120年の時を経ても、自動車メーカーはステアリングを改良するどころか、悪化させていることもあるんだ。そんな、使いにくいバッドデザインなステアリングをご紹介しよう。
BMW Mスポーツ
これはMスポーツのBMWに装着されている先代ステアリングだが、新型のステアリングも同じような問題を抱えている。とにかく太いんだ。正直、オランウータンのような手でないと、指を巻き込むことができないくらい。また、イカツイので、コーナリングのときには、不器用な感じがする。BMWのエンジニアは、購入者がいかしたホイールを好むのは、それがスポーティな車を連想させるからだと言っている。ああ、それはいいんだけど、そもそも立脚点が間違ってるんだよ。
アルファ ロメオ 4C
アルファロメオ 4Cは、正直さまざまなことにつまづいているが、そのひとつが、パワーステアリングを持たないカーボンチューブの軽量スポーツカーに、おぞましいステアリングホイールを装着してしまったことである。つまり、人間と機械との間の重要なインターフェースのひとつであり、まったく純粋で美しくシンプルであるべきものが、醜い不規則な形状の太いツインスポークホイールによって汚されてしまったということだ。
メルセデス・ベンツ EQS
メルセデスのビッグサルーンは、リラックスできるものでなくてはならない。ささやくように静かな電気モーターを搭載したメルセデスの大型サルーンは、車に乗っていることをすっかり忘れてしまうほど心地よいものであるべき。しかし、メルセデスはEQSのキャビンを、使い勝手の悪いタッチセンサー式ボタンでステアリングホイールを飾り立てることによって、台無しにしてしまった。さらに、光沢のあるバックスポークが汚れやすく、10万ポンド(1,600万円)のミニマムなキャビンの効果を台無しにもしてしまっている。おっと。
アウディ Q4 e-tron
悪いアイデアをそのままにしておくわけにはいかないと、他のドイツの自動車メーカーも、運転していないときに脳外科医しか扱えないような操作系で覆われたステアリングホイールを装着することを決定した。アウディのQ4 e-tronクロスオーバーもそのひとつだ。しかも、このホイールは間抜けな形をしている。これは電気自動車のクロスオーバーであって、F1カーではないのに。
フォルクスワーゲン ゴルフ R
そして、このドイツ車続きを締めくくるのは、最新のホットなゴルフだ。太すぎるホイールは、昔のゴルフ Rのホイールと比べると、握り心地が悪いって?…イエス、チェック。意味不明な触覚フィードバックボタンだって?…イエス、チェック。でも、ステアリングを握ったまま操作できるのはいいことだけど…。
テスラ モデル S プラッド
テスラ モデル S プラッドは、まだない。だが、今、ヨークを手に入れた。そして、これはテスラだけの特別なものだと思わないでほしい。トヨタもbZ4xのような新しいEVにヨークをつけようとしている。自動車業界の守旧派は、人々がテスラに共感を寄せるのなら、どんなことでもするということを証明している。
ロータス エミーラ
衝撃!ロータスのステアリングホイールに不具合発生。どうして?エミーラのホイールは、見た目はクールだが、太すぎて持ちにくいし、四角すぎる。私たちはロータスの新型スポーツカーの大ファンで、プロトタイプに乗ったことがあり、完成版を早く試乗したい。丸いステアリングホイールを求める普通の人のために「マーケティング部門削除」のオプションがきっとあるはず?
コルベット スティングレー
最新のミッドシップエンジン、コルベットも同じ轍を踏んだ。ツインスポークのホイールは、ドライバーに妙に低い位置でのキープを強いるので、曲がりくねった道を走るときには、それほど自然には感じられないのだ。ツイスティな道こそ、エンジンを真ん中に置く意義があるのでは?
フェラーリ SF90 ストラダーレ
いや、フェラーリがウインカーとワイパーをステアリングホイールにつけたことに対する古くから言われている不満じゃない。問題はSF90の場合、ステアリングホイールにやるべき動作がたくさんあり、しかもそれがすべてタッチセンサー式であることだ。1,000bhpの馬力があるときに、EV、ハイブリッド、予選モードといった走行モードの切り替えを、光沢のあるパネルを叩いて行うのは、フェラーリの古典的な(そして多く模倣された)マネッティーノのスイッチを回すほど簡単ではないだろう。グッドラック。