JBLやハーマンカードンとトヨタ ランドクルーザー、スバル レガシィ アウトバックの深ーい関係

ハーマンインターナショナルの新製品内覧会が行われた。ハーマンといえば、JBLやharman/kardonなど、サウンドで有名だが、じつは自動車とも縁が深い。内覧会で最も印象に残ったJBL Tour PRO 3についてもご紹介しよう。

【KINTO】

ハーマンインターナショナルの新製品内覧会が行われた。ハーマンといえば、JBLやharman/kardonなど、サウンドで有名だが、じつは自動車とも縁が深い。自動車向けオーディオシステム、統合デジタルコックピットプラットフォーム、先進運転支援システム(ADAS)、サイバーセキュリティ、テレマティクス、クラウドサービスなど、幅広い製品とソリューションを提供する、自動車業界における主要なサプライヤーである。JBLとHarman Kardonは、ハーマンインターナショナルの代表的なオーディオブランドとして、多くの自動車メーカーと提携し、高品質なカーオーディオシステムを提供している。内覧会会場でも、自動車分野は別に展示されており、ハーマンのオーディオを搭載したトヨタ ランドクルーザー “250”と、スバル アウトバックのコンセプトカーが置かれていた。

ハーマンは、1984年にリンカーン タウンカー向けに初の車載オーディオシステムを発表し、自動車向け事業に本格参入した。その後、積極的に事業を拡大し、高品質なカーオーディオシステムの提供で知られるようになった。現在では、ハーマンのオーディオおよびコネクテッドカーシステムは、5,000万台以上の自動車に搭載されている。ハーマンは、自動車メーカーと長期的な関係を構築するために、革新的な技術パートナーシップ、包括的なパートナーシップ、継続的なイノベーション、グローバル展開といった戦略を採用している。例えば、フェラーリとの提携では、HARMAN Ready Careという先進的な車内モニタリングシステムを導入し、Ready Upgradeハードウェアとソフトウェアを活用して、車内体験をアップグレード可能にしている。また、Scuderia Ferrariのフォーミュラ1チームの公式パートナーとしても活動している。2016年には、サムスン電子がハーマンインターナショナルを買収し、自動車向け事業をさらに強化した。サムスンとの連携により、5G対応テレマティクスサービスの開発を進め、2021年からドイツの自動車メーカーの量産モデルに採用されている。

ハーマンは70年以上にわたる音響設計、チューニング、信号処理の専門知識を活かし、車内のリスニング体験を向上させている。革新的なソリューションとしては、QuantumLogic Surround (QLS) 3Dサラウンドサウンドシステム、Individual Sound Zones (ISZ)外部干渉を最小限に抑えたパーソナライズされたオーディオ体験を提供、Clari-Fi:圧縮によって失われた音源の細部を復元するシステム、HALOsonic:ノイズマネジメントソリューションが挙げられる。また、スピーカー、アンプ、デジタルメディア互換性、Bluetooth接続性など、包括的なカーオーディオソリューションを提供している。Software Enabled Branded Audioを通じて、JBLやHarman Kardonのブランド力を活かした高品質なオーディオ体験を簡単に実現できる。Harmanのオーディオおよびコネクテッドカーシステムは、5000万台以上の自動車に搭載されている。

2019年時点で、自動車関連事業において290億ドル相当の受注を確保しており、トヨタ、スバルのほかにも、BMW、Audiなど、多くの主要自動車メーカーとパートナーシップを築いている。

Harman Internationalは、自動車メーカーと長期的な関係を構築するために、以下のような戦略を採用している。まず、革新的な技術パートナーシップだ。Harmanは、自社の革新的な技術を自動車メーカーに提供している。例えば、Ferrariとの提携では、HARMAN Ready Careという先進的な車内モニタリングシステムを導入している。そして、自動車メーカーのニーズに合わせて、技術をカスタマイズ。Ferrariの場合、Ready Upgradeハードウェアとソフトウェアを活用して、車内体験をアップグレード可能にしている。それから、包括的なパートナーシップ。Ferrariとの提携のように、複数年にわたる包括的なパートナーシップを結んでいる。マルチファセット展開としては、技術提供だけでなく、マーケティングやブランディングにも及ぶ多面的な協力関係を構築している。例えば、Scuderia Ferrariのフォーミュラ1チームの公式パートナーとしても活動している。

継続的なイノベーションとして、自動車メーカーと協力して、次世代の車内体験を共同開発している。Ready Upgradeのような製品を通じて、新機能の市場投入時間とコストを大幅に削減し、自動車メーカーの競争力向上に貢献している。米国や欧州だけでなく、日本のトヨタなど、厳しい品質管理基準で知られる自動車メーカーとも取引を拡大している。カーオーディオソリューションからテレマティクス機器、デジタルコックピットまで、幅広い製品を提供している。

これらの戦略により、Harman Internationalは自動車メーカーとの長期的かつ強固な関係を構築し、自動車エレクトロニクス分野でのリーディングサプライヤーとしての地位を確立しているのだ。

JBLは長年にわたりToyotaと強力なパートナーシップを築いており、多くのToyotaモデルにJBLのオーディオシステムが搭載されている。Aygo、ヤリス、カローラやハイラックスなど、様々な車種に搭載されている。
ランドクルーザー 250のJBLカーオーディオの特徴は次のようだった。
スピーカー構成:
• 合計14個のカスタム設計スピーカー
o 4つの25mmホーンツイーター(Aピラーとリアドア)
o 5つの80mmミッドレンジスピーカー(ダッシュボードとDピラー)
o 2つの203 x 229mmウーファー(フロントドア)
o 2つの150mmフルレンジスピーカー(リアドア)
o 1つの224mmサブウーファー(20リットルのエンクロージャー付き、リア)
アンプ:
• 12チャンネルDSPアンプを搭載し、総出力605ワットを実現

サウンド品質:
• 正確なボーカルと楽器の再現
• 豊かな低音
サラウンドサウンド:
• JBL Synthesis® 7.1サラウンドサウンドシステムを採用

その他の特徴:
• ランドクルーザーのオフロード性能と洗練された走行性能に適した高品質なオーディオ体験を提供
• CLARI-FI™ (クラリファイ)圧縮音源補正技術を採用

スバル アウトバックの方は、コンセプトカーで、Harman Kardonカーオーディオの特徴としては下記がある。
主な特徴:
• 車両の構造特性を活かした音響空間づくり
• 圧縮された音源のデータを復元するClari-Fi(クラリファイ)技術
• 音質向上と消費電力低減を両立するGreenEdge(グリーンエッジ)技術
• 各モデルに合わせて最適化されたスピーカー構成と出力
アウトバックに搭載されているシステムは576ワット、12スピーカーである。
Harman Kardonとスバルは、10年以上にわたるカーオーディオの研究開発を行っている。音源を忠実に再現するという音響空間づくりの価値観を共有し、あらゆるジャンルの音楽を高品質で再現することを目指すというものだ。車種ごとに最適化された優れた音響体験が得られる。

オートモーティブジャンル以外にも、新製品を試すことができたが、一番驚いたのは、完全ワイヤレスイヤホンの新製品、JBL TOUR PRO 3だ。JBL初のデュアルドライバー構成(10.2mmダイナミック + 5.1×2.8mmバランスドアーマチュア)を採用し、LDACコーデック対応で最大96kHz/24bitの高音質伝送が可能で、低音から高音までバランスよく再現し、立体感のある音場を提供してくれる。そして、驚きのノイズキャンセリング機能。進化したハイブリッドノイズキャンセリング2.0を搭載し、環境や装着状況に応じたリアルタイム補正機能付き。外音取り込み機能(アンビエントサウンド)やスマートトーク機能で周囲の音を柔軟にコントロール可能だ。バッテリー性能は、ANCオフ時で最大44時間、ANCオン時で最大32時間の再生、10分間の急速充電で3時間の再生が可能となっているIP55の防滴性能、Bluetooth 5.3対応、空間サウンド機能とヘッドトラッキング機能搭載、スマート充電ケースに大画面ディスプレイを搭載したことも魅力的だ。視聴させてもらったが、ワイヤレスイヤホンとは思えぬ没入感が得られた。音質は圧倒的に向上し、ハイエンド帯に相応しいレベルに達している。ノイズキャンセリング性能はトップクラスの消音力を誇る。装着感は軽く、フィット感も抜群だ。これまでJBLのTUNE FLEXを愛用してきたのだが、全く別レベルの世界を見せてくれた。ただし、価格は42,900円と、少々お高めではある(Amazonなら、39,001円で購入可能)。だが、JBL Tour PRO 3は、高音質、優れたノイズキャンセリング性能、多彩な機能を備えた完全ワイヤレスイヤホン。特にEDMやFuture Bass、ヒップホップなど低域の力強さが重要な楽曲で迫力あるサウンドを楽しめるし、外出中はあまりの完璧なノイズキャンセリング機能に、電車内など止まった状態で使用するのが良さそうだ。自分の世界に浸りたい、という人にはおすすめのワイヤレスイヤホンである。

TOUR PRO 3のガチライバルとしては、AppleのAirPods Proが挙げられると思う。簡単に比較をしてみた。
【音質】
JBL Tour PRO 3
- デュアルドライバー構成(10.2mmダイナミック + 5.1×2.8mmバランスドアーマチュア)
- バランスの取れた音質と立体的な音場
- LDACコーデック対応(Androidのみ)
- カスタマイズ可能なEQと複数のプリセット

AirPods Pro 2
- 新しい低歪みドライバーとカスタムアンプ
- 適応型EQによる自動音質調整
- 豊かな低音とダイナミックな周波数応答

【ノイズキャンセリング】
JBL Tour PRO 3
- 背景ノイズの約85%をブロック
- 6段階の調整可能なANCモード

AirPods Pro 2
- 最大90%のノイズを除去
- アダプティブトランスペアレンシーモード搭載

【バッテリー寿命】
JBL Tour PRO 3
- ANCオフ時:イヤホン11時間、ケース含め44時間
- ANCオン時:イヤホン8時間、ケース含め32時間

AirPods Pro 2
- ANCオン時:イヤホン6時間、ケース含め30時間

【特殊機能】
JBL Tour PRO 3
- タッチスクリーン付きスマート充電ケース
- ケースによるハイレゾ音声再送信機能
- Auracast対応

AirPods Pro 2
- Appleエコシステムとのシームレスな連携
- 自動デバイス切り替え
- 空間オーディオとパーソナライズド機能

【防水性能】
JBL Tour PRO 3
- IP55等級

AirPods Pro 2
- IPX4等級

両モデルとも高性能なワイヤレスイヤホンだが、JBL Tour PRO 3はより長いバッテリー寿命と革新的なケース機能を提供し、AirPods Pro 2はAppleデバイスとの優れた統合を特徴としている。音質面では、両者とも高い評価を得ているが、個人の好みや使用環境によって選択が分かれるだろう。個人的には、充電が長いことと、タッチスクリーン付きケースは毎日使用する身として大事なことなので、JBL Tour PRO 3を推したい。何よりも、音質と没入感に惚れ込んでしまったのである。そうそう、装着の際は、耳の穴に挿したあと、グリンと上方向にひねるのがコツ。そうすると、まったくズレずに装着できる。外出時は、くれぐれもお気をつけて。

フェラーリ 12チリンドリ/Mini, モーク, イセッタ:レトロなEVバブルカー/ハイパーカーメーカーのボス対談:トップギア・ジャパン 064

外車限定の車買取サービス【外車バトン】
【無料】資料請求【タウンライフ土地活用】



トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2024/12/73777/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 064

アーカイブ