ロータスのルーツに忠実でありながら、家族や仲間とも楽しめるクルマづくり

東京オートサロン 2024のロータスブースではエレトレとエミーラが展示された。アジアパシフィック、中東、アフリカ地域マーケティングPRヘッドのラムジ アタット氏が来日し、インタビューを行った。

東京オートサロン 2024のロータスブースでは、ロータス初のオールエレクトリックハイパーSUV、ELETRE R(エレトレ R)、ロータス最後のミッドシッププレミアムスポーツカー、EMIRA V6 FIRST EDITION(エミーラ V6 ファーストエディション)の2台が展示されていた。アジアパシフィック、中東、アフリカ地域マーケティングPRヘッドのラムジ アタット氏が来日し、インタビューを行った。
日本での発表以来、とても人気の高いエミーラだが、こちらのV6 ファーストエディションは15,730,000円。パワートレインはDOHC6気筒 VVT-I スーパーチャージャーで3,456cc、最高出力は405psで、最高速度は288km/h。0-100km/h加速はMTだと4.3秒、ATで4.2秒となる。
もう一台は、ロータスが将来の電動化へ大きく舵を切った象徴でもある、電動ハイパーSUVのエレトレだ。展示されていたのは最上級のRで、25,850,000円。918ps、985Nmと巨大なパワーを有し、最高速度は265km/hで0-100km/hは2.95秒と、良い意味でおよそSUVらしくないハイパフォーマンス志向である。全長5,103mm、全幅2,60mm、全高1,636mmとゆとりのあるアルミニウムボディは、5人乗り(オプションで4人乗り)と、これまでの個人使用ではなく家族や仲間と一緒に楽しめるロータスとなったことも、大きな転換点である。

ラムジ アタット氏がインタビューに応じてくれた。
―自動車業界は現在電動化への移行を試みています。日本では、この変化をどのように進めることができると考えていますか?

この変化を進めるためには、電気自動車を所有する利点について人々にお伝えしていく必要があると思います。これは、皆様が愛しているドライブの楽しさを損なうことなく、実用的で持続可能であることを自動車の魅力として実装することでしか実現できません。

また、電気自動車の場合、車の寿命にわたるメンテナンスのコストが低減されることも挙げられます。コンポーネントや部品の点検が少なくなり、燃料費も節約できます。さらに、車の運転コストも考慮に入れるべきです。ただし、まだ、従来のガソリンスタンドで燃料を補給できるようなインフラが整っていません。ですから、そういった点にも対応していかなければなりません。

―アタットさんが管轄している地域では、どの国が電気自動車(EV)の普及に成功していると考えていますか?

アジア太平洋地域では、韓国がすでに新車の一定割合がEVである点でリーダーの一つです。そして、マレーシアでも非常に好調で、多くのEVを販売しています。韓国、マレーシア、オーストラリア、インド、UAE、ドバイも含めて、様々な国々で好調です。

―今挙げられた国々が成功する主な要因としてどんなことがあるでしょうか?

マレーシアの場合、政府が大規模な補助金を提供しており、EV購入時の価格に多くのサポートがあります。国によって様々な要因はありますが、最も重要なのは政府の補助金と充電用のインフラの利用可能性です。さらに、一部の消費者は既にEVに転換しており、EVに転換した消費者はガソリン車には戻らず、他の人にも勧めていくという傾向があります。それから、文化的な要因も影響します。新しい技術を試して変化を受け入れることに違和感のない国民性という国もあります。

―その意味では、日本はまだEVへの転換はゆっくりで、徐々に成長しているということでしょうか?

そうですね。私は日本に2回来ていますが、以前よりも街中で多くのEVを見かけるようになりましたし、市場に潜在的な可能性があることがわかります。他のメーカーも自社のEV製品に力を入れていると感じています。日本の市場にはEVの大きなポテンシャルがあると思いますので、日本でEVが成功することを期待しています。

―ロータスからの第1弾EVとして、エレトレが発表されましたが、市場からはどのような反応がありましたか?

最も大きな反応の一つは、車の技術がどれだけ進んでいるかという点でした。歴史的に、ロータスは非常にシンプルな車を作ることで知られていましたが、エレトレは技術的な傑作であり、非常にコネクティビティにも優れており、インターネット経由でアップデートも可能です。エレトレでは、ロータスの性能特性を維持しながら、技術と革新を加えることに成功しました。これは新しい消費者が求めるものです。

―エレトレ以降のEVでは、新規顧客がターゲットの中心になりそうですか?

歴史的に、ロータスは純粋なスポーツカーのメーカーであり、それが私たちの唯一のターゲット層でした。しかし、EVでは、性能を求めると同時に毎日の生活において実用的であり、家族やカップル、長距離旅行などを希望する、ライフスタイル性の高い顧客を新たにターゲットにしています。従って、パフォーマンスは保持しつつ、ライフスタイルのラインナップを展開しています。5人乗りですから、家族と一緒に使うこともできるわけです。より広範な顧客がターゲットとなるでしょう。これまでスポーツカーを求めていた人々が、他のブランドにライフスタイルカーを探しに行ってしまった場合でも、ロータスの製品ラインナップが広がったことで、ロータスファミリーの一員として残ってもらいたいです。

―エレトレの主な競合相手はどんな車種ですか?

テスラ モデルX、BMW iX、XM、そしてポルシェのEVカイエン、マツダ、EVウラカン、EQEやEQSも含まれます。ですので、競合相手はたくさんいますね。

―エレトレにおいて、これらの競合相手と比較してどんなアドバンテージな何であると考えていますか?

テクノロジーです。プロセッサ、速度、カメラなど、エレトレには標準で搭載されているハードウェアがあり、ソフトウェアが承認されれば自動運転が可能になります。そしてたいへん高度に連携できていますし、車内の処理速度も非常に高いです。その上で、性能についても、現在では競合他社の中でも最速で、確実に最高のハンドリング性能です。

―ロータスならではのハンドリング性能がエレトレに組み込まれているということでしょうか?

そうです。ロータスのエンジニアによって開発されたため、ハンドリングの高いレベルは、得意としているところです。そして、4チャンバーエアサスペンションとアクティブアンチロールバー、4輪ステアリング、8つの10ピストンカーボンセラミックブレーキもオプションで選べます。れらの優れた機能がハンドリングをサポートしています。0-100 km/hが2.95秒と、非常に速いです。

―では、エレトレはイギリスや日本など、山道が多い場所に適しているようですね?

その通り、完璧にマッチします。

―2024年の大きなニュースは何ですか?新製品の発売など…

エメヤはグローバルで発表され、世界中で披露されましたが、市場での発売はまだです。ですので、メディアや顧客がそれを試すときには非常に大きなニュースになると思います。エレトレの特性とテクノロジーがすべて備わっていますが、さらに低いシートポジションになっており、ドライバーに焦点を当てています。そのため、テクノロジーと特性をすべて保持しながら、よりパフォーマンスとドライバーの感覚を提供します。面白いクルマになると思っています。2024年の後半になりそうです。

―レース活動についてはどのように考えていますか?

エミーラ GT4を世界中のレーシングチームに提供しています。11月にマカオで初めてレースに参加し、1位と2位を獲得しました。ですので、来年は世界中の多くのレーシングチームでエミーラ GT4が活躍することができるでしょう。レースで勝利を獲得して、メディアの見出しを飾ることができるように、頑張って参ります。

―ロータスの日本のファンに向けて、どのようなメッセージをお伝えしたいですか?

日本のロータスファンは、歴史的にも最も素晴らしい応援をしてくれるファンです。そして、ロータスは日本のファンに約束します。ブランドに忠実でいることを。素晴らしいスポーツカーをこれからも作り続けます。ラインナップを広げているように見えるかもしれませんが、私たちはそのルーツから動かないでしょう。ロータスのルーツから学んだすべてを活かし、日本のファンが愛する車を作り続けるとともに、ライフスタイルカーのオプションも増やしていきます。

エコ意識のスピードウイーク/ホンダ シビック タイプR/トヨタ GR86:トップギア・ジャパン 058




トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2024/01/66541/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ