【トップギア試乗】マクラーレン アルトゥーラ:巧みに統合されたハイブリッドパワー

「ハイブリッドパワーは巧みに統合され、アルトゥーラは抜群に乗りやすい。制約を受けている感覚はするけど」

いいね!
テクニカルパッケージ、シャシーバランスとコミュニケーション、パワートレイン応答性と多用途性

イマイチ
ありがちなスタイリング、やや窮屈に感じるブレーキペダル操作、フェラーリ 296の存在感

概要

どんなクルマ?
新世代のマクラーレンの第一弾。ツインターボのパワーに電気モーターを組み合わせ、プラグインの容量を持つハイブリッドスーパーカーである。マクラーレンは、スポーツシリーズ(570S他)の後継車ではないと言っているけど、さあ、どうだろう。これはエントリーレベルのハイブリッドマクラーレンとなる。この技術を使い、よりパワフルに、そしてこのアルトゥーラを否定するような技術を搭載した、720Sのアップグレード版も期待したい。

ルックスは、そんなに劇的に変わったように見えないけど?
ノーズ、スポーツシリーズのフライングバットレス、そして全体のスタンス、プロポーション、さらにはマクラーレンオレンジのカラーなど、マクラーレンにありがちな要素が際立っているのである。それは、これが新車なのかどうかわからないほどで、アップグレードを考えている既存ユーザーに対しては、売りにくいクルマに違いない。

そして、ハイライトだけを読むと、足回りもそれほど変わっていないように見える。2シーターのカーボンタブ(現在はマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャーと呼ばれる)を中心に、ツインターボエンジンを後部に搭載し、ツインクラッチギアボックスで後輪を駆動する仕組みだ。ここまでは、これまでのマクラーレンでよく知られた話だ。他のマクラーレンモデルのほとんどを支えている基本的なパーツキットと同じように見える。

しかし、その違いはどこにあるのだろうか。4.0リッターV8から3.0リッターV6へ、しかも単にシリンダーを1組切り落としたのではなく、バンク角は90度から120度に、ターボは内側に移設され、ボルト類はわずかに引き継がれた。ギアボックスは7速から8速になり、そのスペースはリバースギアがなく、電気モーターだけで処理されるようになった。95ps、225Nm、15.4kgの電気モーターは、シートの後ろにある7.4kWhのバッテリーパックから電力を得て、その間に取り付けられている。V6は2,250-7,000rpmで585psと585Nmを発揮し、合計で680psと720Nmのパフォーマンスを実現する。

どこかで聞いたことがあるような気がするな?
それはあながち間違いじゃない。「ホットヴィー」V6、7.4kWhバッテリー、電動リバース、2シーターキャビン、電子ディファレンシャル、プラグイン容量など、技術パッケージはフェラーリ 296 GTBに非常によく似ているのである。両社ともライバルではないというのだが、フェラーリの方が140馬力も高いし、価格も5万ポンド(830万円)も高いのだから、そう思うかもしれない。

そうだな。最大の差別化ポイントは、マクラーレンのカーボン製シャーシチューブだ。シェフィールドにあるマクラーレンの新しいMCTC(McLaren Composites Technology Centre)で内製された、まったく新しいものである。重量はわずか82kgで、強度と剛性が大幅に向上しており、アルトゥーラの100kgの重量アドバンテージに大きく貢献している。1,498kg(DIN、乾燥重量は1,395kg、アルミシャシーのフェラーリの1,470kgに対して)は、プラグインハイブリッドスーパーカーとしては驚異的な数値である。

電気だけで走れる?
可能だ。 公式には約30km(実質20kmくらいだろう)である。 マクラーレンは、電気による回生がペダルフィールを阻害することを嫌って、回生ブレーキは搭載していない。ダブルウィッシュボーンサスペンション、アダプティブダンパー、油圧式ステアリングなど、フロントエンド全体は限りなくアナログに近い。標準装備のカーボンセラミックブレーキ(ドライビングの項を参照)には若干の問題があるが、ステアリングやコーナーへの取り組み方には不満はない。旧型の570Sより60kgほど重いだけだ。

しかし、急速充電はできないので(80パーセントまで2.5時間)、移動中はエンジンでバッテリーを補給することになる。バッテリーを管理するためのモードはあるけれど、日常的に短距離の移動を電気だけで行うのでなければ、アルトゥーラは燃費の良いハイブリッド車とは言えない。

品質はどう?
あぁ、昔からよく言われることだ。12Cの時代から、マクラーレンの悩みの種だったね。今回、電気系統にまったく新しいイーサネットアーキテクチャーを採用し、必要なケーブルの本数を25%削減することで、配線ループの重量を10%軽減している。また、無線によるアップデートも可能だ(そのひとつが、充電が必要なとき、スマホのミラーリングを無線でサポートするもの)。この車はまだ定期的にキーを認識することを拒否している。

しかし、車内の質感や居住性は素晴らしい。旧型のスポーツシリーズよりも豪華で、断熱性に優れ、より触感のよい素材に包まれ、考え抜かれた収納があり、視界も良好だ(特に後部座席)。詳しくは「インテリア」コーナーを読んでほしい。

マクラーレンらしい走りができる?
ハイブリッドは、瞬時の電子パワーがターボラグと重なるため、大きなヘルプとなる。その結果、欲しいときにトルクが得られ、中間域のラグを推測する必要がない。0-100km/hで3.0秒、200km/hで8.3秒、最高速度330km/hと非常に速いが、フェラーリ(2.9秒、7.3秒、330kmh'以上')ほどの爆発力は感じられない。

しかし、ハイブリッドであることの欠点やペナルティはほとんどない。軽いし(実際、V6でノーハイブリッドのロータス エミーラに比べてそれほど重くない)、マクラーレンでおなじみの精密さ、自然な純粋さ、運動性能を持っている。プロフェッショナルに地面をカバーし、印象的なフィードバックと信頼性を提供し、圧倒的な能力を感じさせるものだ。そして、道路を離れれば、驚くほどの落ち着きとスピードでサーキットを駆け抜ける。V6エンジンのサウンドも素晴らしい。

結論は?

「ハイブリッドパワーは巧みに統合され、アルトゥーラは抜群に乗りやすい。制約を受けている感覚はするけど」

懸念されるのは、アルトゥーラが視覚的に、潜在的な購入者に対して、その下で行われている進歩を伝えるのに十分でないことだ。テクニカルスペックも、ただ読み流すだけでは伝わらない。実際、運転しても画期的な進化を遂げたとは感じられない。

その代わり、マクラーレンは技術を統合し、非常に巧みにそれを操作している。欲を言えば、急速充電とブレーキ回生による効率向上、そしてe-powerのさらなる活用が望まれる。でも、これはとても乗りやすいスーパーカーだ。フェラーリ 296 GTBほどの活力、爆発力、警戒心はないかもしれないが、日常的に使うドライバーとしてはよく考えられており、189,200ポンド(3,150万円)と5万ポンド(830万円)以上安い。

批判があるとすれば、アルトゥーラが特定の性能パラメータを達成するために、やや制約を受けたように感じられることだ。720Sの後継モデルは、同じパーツで構成され、より強力なパワー、おそらくより多くの電子機能、さらにアクティブエアロ、油圧式サスペンション、4輪ステアリングなどのダイナミックな要素を提供することは周知の通りである。アルトゥーラは、次に来るもののために、脇役に徹する必要がある。だが今のところ、このモデルはマクラーレンを自信と能力をもってハイブリッド時代へと送り出す。しかし、その姿を見つけるのは難しいだろう。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2022/06/51577/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

アーカイブ