ホイールベースが180mm長くなったのに、標準モデルより7%小回りがきく
ベントレーの人気SUV、ベンテイガからエクステンデッド ホイールベース(EWB)が日本に導入され、お披露目された。スタンダードモデルは28,028,000円、アズールモデルは、31,625,000円となる。
ベントレー モーターズ ジャパンのブランドディレクター、牛尾裕幸氏から挨拶があった。
「昨年5月に発売が発表されたベンテイガ EWBですが、桜の開花に合わせ、今シーズンからようやく日本へのデリバリーを開始することができ、大変嬉しく思っています。ベンテイガ EWBは、ベントレーがお客様に提供できる最高レベルのウェルビーイング体験を体現しています。ベントレーは "ドライバーズカー"と呼ばれ、多くのオーナーが自ら運転しています。このベンテイガ EWBは走行性能に妥協していません。しかも、最高レベルの快適性とスポーティさを両立させたモデルなのです」
また、牛尾氏から、販売状況についても言及があった。「ベンテイガ、フライングスパーというモデルの導入とディーラーの皆様のご協力により、2年連続で最高販売台数を記録することができました。昨年の12月には、日本最大のショールームである大阪が、御堂筋に移転しました。また、昨年の3月と4月には、札幌と名古屋のショールームを拡張移転しました。さらに来月には、日本最大の車両台数を誇るベントレー東京がオープンします。お客様にベントレーの世界を体験していただける環境を整え、今年は3年連続の新記録更新を目指します。今日からEWB納車が始まりましたが、目標達成に向けてさらに飛躍していく所存です」
また、マーケティング&コミュニケーションマネージャーの横倉 典氏から、車両紹介が行われた。
2015年、新たなラグジュアリーSUV市場の創造を目指した初代ベンテイガが登場した。このクルマは、この新しい市場セグメントを開拓する上で大きな役割を果たし、他の多くの競合車種の出現に道を開いた。コンチネンタル GTもこの点では画期的だったが、ベンテイガは特にブランドの新しい市場セグメントを創造する上で大きな意味を持ったのである。
2019年に2代目が発売され、市場にも浸透した。発売から3、4年経ったベンテイガは世界的な人気を獲得し、ベントレーの世界シェアの42%を占めるまでになっており、実際、ベンテイガはベントレーのビジネスの基幹を表すクルマとなっている。
日本ではベンテイガがさらに人気があり、日本におけるベントレーの販売台数の50%を占めている。つまりベンテイガは、日本で最も人気のあるモデルの一つであり、日本におけるベントレーのビジネスに大きく貢献しているのだ。
中でもV8は最も人気があり、販売台数の70%を占めている。初代モデルは12気筒エンジンで発売されたが、すぐにV8モデルが一番人気となった。また、プラグインハイブリッドモデルの人気も高まっており、販売台数の20%を占めている。
「スピード」は販売台数の1割程度だが、最高級モデルとして人気を博している。週末のドライブやスポーツ愛好家のためだけのクルマではなく、実際、ベントレーの本国で行われた調査によると、8割近くの顧客が日常の移動手段として利用しているそうだ。そのため、単なる週末のスポーツカーではなく、日常に溶け込むラグジュアリーなSUVといえるだろう。
タウンユースはベンテイガの74%を占めているというから、SUVであることから意外に思われるかもしれない。そして、街乗りをもっと快適に楽しみたいという顧客のために、ベントレーのEWB(エクステンデッド ホイールベース)モデルが導入されたのである。
ベンテイガのEWBには、新しい装備が採用された。それが、ダイヤモンドイルミネーショす。ドアの内張りの部分の内側にLEDを仕込み、小さな1ミリの穴から22個のLEDが光を出すことで、20種類の色から選ぶことができる。アンビエントライトとも連動し、インテリアカラーを変更できる。リアドアには637個の穴があり、前が360個、1つの側面には約1,030個の穴がある。また、競合車に比べて4%から26%静かになり、ウェルビーイングという言葉を使って車までの快適性を向上させている。集中力や注力の散漫を抑えるためには、静かでなければならない。振動については、セカンダリライドが振動を抑え、競合車に比べて27%抑えられ、快適な乗り心地を実現している。運転のしやすさについては、最小回転半径が通常のベンテイガより7%小さく、11.8メートル。また、パワークローズドア、ライトのイルミネーション、パノラマ3ルーフの移動などの快適装備がある。全長5.3メートルの車体でも、狭い街中でも扱いやすい。
さて、当日展示されていたアズール(Azure)は、快適性に注力したグレードであり、乗り心地や安全性などが向上し、乗客の快適性を向上するためのオプションが標準パッケージに含まれている。
EWBは、V8の4リッターのツインスクローターボのツインターボエンジンを搭載しており、550馬力の770Nmのトルク、最高速度290km/h、0-100km/hは、4.6秒の加速性能を持っている。このエンジンは、従来のベントレーのショートバージョンのV8モデルと同じものだ。ベントレーのダイナミックライドが標準装備されており、48ボルトの電気式のアンチロールバーにより、ワインディングなどでのロールを抑え、フラットなカーブコーナリングのフィーリングを提供してくれる。また、電子式のオールホイールステアリングが付いているため、取り扱いが容易になっている。
ベントレーは、Azureを含む新しいデリバティブ戦略を採用し、顧客の好みに合わせたパッケージオプションを提供している。例えば、快適性に注力したAzure、ラグジュアリーな仕様に仕立てたマリナー、よりスポーティーな車に仕上げたSなどがある。これにより、より多くの顧客が自分に合った車を選択しやすくなっている。
アズールは、日本での標準価格が31,625,000円であり、標準のEWBモデルに比べてプラス360万円となっている。だが、このEWBモデルは、今年のベントレーの販売の主軸となる予定であり、全体のベンテイガのうちおよそ20%の販売を目指している。
デリバリーに関しては、4月から開始される予定で、既にディーラーに車が到着し、顧客の手元に渡るのを待っているとのことだ。ベントレーの高級感あふれる車両を、多くのお客様に体感していただき、ベントレーの魅力を伝えていくことが、今後の販売につながっていきそうだ。
牛尾氏にお話を伺った。「ベンテイガは、日本でとても人気があり、女性のお客様にも好評です。日本に導入されたのは2016年と、ラグジュアリーSUVとしてはとても早い導入でした。ベンテイガのオーナーには、モデルチェンジ時にリピーターもいらっしゃって、今ではすっかり確固たるポジションを確立したのではないかと思います。このベンテイガ EWBモデルで、今年も最高台数を狙いたいと思っています」