現在、日本では、タレントの木村拓哉を使った日産のCMが放映中だ。ハコスカ、Zなどの旧車から、アリアで締められ、伝統と歴史を継承しながら、未来に向かおうとする日産の姿をイメージしたもののようだ。
さて、トップギアが日産の内田誠CEOに聞いたところによると、目を離して運転できるようになるのは、すぐにというわけじゃないという。
2010年代の中頃、日産の社長は、2021年までに自動運転車を実現させるという話をよくしていたのだ。驚くべきことに、今ではそうではなくなっている。
新型電動クロスオーバー車のアリアには、日産の最新キットであるプロパイロット2.0が搭載されている。ナビゲーションシステムで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動ルート走行を開始できる。ルート走行を開始すると追い越しや分岐なども含めてシステムがルート上にある高速道路の出口までの走行を支援し、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフが可能になるよう、設計されている。
しかし、これはまだドライバーが道路から目を離さないよう、監視しているものだ。それが機能するのは予約できる場所だけで、信号機やロータリーや交差点を横切って使えるというわけではない。
新CEOの内田誠氏に話を聞いてみると、前任者と比べて、完全な自律性についてはかなり躊躇している様子が伺えた。「もちろん、ハンズオフ、アイズオフ、これが将来的に行えるかどうか、検討しているものの一つです。私たちに何ができるでしょうか?」
「グーグルのウェイモがシミュレーションやシーンやパターン認識の実験をしていることは知っています。それはAIを介して行われますが、人間の目にも多くの能力があるのです」
「自動車メーカーとして、私たちは安全性について非常に真剣に考えています。そのため、非常に慎重になる必要があります。そしてそれを克服するためには、莫大な投資が必要となるのです」
日産が赤字であることと、内田氏が見返りが見込めそうなところだけに投資するつもりでいることを考えると、同社の自律走行研究が少し休止することに賭けてもいいだろう。
日産は、他の多くのメーカーのように、自動運転というものが以前に考えていたよりも難しいことがたくさんあることが分かっている。「私達は多くの潜在的なパートナーと、どのようにしてビジネスを作っていくのか、あるいは構築するのかを議論しています。あるいは、ある程度は自分たちでできるようになるかもしれません。将来の技術は変わるかもしれませんし」
今は長いゲームの中にいる。「社内でロードマップを描いているところです。日産は、このモビリティサービスにどのように適合させていったら良いののかということです。3年後、5年後、10年後に何をしたいかのロードマップということでもあります」
国や州によって、何を許可するかについて多くの異なるルールがあるという事実が、それを難しくしていると彼は言った。
おっしゃる通り。確かに、簡単な話ではない。では、目を離して運転できるのは、数年後には来ないのでしょうか?「すぐには来ません」と、彼は答えた。