2001年のアストンマーティンがどんな状況だったかを覚えているだろうか?うーん、思い出すのに少し時間がかかるよね。フォードが完全に所有していて、モータースポーツには公式に関与しておらず、製品ラインアップはわずか2台(DB7と初代ヴァンキッシュ)だけで構成されていたという、現在とはまったく異なる会社だった。今回は、その2001年に発表された、アストンマーティンが2020年の姿をご紹介しよう。次の20年に何が待ち受けていたのか、当時どうやって知ることができただろう…。いや、誰も知ることなんかできない。まさか、新型コロナウィルスが世界中を苦しめることになるだなんて。
なかなか未来を予測できる能力など持ち合わせないが、イタルデザインとジョルジェット ジウジアーロなら、先見の明があるだろうと考え、2001年のジュネーブモーターショーでそのコンセプトを明らかにした。この写真は、DB7をベースにした「トゥエンティートゥエンティ(Twenty Twenty)」は、20年後のアストンマーティンの姿を示すことになっていた。
しかし、他のほとんどのコンセプトカーとは異なっているのは、実際に動く(ボンネットの下にはDB7の5.9リッターV12のアップグレード版が搭載)ことだった。だが、トゥエンティートゥエンティは、決して生産される予定はなかった。当時も今もそれは同じ。それは、カーボンとプラスチックのボディパネルで構成された目に見えるアルミのスペースフレームを中心に構成した、スタイリングのエクササイズだった。
もちろん、これは2020年のアストンマーティンとは似ても似つかないし、そのことには深く感謝している。しかし、当時のアストンマーティンの責任者はイタルデザインの努力に「感銘を受けた」そうだ。幸いなことに、何も気づかないほど感銘を受けていなかったんだろう。
ジウジアーロ氏にしては珍しいミスだったのか、それとも私たちが完全に間違っていたのだろうか?