ホンダと日産が経営統合を検討 三菱の立場やルノーとの関係は?

日産とホンダが、合併計画を発表。これが実現すれば、日産・ホンダは地球上で5本の指に入る自動車メーカーとなる。中国自動車産業に対抗する目的もある。三菱の立場や、ルノーとの関係は?

【KINTO】


日産とホンダが合併の意向を発表した。両社は経営統合に向けた協議・検討を開始することについて合意し、共同持株会社設立による経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結した。その結果、世界トップ5の自動車会社が誕生することになる。両社の合計販売台数は年間735万台で、売上高は年間30兆円に達する。

両社の主な動機は、急速にグローバル市場のシェアを拡大している中国勢に対抗することだ。ホンダの中国での販売台数は前年同期比-30.7%、日産は-10.5%となっており、この販売不振により、両社とも中国での生産能力に大きな余剰が生じている。また、中国の新興EVメーカー、特にBYDの急速な成長が、日本メーカーに大きな圧力をかけており、BYDなどの中国メーカーは電気自動車市場で存在感を高めている。中国メーカーの価格競争力はたいへん高く、例えばBYDの「秦PLUS」は日産の「アリア」の約半額で販売されているのだ。もちろん、電動化もまたコストのかかる課題だ。経営統合により、以下のような対中国戦略強化が期待される。開発費の分担や経営の効率化による競争力強化、EVやソフトウェア開発などの新技術分野での連携強化、スケールメリットを活かしたコスト削減である。

日産はリーフで早くからEVをリードしていたが、近年は減速している。日産は三菱自動車の大部分も所有しており、三菱も買収に含まれる可能性が高い。三菱自動車もまた、EVとPHEVで急成長し、その後躓いた企業でもある。2025年1月末をめどに、ホンダと日産による経営統合への参画・関与の可能性について判断する。

ホンダはかつてGMとEVを製造する契約を結んだが、その後手を引き、ソニーと協力し始め、今年に入ってからは独自のEV開発努力も始めた。そのような優柔不断さが、ホンダという企業の危うさを露呈させている。

日産はルノーと長年にわたり株式の持ち合いや、購買やプラットフォームをめぐる提携関係にあるが、ここ数年はその協力関係が冷え込んでいる。ルノーはホンダのニュースを受けて簡単な声明を発表し、「あらゆる選択肢を検討する」としながらも、既存のプロジェクトは継続するとしている。例えば、フランスのルノー工場では、R5をベースにした日産マイクラの新型EVを製造する準備を進めているところだ。ルノーは現在、信託分を含めて39.1%の日産株を保有している。2023年11月に、ルノーと日産は互いの出資比率を15%ずつにすることで合意した。ルノーは日産の保有株式28.4%をフランスの信託会社に移し、この分の議決権を基本的に無効化している。

しかし、日産とホンダは2024年3月にEV開発で協力することで合意しており、これはルノーとの関係が悪化していることを示すもう一つの兆候だ。

日産とホンダの経営統合により、日産の株価上昇が期待され、ルノーにとっては保有株式を現金化する好機となる可能性がある。経営統合後の持株会社へのルノーの関与については、今後の協議で決定されていく見通しだ。ルノーと日産の関係は、プロジェクトごとの協力関係に移行しつつあり、資本関係の見直しが進む中で、より柔軟な協力体制が構築される可能性が出てくる。

だが本当の問題は、日産もホンダも複雑な企業でコストがかかりすぎることであり、より安価な中国のライバルを脅威だと見ていることだ。

彼らは、2025年半ばまでに両社を所有する共同持ち株会社を設立し、2026年半ばまでにそれぞれの財務的独立性を終了させることを期待している。両社は購買、技術、プラットフォーム、工場を共有し始めるだろう。つまり、ホンダは数年後にサンダーランドで生産される可能性があるのだ。

今日のニュースから一歩引いて、両社の歴史を分析する必要があるだろう。日産はルノーとの深く、時には非常に成功した提携に背を向けている。ホンダは独立志向の強い企業であり、他とは違うクルマづくりをしてきただけでなく、その歴史全体を通じて、合併の話が流行するたびにそのアイデアを拒否してきた。

合併は産業的、財政的に理にかなっているだけでなく、文化的にも理にかなっていなければならない。。この件に関して私たちが疑問に思うのは、これらの企業の人々が良い関係を築けるかどうかということだ。

もし日産やホンダのスタッフが「私たち」と「彼ら」という区別を持ち続け、協力的に行動するのではなく最善の方法について言い争うようなことがあれば、この合併は失敗する運命にある。しかし、もし彼らが一つのチームとして働く必要性を理解し、他の自動車メーカーの人々を「よき相手」として見るようになれば、成功のチャンスはある。なぜなら、ホンダと日産の両社には多くの優秀な人材がいるからだ。

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=海外の反応=
「ニスダ(Nisda)かホンサン(Honsan)か?それが問題だ」
「日産はルノーのゴミではなく、まともなエンジンを手に入れるかもしれない」
「確かに予想していなかった合併の一つだが、考えてみれば避けられないことだ。おっしゃる通り、両社の考え方は非常に異なっており、外から見てもそれは明らか。日産は日本発の安い車とみなされているが、そのセグメントではせいぜい平均的なものだ。一方、ホンダは、セグメント内での位置づけがますます難しくなり、高価で、畑違いの、日本のボルボという言葉がぴったりの車を作っている。

一体どうやって協力するつもりなのだろうか?もし彼らが賢ければ、できる限りの技術を共有しながらも、独自の道を歩み続けるだろう。新しいセグメントを開拓するなど、それぞれのブランドを再定義しようとしても意味がない。日産はホンダの「ひどいクルマは作らない」という実績を、ホンダは日産の「画期的なクルマは作るがコストは安い」という実績を利用すればいい。

そして、三菱自動車は永久に処分すべきだ」
「最も信頼性の高い車を作っているブランドが、その逆のブランドと合併する。うーん」
「さて、ダイムラーはどうなる?日産はルノーと一緒にアライアンスに入っている。これはつまり、口紅をつけたナバラはもうないということだ」

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