ケータハムのプロジェクトVは272psのEVクーペで価格は1,450万円を下回る可能性アリ

親会社が日本企業となったケータハムがグッドウッドで見せる1,190kgのプロジェクトV。今のところコンセプトだが、ケータハムは2025年の生産も可能としている。


ビッグニュースだ。ケータハムが本物の屋根がついているクルマを発表した。プロジェクトVのコンセプトは、クーペの形だけではなく、ケータハムにとって、固定屋根のティントップは非常に大きな意味を持つ。

ケータハム C120(アルピーヌとの共同プロジェクトが失敗し、実現しなかったスポーツカー)とジャナレリー デザイン-1(ケータハムが最近チーフデザイナーに任命したアンソニー ジャナレリー)を掛け合わせたような外観のプロジェクトVは、小型軽量でシンプルなEVだ。期待できそう。

全長4.2m強、全高1.2m、全幅1.9m弱と、明らかにセブンのサイズからはかなり大きく逸脱しているが、ありがたいことにケータハムは電気自動車のハイパーカー的なパワー戦争には巻き込まれていない。そのため、リアにマウントされた1基のモーターが後輪にわずか272psを送り、150kWで急速充電可能な55kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されている。これにより、15分で20-80%の充電が完了し、航続距離は400kmとなる。

肝心の重量は?カーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーと複合ボディパネルのおかげで、ケータハムは1,190kgを目標としている。

その結果、0-100km/hは4.5秒以下、最高速度は230km/h程度になるはずだと言われている。

私たちが「はず」と言うのは、これはまだコンセプトだからだ。ただし、イタルデザインによって作られたコンセプトでもある。しかし、ケータハムはエンジニアリングと製造のフィージビリティスタディを実施し、その結果、2025年後半か2026年前半に生産モデルが登場する可能性があるとしている。

もし、そうなったら、ケータハムはこのプロジェクト Vをセブンと並行して販売することができる。なお、プロジェクトVの価格は80,000ポンド(1,450万円)未満が目標とされている。

また、プロジェクト Vにはかなり奇妙な座席配置が採用されるだろう。ケータハムは2+1のレイアウトを採用しており、ドーム型のコックピットの真ん中には孤独な後席乗員が座ることになる。少なくとも、そこからの眺めはいいはずだけど。より伝統的な4シーターを望む人には、2+2のレイアウトがオプションで用意されるようだ。では、もう一人分の重量増が本当に必要なのだろうか?親御さんたちよ、どの子を乗せるか選ぶときが来たようだ。

室内には、デジタルダイヤル、中央のインフォテインメントスクリーン、いくつかの物理的なボタンとノブを備えたシンプルなダッシュボードがある。ステアリングホイールは邪魔なものがなく、ノーマル、スポーツ、スプリントの走行モードがあるそうだ。

ステアリングは電動アシスト式で、サスペンションはダブルウィッシュボーン式で前後ともフルアジャスタブル。ホイールはフロントが19インチ、リアが20インチだ。

ケータハム・カーズの CEO 兼、新たに設立されたケータハム EVo の COO、ボブ・レイシュリーは、次のように述べている。「どのような形やサイズであれ、EV ケータハムは、我々の DNA である、軽量でシンプル、比類のないドライビ
ング体験を提供するという、私たちを他の誰とも違う存在にしているものに忠実でなければなりません」

「プロジェクト V は、会社を持続的に成長させ、同時に電動化を探求するという私たちの野心を満たすものです。次の段階の開発と技術能力次第ですが、プロジェクト V は 2025 年後半から 2026 年前半に市場に投入する計画であり、価格帯は最低小売価格 8 万ポンド未満からを目標にしています」

ケーターハムの親会社である日本企業、VT ホールディングスの高橋一穂社長兼 CEO は、次のように述べている。「本日、このグッドウッドの地において、我々から2つの新型車両を発表することが出来ることを大変光栄に思います。ケータハムの決して変えてはならない物、時代の要求に応えて変化すべき物、この一見相反する二つの要求を妥協することなく、融合させた結果が、この2つの新型車になります。このプロジェクトに関わったすべての方々、ケータハムのこれまでの 50 年間を支えていただいたすべての方々に、深く感謝申し上げます」


=海外の反応=
「重量とデザインは評価できる。そして、ウィンドスクリーンを付けてくれたこともマジ感謝」
「レトロな要素と未来的な要素が見事に融合している感じが好き」
「魅力的なパワープラントがないことは少し心残りだが、これは本当に熱狂的なEV市場の巨大な穴を埋めている。舗装された曲がりくねった道でどのような走りを見せてくれるのか楽しみだ」

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