ベントレー コンチネンタル GT長期レポート7:完璧で乗りたいから些細な気になることをカバー

スペシフィケーション:

ベントレー コンチネンタル GT W12

エンジン:
5945cc W12気筒ツインターボTSI アクティブAWD 635ps 900Nm

燃費:
8.2km/L,278g/km CO2

パフォーマンス:
0-100km/h 3.3秒 , 333km/h

重量:
2260kg

価格:
27,335,000円/200,345ポンド(3,070万円) テスト車両/月額46万円

たとえベントレーワールドであっても、問題はある。とはいえ、すごーく些細な事なんで他のクルマだったら多分言ってないと思うんだけど、なんつってもこれは27,335,000円のコンチネンタル GTですから!些細なことでも記しておく必要があると思ったんだ。

気になるとこ。一つ目は、センターコンソールに2つあるエアコン吹き出し口のかたっぽの動きが少々ぎこちないこと。二つ目は、運転席側のダッシュとドアが交わるとこのドアトリム、分かりにくいけど、あれは間違いなく完璧な位置につけられてない。運転した感じに何とも言えない微妙な違和感があるし、ドアが勝手に閉じちゃうんだ。で最後、タイヤの圧センサーが反応し続けること。1本のタイヤ圧が1psi低いだけなのに、ずっと音が鳴ってるんだ。

圧センサーの問題に関しては、僕なりに根本的な対処してみたよ。ホイールとタイヤを新しいものに変えてみたんだ。圧センサーの問題の解決法として、「それは流石にやり過ぎなんじゃない?」とご指摘を受けると自分でも思う。でも正直言うと、「ついでにコンチネンタル GTを冬装備させとこう」ってちゃっかり別の意図があったわけでして。というわけで、ピレリのP Zeroシリーズを見に行った。1センチほど幅が狭いタイヤを履いた、リムが1インチ小さいソット Zero、これいいじゃん。でも、こいつらがまぁアホほど高い。仕方ない、フロントなら一本230ポンド(35,000円)の275/22夏用タイヤで妥協しとくか(リアの315/35タイヤは一本が4万以上する)。全輪分買うとなると1,000ポンド(15万円)近い出費だ。でも、ベントレーオーナーにはこれくらいの度胸がなくちゃな。

まてよ、21インチの冬用だとどうだろう?…まだあまり需要がないみたい。ベントレーでも売っているけれど、ネットで一番お得なやつでも前輪が330ポンド(50,000円)&後輪が428ポンド(65,000円)、総額1,500ポンド(23万円)だったけどね。もちろん、ホイールなしでその値段だぜ。ベントレーに乗るって安くないよ。中古の初代コンチネンタル GTで安く上げようと思ってる君、こういった諸経費のことも念頭に置いといたほうがいい。

タイヤの交換は、去年の10月に出来上がった車両を取りに行ったディーラー(ベントレー パンボーン支店)が引き受けてくれた。タイヤ一本一本がすごく重くて、修理工は特殊な油圧式のリフトを使って作業しないといけなかったんだけど、僕にはそれは当然の光景だったんだよね。だって、MYコンチネンタル GTがバネ下重量をうまく制御してくれないってことに、前々から気づいてたから。「バネ下重量を制御できない」とは?たとえば、車が路面上の何かを踏んだ衝撃でホイールがキックバックを起こし、シッポを振りまくってる犬ばりにシャシーが揺れちゃうこと、って言えばわかるかな。

エアコン吹き出し口を修理するには、コンソールトップを全部取り外す必要があった。問題の箇所だけでいいと思ってたけど、甘かった。内部のプッシュ/プル式のベントコントロールのさらに裏には、すごく複雑なメカニズムが隠れていたんだ。底の先っちょにあるゴムのシール部分に割れ目が入っていて、シャフトにせり上がっていた。修理作業は基本的に10点満点の10点。でも、もう少しこのストッパーについて説明すると、あの丸い吹き出し口(ブルズアイ ベント)はベントレー車の特徴的な部分だから、仕上げが施されているおかげで、少しプラスチック感もある。ネジを外して手に取ってみれば重さでメタル製なんだってわかるんだけど、いかんせんそうは見えないんだよね。

次は、ドアの立て付け&保持の修理。これはシンプルな作業だった。ドアの立て付けって、後から調整されること前提で意図的にああいう風にデザインされてるんだってさ。最終的にはドライバー個人の視点によるからって。いくら生産ラインの作業員たち全員がバッチリだと思っても、必ずしもドライバーにそれが合うとは限らない。僕の場合だと、0.5ミリ上に、内側に0.5ミリ寄せて欲しい。それと、勢いよく開かないようにストラットを少し締めてもらった。これからは開けるのに多少の力が必要になるけど、これでドアが勝手に閉まる問題は解決だ。

で、もう完璧でダンディーなクルマになったのかって?気になってるとこは全部直してもらったし、今んとこ問題が再発することはないよ。けど、毎日のように僕を悩ませてることが、あと2つあるんだよね。しばらく乗ってみてからわかったんだけど、一つはインシュレーションに問題アリ。Apple Carplayを取り消しちゃうから、ナビを普通に動かすにはスマホをダッシュに置いとかないといけないんだ。でも、すぐ滑り落ちちゃうから、センターコンソール横の専用のスマホ入れに置きかえると、今度は接続がブツブツ区切れるんだな…。

あれに関しては、どうすることもできない。二つ目はギアボックス。コンチネンタル GTにふさわしいって言われるATから、(僕は一回のドライブで2、3回あるんだけど)ツインクラッチにギアを入れ替えるとき、シフトが上手く入らないんだよね。ただギアの上っ面だけを甘噛みしてるって感じがする。それか、なんかがつっかえちゃってるとか?きっとソフトウェアの基準の問題なんだろうなって思う。ともあれ、パワートレインの中で「威厳に満ちあふれたクルマ」じゃない唯一のとこが、ここなのだ。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2021/04/32687/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ