【トップギアのドラテクレッスン】ダブルクラッチ

一度に複数のギアをシフトダウンしようとするとどうなるの?

シンクロナイザーの仕事は、選択したギアの速度と出力軸の速度を一致させることだというのを覚えてる?シンクロナイザーのもうひとつの仕事は、シンクロナイザーが速度を合わせるまで、あなたがそのギアを選択できないようにすることなのだ。

例えば、100km/hの5速で走行中に、2速にシフトを入れようとすると、かなりの確率で失敗する。スピードが出ているときに複数のギアにシフトダウンしようとすると、シンクロナイザーに、低いギアを最高動作速度に近いところまで上げてもらうことになる。そしてそれは、少なくとも、あなたがギアスティックを動かす時間よりも長くかかることになるということだ。ギアスティックを無理に動かしてギアを探せば、時にはシンクロを乗り越えて、噛み合わせに失敗したギアを砕いてしまうかもしれない。そうでなければ、ギアが十分にスピードアップに合わせられるか、クルマの速度が下がり、出力軸の回転が低下してギアが噛み合うまで、ロックアウトされてしまうのだ。

しかし、例えば坂道を下っていてブレーキが効かなくなり、ギアが必要になったとしよう。パニックに陥っていなければ、ダブルクラッチを利用することができる。ニュートラルにシフトしてクラッチを切り、回転数を上げて再びクラッチを切り、低いギアにシフトする。2速はまだ無理があるかもしれないが(エンジンの回転数が上がりすぎてしまうかもしれない)、腰を痛めるよりはエンジンが吹っ飛ぶ方がマシだろう。少なくとも、7分割されたマスタングを引き渡したときは、私たちは保険会社にそう言ったのだ。

クラッチがつながっているので、エンジンの回転数を上げると、ギアボックスの入力軸の回転数も上がる。これにより、シンクロナイザーが入力軸と出力軸の速度を一致させる作業が減り、実際に必要なギアを選択して噛み合わせることができるようになる。そして、素早くクラッチを切り、ギアを選択し、クラッチを離すことで、各コンポーネントの速度を合わせ、エンジンの圧縮ブレーキ(または完全なブレーキング)で減速させることができるのだ。

とはいえ、より良い答えは、坂道を下る前にブレーキが効くことを確認すること、ってのは言うまでもない。今一度考えてみよう。

 

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