<内装>
レイアウト、フィニッシュ、スペース
リアシートを見てみよう。足元の空間が広く取られていると同時に、沢山の装飾品が付いている。そのうちのいくつか(ムード・ライティング、冷蔵庫、リアシートに搭載されたエンターテイメント、Bang & OlufsenかNaim製のステレオスピーカー)はオプションで、その他(14通りの調整ができる空調、マッサージチェア、取り外し可能なタッチスクリーンリモコン)は標準装備だ。ビジネス環境に適応させるか、もしくは仕事を忘れさせてくれるような造りにするか、どれほどメディアにアクセスしたいかという、乗員の希望に沿ってカスタマイズが可能だ。
取り外し可能なリモコンも素晴らしい。後部座席の人も運転席や助手席の人と同じくらい、車内でエンターテイメントとナビを操作・享受できる。子供を座らせてみたらどうだろうか。決して良いことばかりではないかもしれない。子供がリモコンを独占してしまうだろうから。
ウィンドウからの眺めは視界が狭いが素晴らしく、特にドアに3Dキルティングを使用した(世界初の試み)雰囲気は、ラグジュアリーかつ非常に現代的だ。これは、もちろん、購入時の仕様によるけれど。お望みなら、車内を昔ながらの紳士のクラブにしてしまうのも良いだろう。
前述の通り運転環境はコンチネンタル GTと多くの共通点を持っているが、センターコンソールの2つの通気孔はよりモダンなデザインになっている。これが、コンチネンタル GTとフライングスパーを区別する最良の方法だ。スイッチはたくさんあるが一目で機能が分かるため、ディスプレイに注目して脇見運転になってしまうようなことはほぼないだろう。フォルクスワーゲンからの供給部品なんか一つもないように見えるかもしれない。ベントレーがそれに独自の装飾を施しただけではなく、それは大元のものにあった木と革をまるまる変えてしまっているからだ。昔から変わらず、絶対的に美しく仕上げられ、クルーのクラフトマンシップの賜物がここにある。
キャビンは、ひとたび腰を下ろしたら、称賛することだろう。テクノロジー自体は、BMWやメルセデス・ベンツが数万ドル掛けているものよりも高度で広範囲に渡るものではないが、フライングスパーを特別たらしめているものでは技術ではなく、その雰囲気なのだ。