【さらば、フォード シグマ】ケータハム、50年の歴史に幕を引く最後の限定車『セブン 310 アンコール』を発表

嗚呼、ケータハムとフォード1.6リッターエンジンの50年にわたる蜜月の関係も、ついに終焉の時を迎える。そのフィナーレを飾るモデルは、わずか25台の限定生産だ。

外車限定の車買取サービス【外車バトン】
エンジニアファクトリー


ケータハムにとって、ひとつの時代の終わりが訪れた。2007年から採用してきたフォード製「シグマ」エンジンとのパートナーシップに、この『セブン310アンコール・エディション』をもって別れを告げるのである。

わずか25台の限定生産、価格は39,995ポンド(800万円)。このオープントップ2シーターが、我々の愛した152bhpを発生する自然吸気1.6リッター4気筒エンジンを搭載する最後のモデルとなる。泣いてなんかいない。君が泣いているんだろ?(いや、記事を書いている我々が泣いているのんだけど…)。5速マニュアルを的確に操れば、0-100km/h加速は約5秒、最高速は204km/hに達する。

この「アンコール」は、ワンメイクレース「310R チャンピオンシップ」で得た知見をフィードバックし、標準のセブンからいくつかの重要なメカニズム変更が施されている。軽量フライホイール、調整式スプリングを備えたスポーツサスペンション、ワイドトレッド化、そして強化されたアンチロールバーがその内容だ。フロントには、レースグレードの新型ブレーキマスターシリンダーによって制御される、大径254mmのベンチレーテッドディスクが奢られている。

これらの改良の結果、「アンコール」はドニントンパークサーキットを1分18秒で周回するという、驚異的な速さを手に入れた。スタイリングも通常の310とは一線を画している。620Rを彷彿とさせるエアロノーズコーン、カーボンファイバー製のフロントウイング、そしてカップカー用のグリルが装着された。エキゾーストのヒートシールドには新しいカバーが与えられ、シャシーは精悍なガンメタリック仕上げに。小径な13インチの "アポロ" アロイホイールとブラックアウトされたウインドスクリーン周りが、全体を小粋なパッケージとして見事にまとめられている。

ボディカラーには、『ブルー マンデー』『オレンジ クラッシュ』『ホワイト ノイズ』といった、往年のポップ&ロックの名曲にちなんだ6色のユニークな専用色が用意される。残念ながら、リンキン・パークにインスパイアされた『パープル ペーパーカット』はリストにないようだけど。

英国ケント州に本拠を置くこのブランドの常として、キャビンはあくまでシンプル。ダークグレーステッチが施されたブラックのシートと4点式ハーネス、カーボン製ダッシュボード、そして随所に「アンコール エディション」のロゴが配される。センターコンソールに輝くシリアルナンバープレート以外、多くを語る必要はないだろう。

ケータハム・カーズのCEO、ボブ レイシュリー氏は、この輝かしいパートナーシップの終焉に際し、次のように語ってくれた。
「50年以上にわたり、ケータハム セブンは様々なフォード製4気筒自然吸気エンジンによって成功へと導かれてきました。
オリジナルの1.6リッター、クロスフローエンジンのシンプルさから、洗練されたシグマエンジンに至るまで、これらのユニットは爽快なパフォーマンスと手頃なランニングコストという、他に類を見ないブレンドを提供してくれました。シグマエンジンはモータースポーツの世界でも輝かしい血統を誇り、約20年間にわたって数多くのケータハムのレースシリーズで心臓部として活躍してきました。
この『セブン 310 アンコール』は、この長くユニークな関係への真の賛辞です。公道とサーキットのために完璧に設計されたこの一台は、過去半世紀の成功のすべてを、フォード シグマがケータハムの歴史に刻んだ不滅の足跡を祝うにふさわしい、特別なクルマへと凝縮しているのです」

では、今後のケータハムのエンジンラインナップはどうなるのだろうか? 『スーパーセブン600』などに搭載されるスズキ製の快活な660ccターボ、信頼厚いフォード製2.0リッター「デュラテック」、そしてレースシリーズ「アカデミー」用の車両に搭載されるホース・テクノロジーズ製1.3リッターターボが残る。そして未来は? ヤマハ製のパワートレインを搭載する、軽量EVスポーツカーが控えているのだ。その理由?ケータハムの親会社は日本企業になったから、というところが大きな影響を与えている。
【エレクトリック アワード 2025】ロータス エヴァイヤ/ルノー 4, 5/R32電動化計画:トップギア・ジャパン 067

【tooocycling DVR80】
箱バン.com



=海外の反応=
「笑えるよな、俺の目は「EV」の文字をすっ飛ばして「ヤマハ」に直行したぜ。あの甲高いエンジンサウンドが目に浮かぶようで、が楽しみ!」
「正直なところ、まだシグマエンジンを積んだセブンを作ってたなんて知らなかったよ。まあ、もう作られなくなるわけだけど」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2025/06/76921/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 067

アーカイブ