【US試乗】スバル WRX tS追加!MT車でもアイサイト完備の最後の純ガソリンAWDスポーツセダン

スバルがラリーの遺産を受け継ぐAWDセダン、WRXの最新US仕様をテスト。275psの2.4L水平対向ターボを搭載し、STIチューンを施した「WRX tS」が追加された。狭いパワーバンドや不親切なインフォテインメントなどの荒削りな一面を見せつつも、マニュアル車にも標準化されたアイサイトと無敵のグリップ力は、大人の日常とサーキットの両立を約束する。

「スバル WRXは、日常の足としての役割を妥協することなく、パフォーマンスへの渇望を満たすことができる遊び心のあるスポーツセダンだ」

いいね!
スポーティで楽しい、パフォーマンスカー初心者にも優しい、標準装備の安全機能

イマイチ
狭いパワーバンド、バグの多いソフトウェア、そして多すぎるクラッディング(樹脂製オーバーフェンダー)

概要
これは何?
これはWRX、つまり、ブランドのラリースポーツの遺産を受け継ぐスバル唯一のセダンだ。この名を見れば、巨大なウイングを生やしたSTIや、威圧的な歴代インプレッサを先頭とする、オフロードでの偉大なモータースポーツの記憶が蘇るだろう。
悲しいかな、ファンの悲鳴にもかかわらず、現在ではセダンとハッチバックとして別々に存在するWRXとインプレッサは、その野性的な時代を過去のものにしてしまった。

ああ、古き良き時代よ…
WRXは年齢とともに確実に成熟した。この名が挙がって我々が今でも思い浮かべるのはインプレッサベースのバージョンであり、そこからスピンオフした後でも、初代の独立したWRXには、この車名から連想される速く走るための要素がすべて備わっていた。朗報なのは、現行型セダンが、その中心において我々が望むWRXであるということだ。つまり、パンチがあり、全輪駆動で、多用途であるということ。

現在のラインナップのすべてのモデルは、275psと350Nmのトルクを叩き出す2.4リットル水平対向4気筒ターボエンジンを搭載している。パワーは、6速マニュアルギアボックスか、いわゆるパフォーマンスCVTのいずれかを介して4輪すべてに送られる。

STIバージョンはないの?
ない。現状、これまでで最もそれに近いバージョンはスバル WRX tSだ。これは「tuned by STI」を意味し、アップデートされたブレーキパッケージ、電子制御ダンパー、そしてこのモデル専用のサスペンションチューニングを備えている。インテリアのハイライトやバッジといったいくつかの専用の視覚的な特別装備を除けば、WRX tSのもう一つのユニークな機能は、真新しい12.3インチのデジタルメータークラスターである。

もしこの構成に聞き覚えがあるなら、それはtSモデルが基本的にWRXのポートフォリオ全体に見られる既存のオプションのリストをさらい、これまで利用できなかった組み合わせにいくつかの新しい要素を加えて、真のパフォーマンス重視のパッケージにまとめ上げたものだからだ。たとえば、WRX GTには電子制御サスペンションと様々なドライブモードが備わっているが、マニュアルギアボックスはない。tSの登場により置き換えられたWRX TRには、6ピストンのブレンボ製ブレーキと6速マニュアルが備わっていたが、GTの装備はなかった。

現状ではWRXには5つのトリムがあり、短期間ラインナップから外された後に復活したベースモデルから始まる。プレミアムとリミテッドトリムはより多くの快適装備を追加し、GTトリムはよりスポーティなハードウェアを装備し、tSはそれらすべてから良いとこ取りをしている。

2026年には、校正者泣かせの「Series.Yellow」バージョンのtSがストリートに登場する。これは驚くことではないだろうが、専用のイエローカラーとアクセントを備えたtSである。350台のみの限定生産なので、黄色が好きなら、急いで手に入れることだ。

どんな走りをしてくれる?
ベースモデルから最上位トリムまで、スバルのWRXは信じられないほど親しみやすく、あらゆる経験レベルのドライバーがここで楽しめる何かを見つけるだろう。ゲームに新しく参加するエンスージアストにとって、ベースのWRXは、比較的手頃な価格で手に入る数少ない新車の1つである。その控えめな出力、シンメトリカルAWD、そして標準装備の「アイサイト」安全スイートは、平均的な6速マニュアルの操作に慣れながらパフォーマンスドライビングの基本を学ぶ上で、確実に安全側に留まるのを助けてくれるはずだ。

より経験豊富なドライバーも同様に、ベースモデルの基本的なセットアップを楽しむことができるだろう。ただし、トリムレベルに関係なく、2.4リットル水平対向エンジンは回転数の面で物足りないことに気づくはずだ。これは公道ではそれほど問題にはならないが、WRXをサーキットの遊び道具にしようと計画している人は、不都合なタイミングで限界に達するパワーユニットと戦わなければならないだろう。複数のサーキットでテストした結果、WRXは次のコーナーの手前で回転数が足りなくなることがよくあった。そのため、速度を犠牲にしてレスポンスのために低いギアに留まるか、それとも高いギアにシフトしてコーナーからの脱出時の加速力を失うかという決断に頻繁に悩まされることになる。

WRXはそれ以外ではスピードを出して走るのが楽しいだけに、これは玉に瑕として特にフラストレーションが溜まる。どこまでも続くグリップにより、クラッシュを過度に心配することなく限界を試すよう大いに促してくれ、レスポンスが良いのと同じくらいコミュニケーションも豊かだ。

で、いくらなんだ?
ベースのWRXは約32,495ドル(530万円)で、少しスポーティなWRX tSは44,995ドル(730万円)から始まり、その間にすべてのトリムが用意されている。これは、ホンダ シビック タイプ Rやトヨタ GRカローラのような既知の勝者や、驚くほど魅力的で(そしてより手頃な)Hyundai エラントラ Nのような新参者と直接競合することになる。我々は、WRXの豊かなクラッディングが、このような手強い対戦相手との乱闘に加わることで受けるであろう打撃から、車体を保護してくれることを祈るばかりだ。

結論は?

「サーキット走行の日々の間、WRXはユーティリティを一切損なうことなく、日常の足として機能する」

スバルのWRXは、以前のバージョンよりも地に足が着いているように見えるかもしれないが、以前にも増して能力が高く、親しみやすい。控えめなパワーと全輪駆動の安定性により、新しいドライバーを威圧することなく、経験豊富なドライバーを喜ばせる、楽しい遊び道具となっている。このスケールのどこに位置していようとも、WRXは勇気に安全性で報いてくれる。
サーキット走行の日々の間、WRXは、週末の出来事によってユーティリティを一切損なうことなく、日常の足として機能する。十分な荷室と乗客スペースはほとんどの人にとって事足りるだろうし、もしあなたがこの車のように、のんきな思春期から成長した大人であるならば、特に魅力的な選択肢となる。

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