ベントレーが誕生90周年を祝った「サイレント・スポーツカー」とは?

「ダービー時代」の60台のベントレーがベントレーのドリームファクトリーに集結し、モデル誕生90周年を祝う。

ベントレーモーターズは、ベントレー 3½リッター、通称「ダービーベントレー」の誕生90周年を記念して、「ダービー時代」の60台の美しいベントレーをクルー本社に迎え入れた。

ダービーベントレー専門のオーナーズクラブであるザ・サイレントスポーツカークラブの主催により、先週の金曜日にクルーにあるベントレーのドリームファクトリーに車列が組まれ、100名以上のゲストがキャンパスツアー、新装されたベントレーのヘリテージコレクション、マリナーワークショップの見学を楽しんだ。

ベントレーが所有するダービーベントレーはスラップ&メイベリーによるコーチワークが施された1934年式3½リッターモデルだが、ヘリテージコレクションの戦前車8台が展示されている新しくオープンしたリニアージエリアに展示され、ゲストを迎えた。土曜日には、ダービーの90周年を正式に祝うブラックタイディナーの主賓として、ベントレーの最も貴重なコレクションのひとつであり、最近再登録された世界に1台限りの1939年式Mk V コーニッシュが、84年ぶりに公道に復帰した。

チェシャーに集まったダービーベン トレーは、1930年代にこのモデルのために特注のボディワークを提供した40以上の独立系コーチビルダーを代表する、膨大な種類のコーチワークスタイルを網羅していた。シャシーB15AE(1933年9月に生産された2台のオリジナルローンチカーのうちの1台)、シャシー3-B-50(1939年に生産された4台の実験的6気筒サルーンの唯一の生き残り)などがその一例であり、この時代の多種多様なスタイルを見事に表現している。

ダービー時代のベントレーは年間500台を生産されたが、3½リッターに続いて改良型4¼リッターも生産され、ロールスロイスの所有下で生産された最初のベントレーとなった。この時期のベントレーは、1938年の流線型クーペ「エンブリコス」や、最近修復された1939年Mk V コーニッシュなど、重要なワンオフモデルも生み出した。この2台は、1950年代のベントレーを形作ったデザインのDNAを形成し、初代コンチネンタルGTや現在のコンチネンタル GTにも多大なインスピレーションを与えた。

ダービーベントレーの6気筒3½リッターエンジンはスムーズで洗練されており、当時としては十分な出力である約120馬力を発生した。スタイリッシュで、速く、洗練され、エレガントなプロポーションを持ち、運転しやすい車だった。それまでのすべてのベントレーの非同期式ギアボックスと比較すると、ダービーのシンクロメッシュの利点は明らかで、しなやかなスプリングと硬めのシャシーフレームがハンドリングを高水準に引き上げた。

ダービー車はクリックルウッドの先代モデルよりも洗練され、より俊敏でありながら、価格は400ポンドも安く、それまでのどのベントレーよりも幅広い顧客層に支持された。3½リッターは、レーシングドライバーのサー・マルコム キャンベル氏やアーチー・フレイザーナッシュ氏をはじめとする著名人にも支持された。

3½リッターベントレーは、生産中にシャシークロスメンバーをフロントに追加したり、ハーモニックスタビライザーバンパーを装着したりして乗り心地とハンドリングを向上させるなど、いくつかの開発を伴う改良が必要だった。 そして、1936年には、通常の3½リッターに代わる大型エンジンが提供された。オーナーは50ポンド追加することで、シリンダー・ボアを1/4インチ(6.35mm)拡大し、いくつかの外装部品を追加することができた。このモデルは4¼リッターとなり、1939年までに生産台数はそれまでのモデルを上回った。

ベントレーが所有するダービーのシャーシナンバーはB53AE(登録番号AXB3)で、1934年初頭、ロンドンの販売店のジャック・バークレイが最初のオーナーであるスコットランドのトゥリアラン城のアレックス・ミッチェル氏に引き渡した4ドアスポーツサルーンだ。彼は戦時中までこの車を所有していたことが知られておる。残念ながら次のオーナーに関する記録は失われているのだが、この車はいつしか大西洋を横断する旅に出た。その後1968年、マサチューセッツ州イースト・オーティスの納屋で発見され、1987年、フィラデルフィアのランカスターに住むチャールズH. ウォルフ氏が次のオーナーとして記録されていたが、最終的に2004年にベントレーモーターズに譲渡された。

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