自動車とは結びつかないからだ。

皮肉な見方をすれば、現行のロータス車種にある大型電動車から目をそらすための話題作りに見えるかもしれない。しかし、だからといってこのコンセプトに価値がないわけではない。問題は、グローバルな販売を実現できる車を作る必要性について、多くの人が冷静に受け止めていることだ。特に中国と北米市場を考えると、現時点では電動車でSUV的なものが求められている。

エレトレとエメヤは、確かに優れた車だが、中国のプラットフォームを採用し、中国(正確には武漢)で生産され、欧州より先に中国でリリースされている。走りは実に素晴らしいが、同時に大型で重量があり、高級志向の電気自動車だ。そこに「これぞロータス」と指差せるものはほとんど見当たらない。

次に登場するのは中型の電動SUVだ。ポルシェのマカンクラスのサイズを想像してもらえばいい。そんな中、セオリー 1は、ロータスの人々が単にバッジを付けるだけでなく、「ロータスであること」の本質について今も思索を重ねていることを思い出させてくれる存在だ。

残念ながら、実際の車両について語る前に、かなりの量のお題目をかき分けなければならないようだ。だが、それだけの価値はある。コンテキストが全てを物語るからである。セオリー1について最初に目を通すと、真剣なコンセプト作りが行われているように感じられる。マーケティングプレゼンのような印象を受けるほどだ。ロータスが掲げる「Vision80」計画への全面的なコミットメントがあり、これは同社を「グローバルなパフォーマンス テクノロジーブランド」へと変革させるものだ。そこから派生して、セオリー1は今後のロータス車全てのためのデザインマニフェスト「The Lotus Theory」を打ち出している。

さらにそれは「DNA」、つまりDigital(デジタル)、Natural(自然)、Analogue(アナログ)に分解される。デジタルは「没入感と直感的な体験」を、ナチュラルは「感情的で人間中心のデザイン」を、アナログは同社の「継続的なパフォーマンスエンジニアリングの進化」を表すという…あー、ぶっちゃけ、もうウンザリだ。エキシージにLS2 V8エンジンをぶち込んで、バーンアウトでもしたくなるような話だよ。

では、いくつかの数字を見てみよう。シングルスピードトランスミッション、オールホイールドライブ、そして驚異の1,000PS(想像通りだろう)。重量は70kWhバッテリーを含めて1,600kg以下で、航続距離は402km。0-100km/h加速は2.5秒以下、トップスピードは320km/h。セオリー 1は、理論上は超高性能マシンだ。

しかし、これは単なる絵に描いた餅ではない。確かに量産車ではないが、開発者たちや実車と時間を過ごすと、その真意が見えてくる。ありがちなコンセプトカーの戯言とは一線を画している。まず、そのシルエットは突飛なものではなく、ミッドシップルックの洗練されたデザインだ。ダブルポイントのノーズにはランボルギーニの影響が見られ、重厚なリアクラムシェルにはフォード GT90の雰囲気が漂う。複雑なエヴァイヤ風のホイールには、APレーシングのキャリパーが覗く。

クリーンでシャープなノーズ、フロントホイールの後ろにあるサイドポッド、深くくびれたサイドライン、それらが大型のダブルフープリアディフューザーとアクティブリアウイングへと流れ込む。そのリアウイングの下には、むき出しのリアサスペンションが見える。

ガラスとクリアポリカーボネートが豊富に使われており、視線をさまざまな方向に導く。足元の高さのウインドスクリーン下部から見える浮遊したダッシュボードの翼のような形状や、ヘッドライトを通して前部ブレーキダクトまで見通せるフロントなど、細部を眺めるだけでも楽しい。

目立たないが、多くの技術と巧妙な発想が詰め込まれている。インテリアの前に、エクステリアのいくつかの特徴を紹介しよう。アンダーフロアは冷却用のNACAダクトを組み込んだ形状で、空気をディフューザーまで導く。バッテリーとモーターアッセンブリは一体型のストレスメンバーとなっており、リアサブフレームが不要に。リアウイングは直接取り付けられ、リアルタイムの効果を妨げる柔軟な部分が少ない。

また、構成要素も少ない。通常の車体構造では最大100種類の材料が使われるが、セオリー 1では10種類だ。製造も簡単で、リサイクルも容易、全体的に複雑さが低減されている。タブはリサイクルされた軽量のチョップドカーボンファイバー製。ボディは植物由来の軽量なセルロースベースのグラスファイバー製。ゴム、アルミニウム、ポリカーボネート、ポリエステルもリサイクル材。ガラスさえも再生品だ。そしてこのサイズと性能の電気自動車としては、1,600kg以下という目標重量は決して悪くない。

細部の仕上げも一級品だ。ヘッドライトとDRLは、カリフォルニアのKyocera SLD Laser社製のレーザーベース。超薄型で自由自在に成形でき、非常にコンパクト。通常のADASも搭載されているが、ハードウェアは車体構造に溶け込んでいる。ノーズ中央には格納式のLiDARがあり、必要時以外はクリーンなラインを保つ。他にも3つの展開式LiDAR、6つの高精細カメラ、長短距離ミリ波レーダー(超音波センサーも)を搭載。これらはドアのガラス部分や車両後部の黒いパネルに統合されている。レベル4の自動運転が可能だというが、屋根に大きなポッドや突き出たセンサーはない。

外観は一見以上に洗練されているが、内部はさらに興味深い。コンセプトカーとしての演出がここで本領を発揮し始める。

ドアは逆開きのシザースドア。上方に開いて後方に動き(狭い駐車場でも便利)、後ろにサポートスパーがある。開くと3人乗りのインテリアが現れ、中央が運転席で両サイドに乗客席がある。シートはタブに固定され、クッションで体を支える。ヨーク型ステアリングとペダルボックスが運転者に合わせて調整される。

「ダッシュボード」- もしそう呼べるなら - は2本の構造用カーボンスパーが前方視界を横切る形で配置されているが、それ以外はかなりシンプルだ。特に巨大なグラスハウスの印象が強い。テクノロジーで溢れているようには見えない - ヨークのグリップ間に小さなスクリーンがあるだけで、その背後に素晴らしい触感のスイッチがある。ギアセレクターや設定可能なスイッチ、大きめのパドルシフトのようなものもある。

大画面と大量の未使用情報よりもエレガントだ。バックミラーのインテリアモニターは透明で、ダッシュスパーの端に投影される。ウインドスクリーンには小さなライトが反射し、ブレーキやアクセルのタイミングを色で示す。まるでリアルタイムのトラックトレーナーだ。

大型ヘッドアップディスプレイと、MotorSkins社が開発した「Lotuswear」も搭載。これは、シートとヨークに組み込まれたロボット制御の空気袋のシステムだ。ナビの左右折指示などの情報を、脈動や動きで伝える。モードによって挙動が変わり、Range、Tour、Sport、Individualの各モードで、シートの締め付けやグリップの幅を変えるなど、異なる動作をする。確かに機能するが、お尻や腎臓あたりでナビ情報を感じ取るのには慣れが必要だ。

3Dプリントのゴム織りテキスタイル製ヘッドレストにはKEFのステレオが内蔵され、運転席の後ろにはサブウーファーもある。他にも一見では気づかない細かな仕掛けが無数にある。未来のテクノロジーを通して描かれた、昔ながらのロータスらしさが感じられる。これらの要素は個々には画期的ではないかもしれないが、セオリー 1は、ブランドがこれまで扱ってこなかったテクノロジーと向き合う中で、「本物の」ロータスがどのようなものになり得るかを示唆している。

そして、これは思ったほど空想的なものではない。セオリー 1そのものが路上を走ることはないだろうが、ここで見たものの一部は間違いなく量産車に反映されるはずだ。
よくある質問/Q&A
Q1: ロータス セオリー 1とは何ですか?
A1: ロータス セオリー1は、ロータスが発表した純粋なコンセプトカーです。電気自動車とデジタル技術が主流となる世界で、ロータスの伝統的な価値観をどのように進化させるかを示す未来図として位置づけられています。

Q2: セオリー1の主要スペックは?
A2: セオリー1は、シングルスピードトランスミッション、オールホイールドライブ、986bhp(1,000PS)の出力を誇ります。重量は1,600kg以下、70kWhバッテリーで250マイル(約400km)の航続距離を実現。0-100km/h加速は2.5秒以下、最高速度は320km/hとされています。

Q3: セオリー1の特徴的なデザイン要素は何ですか?
A3: ミッドシップルックの洗練されたシルエット、ダブルポイントのノーズ、大型のダブルフープリアディフューザー、アクティブリアウイングなどが特徴です。また、大量のガラスとクリアポリカーボネートを使用し、視覚的な透明感を演出しています。

Q4: セオリー1の環境への配慮は?
A4: セオリー1は、リサイクル材を多用しています。ボディには植物由来の軽量なセルロースベースのグラスファイバーを使用し、ゴム、アルミニウム、ポリカーボネート、ポリエステル、ガラスにもリサイクル材を採用しています。また、使用材料の種類を従来の100種類から10種類に削減し、製造とリサイクルの容易さを実現しています。

Q5: セオリー1のインテリアの特徴は?
A5: 3人乗りの中央運転席レイアウト、逆開きのシザースドア、ヨーク型ステアリング、最小限のディスプレイなどが特徴です。また、「Lotuswear」と呼ばれる独自のハプティックフィードバックシステムを搭載し、シートやステアリングを通じて情報を伝達します。

Q6: セオリー1は自動運転に対応していますか?
A6: はい、レベル4の自動運転が可能とされています。ただし、従来の自動運転車のように大きなセンサーポッドは visible にはなく、車体にスムーズに統合されています。

Q7: セオリー1は量産されますか?
A7: セオリー1そのものが量産される予定はありません。しかし、このコンセプトカーで示されたデザインや技術の一部は、今後のロータスの量産モデルに反映される可能性が高いとされています。

Q8: このコンセプトカーの目的は何ですか?
A8: セオリー1の目的は、電気自動車とデジタル技術が主流となる将来において、ロータスブランドの本質的な価値観をどのように維持し進化させるかを示すことです。また、ロータスが高級電動SUV以外のモデルも開発していることをアピールする狙いもあります。

Q9: セオリー1の開発において、ロータスが重視したポイントは?
A9: 軽量化、シンプルさ、革新性といったロータスの伝統的価値観を、最新の電動化技術やデジタル技術と融合させることに重点を置いています。また、環境への配慮や、ドライバーとのつながりを重視した人間中心のデザインも重要なポイントです。

Q10: セオリー1は、現在のロータスの量産モデルとどう違うのですか?
A10: 現在のロータスの量産モデル(エレトレやエメイヤなど)が中国のプラットフォームを基に開発された大型の高級電動SUVであるのに対し、セオリー1はよりコンパクトで軽量、そしてスポーティーな設計となっています。セオリー1は、ロータスの伝統的な価値観をより強く反映したモデルと言えます。

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=海外の反応=
「Lotusは、中国のMGと同じ道を歩み始めたと思う。10年後には、Lotusをイギリスや軽量スポーツカーと結びつけることはできず、ただの中国製電気ファミリーカーに、電気スポーツカーが数台加わっただけになるだろう」
「2010年のEspritコンセプトの現代化版のように見える。悪くない」
「このコンセプトは、Lotusが**作り得る**ものを世界に思い出させるだけ。代わりに、中国の基盤にイギリスのバッジを貼り付けただけの、トレンドを追いかけるだけのものだ。これらのデザイン要素が将来の車に組み込まれるかもしれないが、それだけだろう」

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