昭和世代がまだ純真無垢な少年だった頃、ランボルギーニ カウンタックはベッドルームの壁(日本じゃふすまかも)に貼られていた。そんなカウンタックが50周年を記念してカムバックした…というニュースを経ておよそ1年、日本でもランボルギーニ カウンタック LPI 800-4の実車を間近で見られる機会が設けられた。これはそのうちの一台だが、112台のうち何台が日本に来たのかは、明らかにされていない。カウンタック 5000 クアトロバルボーレも並び、新旧の違いを感じさせる。アジア・パシフィックのディレクター、フランチェスコ スカルダオーニ氏、Head of Japanのダビデ スフレコラ氏、そしてオンラインで、Head of Designのミティア ボルケルト氏が参加するという、豪華なショーであった。
ランボルギーニが新型カウンタック LPI 800-4の生産台数は112台、価格は200万ユーロ(2.9億円)(+税)で、トップギアではランボルギーニから、発表した瞬間に、すべて完売したことを確認した。112台という限定台数は、カウンタックの開発時に使用された社内プロジェクト名、LP 112にちなんでいる。
クリーンですっきりとしたラインは、オリジナルのLP 500コンセプトとその後のLP 400プロダクションカーを反映している。一目でわかる顔は、長方形のグリルとライトを備えたクワトロヴァルヴォーレエディションから取られたもので、NACAエアインテークはサイドとドアの上に飾られているのではなく、カットされており、全体的にウェッジシルエットになっている。
ミティア ボルケルトは、当然のことながら、この完成品を非常に誇りに思っている。「カウンタックLPI 800-4は、他に類を見ないデザインチャンスです。これほど重要な車を、新しい時代に向けて進化させることは、他にはない特権です」
「新しい時代」というのは、アンダーマウントのこと。シアン(アヴェンタドール SVJから派生したモデル)をベースに、その250万ポンド(3.8億円)の超貴重なハイブリッドパワートレインを搭載している。つまり、770bhpを発揮する比類なき自然吸気の6.5リッターV12が中央に縦置きされ、V12とギアボックスの間に設置された48Vの電気モーターと組み合わされ、34bhpを追加して合計804bhpを発揮するのだ。モーターはリチウムイオン電池ではなくスーパーキャパシタで駆動され(スーパーキャパシタの方が軽い)、もちろん4輪駆動である。
もう少し数字について見てみよう。だって、カウンタックを名乗るクルマは、遅くても、ドラマチックでなくても、激しい加速の際に暴言を吐くことがでないとかということは許されないからだ。このLPI 800-4は、0-100km/hを2.8秒、0-200km/hを8.6秒で達成し、最高速度は356km/hに達するという。まさに「遅くないヤツ」だね。車重は1,595kg(乾燥)、前後重量配分は43/57、さらに3段階の電子制御式リアスポイラーを装備している。
モノコックとボディパネルはすべてカーボンファイバーで作られており、フロントスプリッター、フロントウィンドウ、ウィングミラー、インテークカバー、ロッカーパネルなど随所に見られる。ランボルギーニは、カウンタックの歴史に思いを馳せて、「テレフォン」スタイルのホイールを採用し、その後ろには巨大なカーボンセラミックを配置している。
3Dプリントされたエアベント、フォトクロマチック・ルーフ(ボタンを押すと色付きから透明に変わる)、8.4インチのHDMIセンター・タッチスクリーンなど、21世紀を意識したものになっている。しかし、「クラシックでラグジュアリー」なレザーには、70年代のモチーフが縫い付けられている。
この新型カウンタックのコックピットを見てみると、戦闘機にインスパイアされたスターターボタンなど、シアンのコックピットによく似ているが、8.4インチのタッチスクリーンについた「Stile」ボタンが特徴だ。
ランボルギーニによれば、この「Stile」ボタンを押すと、「カウンタックのデザイン・フィロソフィーを特別な人たちに説明する」という。確かに特権的だ。新型カウンタックは、最高出力770bhpを誇る6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載し、そのエンジンと7速「ISR」ギアボックスの間に48V電気モーターを配置することで、さらに34bhpを追加している。
有名な話だが、初代カウンタックの名前は、警備員が初めてカウンタックを見たときの表情に由来している。ランボルギーニ社によれば、この名前は「イタリアのピエモンテ方言で、何かに驚いたり感心したりしたときの感嘆詞」であるという。
ランボルギーニのデザイン・ボスであるミティア ボルケルトは、「初代カウンタックは、何年も前からモデルとして当社のチェントロスティーレに存在していました」と語る。「このモデルを見るたびに鳥肌が立ち、私やデザインチーム全員にとって、未来のランボルギーニを先見性のある未来的な方法でデザインするための完璧なリマインダーとなっています。サイドから見るとよくわかりますが、シングルセンターラインのスペースシップデザインは今後も未来的なデザインとして踏襲していきたいです。また、ルーフは水平ですが、サイドウインドウの傾斜がキツいことや、フロントフェンダーが六角形なところなど、遠くから見てもすぐにカウンタックだとわかるのです。これからもランボルギーニのデザインDNAを生かしながら、エモーショナルなクルマを作っていきたいですね」
カウンタックについてもっと知りたい、というあなたには、トップギア・ジャパン 045がおすすめ。また、オリジナルカウンタックの試乗動画を下に貼っておいたので、そちらも楽しんでほしい。
=海外の反応=
「放っておけないんだよね、見た目が」
「エクステリアは大好きだが、なぜランボルギーニはこの種の車を作るときにインテリアを変えないことに固執するのだろうか?ヴェネーノ、シアン、チェンテナリオ、そして今回のカウンタックは、すべてアヴェンタドールとほぼ同じインテリアだね。もし私が1.5億円以上の車を買うのであれば、もっと期待したいところだけど。とはいえ、これは大好き」
「ナイロン製トラックスーツの袖をまくって、重い腕時計を窓からぶら下げてマイアミをクルーズしたい人には最適」
「これはきっと、悪い冗談だ」
「112台以上作るべき」
「フェラーリはこのようなレトロな戯言には決して手を出さないだろう。これは悪いジョークである」
「なぜみんながひどいと言うのかわからないが、僕はとても素晴らしいと思う。カウンタックだけではなく、ムルシエラゴやシアンからもインスピレーションを受けているのだから」
↑「見た目は素晴らしいのは同意する。ただ、限定生産のランボに共通して言えることだけど、インテリアがアヴェンタドールとほとんど同じであることにはがっかりしたよ」
↑「もちろん。もっとオーダーメイドの内装を作ってほしいと思うけど、それでもアヴェンタドールの内装のままで全部売れてしまうと…利益率がバク上がり」
「最も感銘を受けたのは、重量過多でデザイン過剰なリアの時代に、オリジナルが持っていたような、軽くて薄くてエレガントなリアを実現したこと。ありがとう、ランボ」
「以前のものよりもはるかに大きくなっているのが不思議。人間がフツーに座れてもおかしくないくらい」
「今までのものはさらに価値が上がると思う?」
「この新しい車は、古い車の醜さを際立たせている。それは、フロント。そう、この車にも怒りの顔が必要だったのだ。オリジナルはポケモンが恥ずかしがってる顔にしか見えなかったが」
「思わず顔がほころんでしまった。彼らがこのようなことをしてくれたことを嬉しく思うよ。よくやった」
「素敵なデザインで、僕にはクールに見えるし、V12が好き。ただ、次世代のフラッグシップではなく、限定生産のハイブリッド版アヴェンタドールであることが残念」
「やれやれ、涙を拭くためのティッシュを用意した方がいいかな…」
「この15年間で状況は変わった 🙂
ステファン ヴィンケルマンは(2006年に)、このコンセプトがミウラの生産復帰を示すものではないと述べた。'ミウラは我々の歴史を祝うものでした。しかし、ランボルギーニは未来を見据えています。レトロなデザインは、私たちが求めているものではありませんし、我々の目的ではありません。だから、ミウラは作らないのです'」
「見た目はいいのだが、まだアヴェンタドールのイメージが強すぎる(めちゃくちゃ長くなってしまった車クルマって感じ)。ホイールとリアエンドは、僕が思うに大失敗だ。これ以上の車をデザインすることはできなかったが、アヴェンタドールの繰り返しではなく、もう少しユニークなものを作っていたらクールだっただろうね」
「せっかくのゴージャスなデザインが、大きすぎるベントと醜いホイールアーチのせいで台無しになってしまった」
「この車を買えないのはわかっているし、何を言っても無意味なのもわかっているが、もし112台のうち20台をマニュアルトランスミッションにしたら、その後の価格は急上昇するだろう」
「見た目はクールだが、アヴェンタドールをベースにした車がなかったかというと、そうでもない。ランボルギーニには続編を作ってほしい。まだ、シングルクラッチトランスミッションを積めるはずだ」
「カウンタックのオリジナルモデルを継続して生産すれば、200万ドル(2.2億円)から、400万ドル(4.4億円)の価値があり、多くの家が建つだろう(ランボは当然やらないだろうが)。これはアヴェンタドールの皮をかぶったもので、価格は5倍だ。いらないな」
「驚かされると思っていたが、何かの理由でそうでもなかった。他のモデルの方がはるかに好きだが、実際に動いてみるともっといいのかもしれない。かっこいいけど、買える幸運な数人はコレクターズカーとしてしか欲しがらないと思うんだ。お金持ちの子供たちの中には、いつものように注目を浴びるためにひどい仕様のものを手に入れる人もいるだろう」
「アヴェンタドールにカウンタックのスキンを縫い付けただけのものじゃん…。気持ち悪いし、会社として最低だよ…。あの目を見張るような美しいミウラのコンセプトを売らないという良識があったことを思い出してほしい」
「あのフロントオーバーハングの長さに衝撃を受けたのは私だけでしょうか?」
「インテリアは素晴らしいと思うけれど、もっとセンスが必要だったかもしれない。オリジナルのカウンタックのキャビンの方が風通しが良い感がある」
「カウンタックというよりも、ランボの新型が売れてしまったという感じだね」
「カウンタックというよりは、ディアブロを改良したような印象を受ける。悪くはないのだが、カウンタックではない」
↑「旧型のカウンタックと今回の新型を並べてみると、確かによく似ている」
↑「シアンの隣に置くと、同じバックライトとフロントウィンドウだ」
「なぜみんながひどいと言うのかわからないが、僕はとても素晴らしいと思う。カウンタックだけではなく、ムルシエラゴやシアンからもインスピレーションを受けているのだから」
「ゴードン・マレーの同価格帯のT.50が何ヶ月も前から販売されていたことを考えると、この手の市場がいかに気まぐれで見識のないものであるかが分かる。まあ、そういう人にはT.50を使う資格はないんだろうけど」
↑「今のところ、私自身はこの市場には参加していないけれど(笑)、スタートアップ企業よりもランボルギーニにお金を出して製品を手に入れようとする人の気持ちはわかる。ゴードン マレーの信憑性が疑われたわけじゃないが、このカウンタックの場合、以下のことが起きている。
- 巨大企業が既存のプラットフォームを使って作っているので、合理的な時間内でクルマを受け取ることができる。
- 車が破壊されない限り、実際にお金を失うことはない。
- ランボであるというだけで、はっきり言ってインスタ映えする」
↑「これは、公平性を保つための理由が大きい。また、T.50は120万ポンド(1.8億円)ほど高く、希望すれば「50万ポンド(7,500万円)を前払い、返金不可」という怖い契約を結んでいた」
↑「最後の点については同意できないな。ウラカン STOとスーパートロフェオそのものを見ればわかるだろう」