9/15、日本でも映画「グランツーリスモ」が公開される。そこで、2000年以降GTをプレイしていないスタッフがこの映画を観てレビューした。
まず、正直に言わなきゃならないが、グランツーリスモのゲームを、少なくとも20年はプレイしていない。国際B級ライセンスを取得し、オータムリンクのレースをこなして、喘ぐマツダ デミオのブレーキをアップグレードするための資金を貯めるのに飽きたのだ。アナーキーな『グランド・セフト・オート』のほうがずっと面白かったし、『ローラーコースタータイクーン』には心を奪われたものだ。グランツーリスモは今やドライビングシミュレーターであることを強調しているが(数分おきに登場人物が説明するのでわかる)、25年も前の作品であるにもかかわらず、自動車メーカーの重役たちはその名前を聞いたことがないようだ。
私は全くの無知の状態ながら、ジュマンジのようなナンセンス(子供たちがゲームに吸い込まれ、国際B級ライセンスを取得するまで帰れない)か、『ビリー・エリオット』のような困難に立ち向かって夢を追う物語を期待して観に行った。この映画では、東京の意地悪なストリートに住む若者が、フォード GTを買う十分なお金を手に入れるまで、ストリートシーンで奮闘する。もちろん、国際Bライセンスを取得してからだが、第2幕の危険な結末も待ち受けている。
グランツーリスモは、ドラマにするのか、コメディにするのか(笑ってしまったシーンは監督が意図していないところだと思うが)、アクションスペシャルにするのか、それとも世界中のオタクへの感動的なオマージュにするのか、トーン的に決めかねている。冒頭、ゲームクリエイター、山内一典への愛情あふれるオマージュで始まり、カーディフへと連れて行かれ、そこでジモン フンスー(本当はこの映画には勿体ないが、その代償を払わなければならない)が、サッカー選手になろうとせずにコンピューターで遊びすぎている息子のジャン マーデンボローを怒鳴りつける。ジャンを演じるのは、愛すべきアーチー マデクエ(いい映画で彼を見るのが楽しみだ)。彼は身長195センチで、実際のジャン マーデンボローの3倍はあろうかという体格だ。
ジャンは、狂ったように痙攣するレゴラスが主催するコンピューターゲームブートキャンプへの魔法のゴールデンチケットを手に入れ、『ストレンジャー・シングス』の不機嫌な男がヘリコプターから涙目のゲーマーに罵声を浴びせるモンタージュが延々と続く。この映画にはジンジャー スパイスも出演しており、ジャンの母親役で、カーディフにある自宅のソファから息子のレースのニュース映像に反応するという、映画版『ゴーグルボックス』(TVのリアリティショー)のような役どころだ。映画の前半での彼女の力強いセリフは、「まあ、このレンズ豆はおいしいわね」。
ともあれ、ケニー・Gの精神に導かれたジャンが、でっち上げの高額賞金レースを勝ち抜いていくさまは、ドローンや一人称視点カメラの斬新な使い方によって、(コンピューターゲームではなく)現実のレースが持つ直感的な感触をスクリーンに見事に表現している。しかし、アクセルを踏み込んで魔法のギアを見つけることでオーバーテイクを行うという、許しがたいエクストラギアの使用によって、リアルなアクションが無効になってしまったのは残念だ。つまり、レーシングアクションは面白いのだが、映画『グランツーリスモ』は結局のところ、なぜグランツーリスモのゲームをプレイするのが楽しいのか、その理由を正確に伝えることができていないのだ。ジュマンジ版のほうがよかったかもしれない…。
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=海外の反応=
「公平を期すために言っておくと、筆者よ、このゲームはなぜ誰もがプレーを楽しめるのかを説明するのが下手だ。手術室よりも無菌状態だし、改良を重ねるごとに悪くなっている。GT3がピークだったんだ」
「エンジニア的な頭脳の持ち主が映画評を書くと…」
「この映画にゲームの知識は全く必要ない。必要なことはすべて説明されているが、正直言って、それほど多くはない。
私はこの映画を見て楽しんだ。『フォード vsフェラーリ』や『ラッシュ』のレベルではないが、モータースポーツのフィルモグラフィーは革新的だった。出来事や結果そのものは現実のものだが、時系列やドラマはフィクションだ。
また、レーシングコースの不正確さ(ゲームをいつもプレイしている人なら必ず気づくはずだが)には少々面食らう。
全体的には、独自の雰囲気を持つ楽しい映画だが、本物のモータースポーツファンには時折目を丸くさせるだろう」
映画の前半での彼女の力強いセリフは、「まあ、このレンズ豆はおいしいわね」。
不穏な空気を誤魔化すためにいったっててことですか?
わかりにくくてすみません。ジンジャー スパイスさん(元スパイス・ガールズで、通称)が「ゴーグルボックス」で言っていたセリフだと思われます。そのリアリティショーと同じような演技を、映画でもしているという表現です。