インテリア
室内の様子は?
リムジンなので、まずは後部座席から。ベンテイガEWBとその驚くべき「エアライン」シートが、ベントレーのハロー効果を持つリムジンの役割を思いがけず与えられてしまったが、それでもフライングスパーのレッグルームは広い。遊べるおもちゃもたくさんある。ムード照明、冷蔵庫、リアシートエンターテイメント、巨大なNaimステレオなど、英国でオプションのものもあれば、14ウェイ電動ヒーター&クーラー、全方位マッサージチェア、取り外し可能なタッチスクリーン・リモートコントロールなど、標準装備のものもある。
メディアやテクノロジーへのアクセスをどの程度求めるかは、すべてあなた次第だ。ビジネス環境とすることも、すべてから逃避することもできる。BMW i7と7シリーズがリアシート、さらに言えばリアシートを取り巻くテクノロジーとスクリーンをいかに説得力を持って改革したかを考えると、フライングスパーはよりシンプルな時代の最後の息吹と考え、ここでは物事を落ち着かせ、静寂を保った方がいいのかもしれない。
取り外し可能なリモコンは便利だ。後ろの席の人も、前の席の人と同じように車内エンターテインメントやナビゲーションに意見を入れたり、影響を与えたりすることができる。子供を後ろに乗せる?それはあまりいいことではないかもしれない。出発前に没収しよう。
サイドウィンドウからの眺めはスリムだが心地よく、特にドアに施された新しい3Dキルティング(世界初)の雰囲気はラグジュアリーだ。もちろん、賢明にスペックアップすれば、かなり現代的な感覚を得ることもできる。
前の席のインテリアは?
運転環境はコンチネンタルGTと共通点が多いが、センターコンソールの2つのブルズアイベントはより現代的なデザインに変更されている。管理すべきスイッチ類は多いが、ほとんどは分かりやすく、道路から目を離す時間はあまり必要ない(完全にスクリーン制御のライバル車よりは確実に少ない)。VWの部品箱から取り出したようなものはないのである。それは、ベントレーが独自の装飾を施したからというだけでなく、ウッドとレザーがとても目を引くからだ。
相変わらず、すべてが美しく仕上がっていて、クルーのクラフツマンシップへの賛辞を送りたい。また、ダッシュボードの中央にある粋な「回転式トブラローン(三角のチョコレート)」は、すべてのハイテク機器を隠し、デジタルメータークラスター内にあるナビ案内の一片だけで、昔ながらのダイヤルを楽しむことができる。
これは、座って眺めるだけのキャビンだ。数百万円も安いBMWやメルセデスと比べれば、先進技術も包括的な技術も届かないが、フライングスパーを際立たせているのはそこではない。それは、雰囲気と高級感(これもスペックによるけれど)が、それを特別なものにしているのである。